大宰府天満宮にお参りして思ったこと

　九州の三日目は、大宰府天満宮に行った。ここは学問の神様、菅原道真をまつるお宮だ。
　受験生の願掛けのメッカである。
　私と家人も、子供の大学受験のお願いに参ったのだ。上の子の時もお参りして、祈願して、おかげさまで志望の学校に入れたので、下の子の今回もお願いに来たのである。

　ちまたでは三連休の最後の休日で、人ではかなり多かったと思う。天気も良かった。
　私たちは学業のお守りを子供のために買い、古い家人のために健康のお守りを買った。その後、上の子大学受験の時と、下の子の高校受験の時にもしたように、絵馬を買って奉納することにした。

　絵馬の記入所にいき、「志望大学に受かりますようにお願いします」などと書き込んで、掛けるところに持って行って掛けた。
　絵馬を掛けるところは三か所ぐらいあるが、どこも上から下、右から左まで、後ろから何列もたくさんの絵馬が掛けてある。
　私はそれらを前にして、体が熱くなるのを感じた。
　こんなにも、願い事をする人がいる。人間の”何かをかなえたい”という思いは、これほどもあるのだ。ここには、その”願い”があふれかえっている！

　私は掛けられているたくさんの絵馬を一つずつ、見て回った。たくさんの思いがあった。

　『第一志望校合格』
　『3年6組全員が幸せな未来に向かいますように』
　『消防庁での訓練を乗り切り、一人前の消防士になれますように』
　『就職試験一発合格お願いします』
　『○○○○ちゃんが警察学校に合格しますように』

　楽しいお願いのものもある。
　『ギャンブルでほぼ毎日勝てますようにお願いします』
　『おいしゃさんになれますように』（五、六歳の子供の字）
　『可愛い子供が沢山できますように』（夫婦の連名）
　『成績向上、勉強するやる気が出ますように』やる気、そこから？（笑）
　『エルザになれますように』♪ありのーままのー。
　外国語で書かれたものもあった。

　それらを見ながら、私は感動し始めていた。
　人間で、どれだけ、何かを願う存在なんだろう。
　人間は、みんな、どれだけ、幸せを願っているんだろう。

　人の願いがそこにあった。