南日本海人、「これでいいのだ」なのだ

　新聞を見て、マンガ家赤塚不二夫の死を知った。赤塚不二夫と言えば、私たちの年代から上ぐらいの人は、みんなよくそのマンガに親しんだものだ。
　「バカボンのパパ」、「ニャロメ」、「レレレのおじさん」、「ケムンパス」、「秘密のアッコちゃん」、「モーレツアタロウ」…ほんとうに思い出すと、なんとたくさんのキャラクターが私たちに間にしみこんでいることだろう。
　おお、まだある。「オソマツくん」、「イヤミ」、「シェーッ」あ、これはギャグだった。
　なんとまあ、そのナンセンスな徹底ぶりはどうだろう。「そんなアホな」というようなナンセンスの極みの笑いは、いつもわれわれを楽しませてくれたものだ。
　笑いというのは難しい。その笑いの中でも、特にナンセンスな笑いというものがいかにきわどいものか、両刃の剣であるかは、亡くなった赤塚さんが一番よく知っていたにちがいない。ナンセンスな笑いはシリアスと紙一重である。
　また、ギャグが切れなかった時のダメージというのは、これがまたはかりしれない。そのナンセンスのセンスは希代である。そんな難しい笑いを追及して、たくさんの作品を生み出してきた赤塚不二夫さん、類まれな才能であると思う。
　今朝はその訃報を知り、（不謹慎ながらも）秘密のアッコちゃんの歌を歌いながら赤塚マンガを思い出していた。
♪朝から晩まで真似ばっかり、つんとおすまし、それはだーれ？
　それはひみつ、ひみつ、ひみつ、ひみつのアッコちゃん♪
　この曲自体は彼とは直接関係ないかもしれないが、その作品によって生み出されたものにはちがいない。ああ、なつかしいなあ。
　今頃、天国で言っているだろうか。
「これでいいのだ」と。