なつみかんの木々を見上げて

野草大好きなつみかんです。
植物園や身近な場所の植物を紹介します。

猿丸神社紀行

2024-09-17 05:22:05 | お出かけ

今年の夏の暑さは異常で、9月になってからもなかなか涼しさは訪れません。
そのせいでしょうか、植物園でも花の姿が少なめです。
せめて近場でもうちょっと花の見られる場所はないかと考えた末、寿長生の郷にいくことにしました。
寿長生の郷(すないのさと)は、叶匠寿庵が開いた里山で、これまでも何度かご紹介しています。

そこに行く途中、前から気になっていた神社に立ち寄ることにしました。
広い駐車場に車は私の車以外1台のみ。
その車の中の人はのんびり朝ごはんを食べている模様。
結局私一人なのね。車を降りて向かうことにしました。



鳥居の扁額には、「猿丸神社」の文字。


車道は避け、横の歩道を通って向かいました。
緑が眩しいです。


手を清め


少し進むと、こじんまりした境内に本殿が見えてきました。


正面に回ると・・・


何の変哲もない神社のように見えますが、唯一目を引いたのが狛犬ならぬ狛猿。
猿丸神社だけあって、猿なのでしょう。




ちょっと面白いと思ったのは、阿吽になっていないこと。
両方とも口を閉ざしていますね。

本殿にお参りします。


ここらで気になるご由緒ですが、ご祭神は猿丸太夫です。
猿丸太夫といえば、百人一首のこの歌、
「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき」を思い浮かべるのではないでしょうか。
情景が目に浮かぶような歌で、遠い昔の中学生時代、いち早く覚えた歌の一つです。
歌は有名ですが、作者の猿丸太夫は生没年不詳、謎の多い人物です。
梅原猛の「水底の歌」や、井沢元彦の「猿丸幻視行」にも登場し、どちらも強く印象に残っています。

猿丸神社は、その猿丸太夫をご祭神とする神社で、ホームページを見ると、
「猿丸太夫は古来、歌道の神として崇められ、多くの文人墨客がこの地を訪ねています。
また、近年に入ってからは、瘤・でき物や身体の腫物の病気を治す霊験があるとして、"こぶ取りの神"
として篤く信仰されるようになりました。」(一部改変)とあります。
ご覧の通り、本殿の前には、瘤のある木が供えられていました。
撫でさすられているのか、表面はツヤツヤです。


歌道の神様がなぜ今瘤取りの神となっておられるのかはちょっと分かりませんでしたが・・・


ご本殿の前には、猿丸大夫を顕彰する石碑と石鉢がありました。
この石鉢から、祭日にはご神水を参拝者に供するそうです。


ちゃんと授与所が開いており、ご神職さんから御朱印をいただきました。
それほど広くないのですぐに境内を巡り終え、神社を後にしました。


お気づきかもしれませんが、猿丸神社でもう一つ有名なのが紅葉です。
境内のいたるところにカエデ(イロハモミジ)の木があり、涼し気な緑陰を作っていました。
こちらは、帰りに見た鳥居と青もみじです。


ちょろちょろと動く鳥の姿。


メジロが実をつついていたのでしょうか。


緑のメジロがさらに緑に染まっていました。
見事な青もみじを見ながら、今度は紅葉の頃に来ようと心に誓ったのでした。


ここから寿長生の郷はほんの少しです。
明日からは残暑厳しい寿長生の郷の様子をお届けします。

【撮影:2024/9/7 宇治田原町】

コメント (11)
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