【ministock-06(soho)】カットサンプル-グランドピアノがある小さい家-

ミニストックは、ごくごく普通の外張り断熱を採用しています。


ごくごく普通であることについては、私以外の誰でも図面を読み取れるようにするためですし、外張り断熱を採用する理由は熱橋が少ないことや内部造作の自由度が高いからです。

デメリットは、充填断熱に比べて金額的に割高であることと外部工事の期間が長いことです。

割高であることについては、お客様にとって敏感に反応しやすい部分かと思いますが、ネイティブディメンションズの設計においては、メリットの方が大きいので、外張り断熱を採用しているという事になります。

どうメリットが大きいのかと言うと、

ミニマルな住まいにおいて、空間を有効に使うための手段に家具を造り付けることがあり、ネイティブディメンションズでは比較的多くの造り付け家具をご提案させていただいています。

そして、造り付け家具の場合、壁内部に埋まっていたり、壁内部に取り付け下地を仕込む場合が多いので、それらが沢山あることによって、壁内部に断熱材があると、その断熱材を押し込むことになってしまいます。

断熱材は、断熱材そのものに断熱性能があるわけではありません。
断熱材の隙間にある動かない空気層が断熱の役割をもっています。

つまり、12ｃｍの壁厚に断熱材を入れたのならば、その状態でカタログ通りの性能を発揮するんですが、それが家具や下地材等で圧縮されていると、その分断熱材間の空気が減ってしまいます。

つまり、断熱性能が落ちてしまいます。

また、カウンターなどは壁を貫通して取り付ける場合も多いので、気密補修の手間が増える割りに、気密劣化の可能性も高めてしまう事も考えられます。

ちょっとくらいなら全然気にしなくていいですよ。
充填断熱の悪口言ってるわけでもないですし。

だって外壁に面する箇所に家具を付けなきゃ（少なければ）いいだけですし、
断熱気密に関係ない間仕切り壁に家具付ければいいだけです。



ところが、小さい家だとその間仕切り壁がなくて（少なくて）、外部の壁も積極的に使わないとだからっていう部分で、外張り断熱との相性がいいんです。



さて、その外張り断熱ですが、部分的に材料が足りなくて、ちょうどカットサンプルの様になってしまいました。

柱の外側に面材耐力壁（合板）を張って、ポリエチレンフィルム、断熱材、防風透湿シートの見事なレイヤードになっています。


そこから、外壁下地を取り付けて、石膏ボードを張って、防水紙張って、外装材張って、完成です。

告示の仕様を採用した耐力壁と外装を組み合わせたごくごく普通の外張り断熱です。