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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

木と金属とコンクリートと

2015-01-11 00:51:56 | 建築構造

木造住宅と言っても建物を支えているのは鉄筋コンクリート造の基礎です。
そして、基礎にただ木造部分が乗っかっているわけではなく、アンカーボルト(金属)でコンクリートと土台が離れないようにつなげています。

だから木造と言ってもコンクリートや金属も大切な構造部材として使用しています。
そして、それらは地震や風が吹くと建物に横からの力が働いて離れようとしてしまいます。

そこでですよ。

一体どこが離れようとするんでしょうね。

①土台がアンカーボルトからすぽっと抜けてしまったり、土台がアンカーボルトを支点に折れちゃったりなど木が耐えられなくなるのか。
②アンカーボルトそのものがボキっと折れて(切れて)しまうのか。
③アンカーボルトがコンクリートからすぽっと抜けてしまうのか。

どれだと思いますか。

正解は、

なんと、

「そんなの計算しなきゃ分かんないです」

えぇ~とか言わないでくださいね。

だって、土台だって桧使ったり、米松使ったり、集成材使ったりしますが、強度はそれぞれ違います。

アンカーボルトを留めつけるワッシャーも丸いやつから四角いやつ、埋め込むタイプなどいろいろあります。

アンカーボルトだって、長さの種類がいくつかあって、それをどのくらい基礎に埋め込もうかなど条件は物件ごと部位ごとに異なります。


どんなに大きな梁を使っていたも、どんなに強い耐力壁を使っていたって、建物が基礎から離れちゃったらなんの意味もありません。

1階が15坪程度の建物でアンカーボルトは100本近く使用します。

在来工法は柱が同じサイズなので分かりにくいですが、柱1本1本引きぬかれようとする力は異なります。
だからその力に対して土台とアンカーボルトと基礎が離れないように、適切な土台、適切なワッシャー、適切なアンカーボルト、アンカーボルトを設置する適切な位置を設計しなければいけません。

木造住宅に潜む金属とコンクリートの話でした。




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