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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-10(lab)】パーマンバッジ-グランドピアノがある小さい家-

2020-09-28 19:31:15 | ministock-10(lab)
パーマンバッジと名付けられたダイニングテーブル。

なんで、こんなカタチになったのか。
今日は私の頭の中で起こった変化のお話です。

昨年の3月に初めてプランをご提出した時のキッチンとダイニングのレイアウトです。

この時すでに現在のカタチほぼそのままで、お打ち合わせが進んでいくことになります。

つまり、私の頭の中では、このカタチがすでに出来上がっていたんですけど、

ここから、お打ち合わせで「あそこはあーしたい、ここはあーしたい」と、Mさんの意見と私のイメージをすり合わせる作業が半年以上かかるわけです。

ダイニングテーブルはこの四角い形のまま進んで行きます。
しかし、その半年以上に及ぶお打ち合わせと雑談の細かいところを拾い集めていくと、どうも引っ掛かるところがあるんです。

半年経ったお打ち合わせでも、Mさんから変更の要望が出るわけでもありませんでしたが、

最初の私の頭の中では

Ⅼ型キッチンと四角いダイニングテーブルの組みあわせ。
スペースも無駄にしてないし、ソリッドな雰囲気が表現できそうと考えていました。



でも、ダイニングテーブルにもうちょっと人座れないかな?




キッチンのシンク側ももうちょい長いと使いやすくなりそう。




えぇ、大勢座れて、キッチンが長いって部屋広くしろってこと?




おぉ~、出口どこ~。迷子になっちゃった。




ぴろろろろ、ぴろろろろ、ぴろろろろ、ぴろろろろ(パーマンバッジの着信音が頭の中で鳴り響きます)

カウンターの壁側を細くすればキッチン長くできて、先端を円卓にすれば自由に人が座れるし、

そのおかげで、円卓を回るようなキッチンへの動線になってスムーズになるし、


円卓に座っても壁面収納のプロジェクターが見えやすくなります。


すぐにMさんにご提案したところ、

「すずき、そういうことやぞ」

と即決のお返事。

「やったー」

私の仕事は、お客様の要望を聞くことではなく、お客様の潜在的な要望を見つけること。

使い勝手を追求した結果、すごく空間がまとまって、いい密度と緩やかな余白に包まれました。


それが、建築家の仕事と思っています。


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