約40年の歴史を持つミニですが、晩年にあたる’90年台は販売台数確保の為に毎年のように限定車が発売されていました。
これは’94年に販売された「ミニクーパー1.3iモンテカルロ」
モンテカルロラリー制覇30周年を記念して販売された限定車です。
おそらく晩年の限定車で一番有名なのはポールスミス。BSCCリミテッドも結構好き。ラストミニも結構感慨深いものがありますが、限定車としての完成度はモンテカルロが一番じゃないかと思っています。
そう思っているのは私だけかもしれませんが、そう思ってしまったので17年前に一目ぼれして買ってしまったんですね。
これが私の初めてのミニ。
大学4年の今頃でした。
就職を期に車の購入を予定していた私は、すでにミニを買おうと中古車雑誌をあさり始めていました。
そんな折、雑誌の背面広告に載るミニが私の目に飛び込みます。
4連のフォグランプ。
ボディのあちこちに貼られたラリーデカール。
20数年振りに復活した赤白のツートンシートは往年のクーパーSを思い出させます。
ステアリングは真っ赤な本革巻き。
インパネはなんと本物のウッドパネル。
木目調(プラスチック)じゃないですよ。本物の木。
この辺がさすがヨーロッパ。
一応、シフトノブも真っ赤な本革。
ウッドパネルは’95年以降の一部グレードに標準装備されますが、ミニ史上ではウーズレーやライレー以来となる、これまた20数年振りの装備となり、
なんという限定車だ。格好良すぎる。
コンビニの立ち読みでしたが、背面広告だけをじーっと眺め続ける姿は、たぶん異様な光景だったと思います。
我に返って、その本を広告の為だけに買い、帰ってからも本は読まずに広告だけを眺めていました。
翌日、すぐにパンフレットを貰う為にディーラーに走りました。(勿論ゼミをさぼって)
ところが営業マンからとんでもない一言が。
「これ今凄い人気なんですよ。早めの注文を頂かないとご希望の色がなくなるかもしれません」
(いや、いや、いや、いや、いや)
(まだ憧れている最中で、買うかどうかなんて決めていないですよ。卒業間近に買いたいんですから)
(そもそも、パンフレット片手に妄想に耽るのが買い物の醍醐味じゃないですか。何、いきなり現実を突き付けてくるんですか)
とは言うものの、もう心の中では「これっ」ってなっちゃっている自分がいるのも現実。
一応、聞いてみました。
「赤のマニュアルが希望なんですけど、在庫はどの位ですか」
5分ほど調べて帰ってきた営業マンの口からは、
「あと2台です」
「たぶん、今日ご注文を頂かないとなくなります。オートマや黒はまだ大丈夫ですが・・・」
(モンテカルロなんて、赤じゃなきゃダメに決まっているじゃないか(きっと)。しかも、ミニはマニュアルだからこそ楽しいんだぞ(きっと)。この営業マンは何を頓珍漢な事を。いや、赤以外のモンテを作るローバーも悪いんだ)
この世の終わりほどの絶望感が漂い始めていましたが、聞くところによると、注文後、船便で運ばれてくるので、納車は早ければ1月だけど、向こう(イギリス)のリズムで商売してるので2月か3月の納車になるかも知れないとの事。
ん?
って事はまさかのちょうどいい?
その場で、実家に電話を入れ、事情だけをそそくさに説明し、注文書に母印を押していたのは、店に入ってからわずか30分程度でした。
つづく。
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