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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-11(lab)】それがお前のやり方かぁ!-新潟の小さい家-

2020-08-26 20:42:50 | ministock-11(lab)
ミニストック-11は延べ床面積17坪の建物。
さらに建物は、非断熱空間と断熱空間に仕切られていて、非断熱空間が2坪強あるので、実質の居住空間は15坪のお住まいとなります。

小さい家を専門とする私でも最小クラスの部類に入るお住まいですが、
画像の通り、キャットウォークとロフトを設けてあります。
(1回から見上げたアングルです。画像左がキャットウォーク・中央がロフト・右が2階)

キャットウォークとロフトは法規上の床面積には含まれていません。
逆を言えば居室として利用することできません。

あくまでも
キャットウォークは窓のメンテナンスのため、


ロフトは収納スペースとして、


ついでを言えば、床下も収納スペースとして

利用が認められているわけですけど、

この小さな空間の中で、「あそこにまだ何かある」という期待感が広がりを感じさせてくれます。

単なる吹抜けだったり、
単なる勾配天井だったり、
単なる床下であれば、

使う事が出来ないので、なんの想像も湧かないけれども
床があれば想像しちゃいます。

ある意味、これが小さい家が広く感じることができるの秘密の一つとも言えます。

ロフトから見下ろした景色なんていいですよ。

キャットウォーク越しに1階まで見えちゃう。

その高さなんと4m75cm

だから、1階から見上げた時の期待感が半端ありません。

そして、ロフトにはもう一つの秘密が。

それは空調効率とエアコンのメンテナンスを良くするため。

ロフトに設けられたエアコンはロフトの床からわずか1mほどの所に設けられています。
だから、座りながらお掃除できちゃう。

そして、あの記事を覚えていますでしょうか。
【ministock-11(lab)】マジックカーペット-新潟の小さい家-
昨年の4月の記事ですが、その時、宙に浮くようなロフトを設計しているとお伝えしました。

実際こんな感じに仕上がりました。

分かりますか。
ロフトの3辺がすべて吹き抜けているの。

これは、冷房時にエアコンの冷気がロフトの3辺からまんべんなく空気が滑り落ちるように計画されていて、家中が効率よく涼しくなるための工夫の一つなんです。

冷たい空気って重たいから、すぐ落っこちちゃう。
暖房時の暖かい空気は軽いからある意味勝手に拡散してくれるんだけど、冷たい空気は引きこもっちゃうんです。
それを無理に拡散させようとしちゃうと気流を感じて不快になる場合もあります。

だから、1回ロフトの床にバウンドさせて、各方向に落としてやろうという事で、こんなロフトが生まれました。

こんな空調計画もあるんですよ。

結果、床下にエアコン。
ロフトにエアコン。
日常生活レベルではエアコンが全く見えないのに、家中涼しかったり、暖かいという怪奇現象が起きるんです。

オカルト設計事務所のお話しでした。


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