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朝、自転車に乗って10キロほど先の公園に行った。
桜は、この間の強風でほとんど散っている。
しかし、桜の花びらの量がはんぱではない。遠目からは、まるで雪が積もっているようだ。
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この公園に隣接するかたちで、小さめのため池がある。池のそばに植えられた桜の枝が、水面に映っていた。
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池を巡る道を、ゆっくりと一周した。
水面を覆う桜の花びらが美しい。
ペダルを漕ぎながら、ふと、思った。
この世界は、クルマなんかじゃ見えないものばかりだな、と。
この公園は自宅からほんの10キロ足らず。子どもの遊具は無く、ただ展望台らしきものと、桜の木と池しかない。だから、存在はしっていたのだが、来たことがなかったのだ。
クルマじゃ近すぎて、かえって来ることはなかったろう。
スポーツ自転車を始めてほんの一年足らずだが、世界の意外な広さに驚かされてばかりだ。
免許を取って20年以上の間に、車を運転した回数が数回で、残りは全てオートバイで、関東から九州までを巡ってきたわけですが・・・
ゆっくり走っている時は、オートバイも意外と自転車に近いですよ。
高速に乗ると、自転車と似て非なる世界になりますが。
(時速100km超の風にさらされながらの長距離走行とか・・・高架道路は、必要でも通りたくないものです。強風で、雨が降ると本当に死の危険を感じます)
いずれにしても、大気の中を翔ぶような経験は、車に乗っていると確かに異質なものですが。
桜の木の下には…まあ、見知らぬ時間が埋まっている、とでもしておきましょうか。
美しいが少しおそろしいもので。
坂口安吾を読んだのは中年になってからですが、桜の森の満開の下、面白かったなあ。