
四国はうだるように暑かった。
あんまり暑いので、自転車に飛び乗って数キロ先にある公園まで走っていて、木陰のベンチに座る。涼しいのは、涼しい。暑さ寒さも観測者しだい。
分厚いし、サンリオSF文庫の「コンピュータ・コネクション」がいまいち萌えなかったのと、翻訳されたことを忘れていたので、今まで読んでいなかったアルフレッド・ベスターの「ゴーレム 100」(100は100乗の記号)を読み終えた。
・・・すげえ。
この本ほど「読書感想文」に向かない本は無い。ただ、すごい。
めちゃくちゃなようで非常にクールに計算された小説。ド・サドの「悪徳の栄え」や「ソドム150日」を連想するような淫猥なシーンがあるが、「骨格」というものがほとんどないサドの小説とは比較にならない。いや、当たり前か。
実験作のようでいて、スラディックやディレーニィやバラードよりも、ずっと古典的な「SF」の楽しさも持ち合わせている。
なにより驚きなのは、こんなすさまじい小説を「還暦」を過ぎて書いてしまう故ベスター様である。
暑いが充実した終末もとい週末になった。
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