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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

カトリック神田教会

2009年05月17日 | 東京
 土曜日は練習のある夕方まで時間があったので、また行きたかった場所を歩くことにした。2週間ぶりの東京街歩きの再開である。とにかく私は歩くのが好きだ。だから気候がよければ4,5時間は歩いてもへっちゃらである。
 今回も出発点は御茶ノ水。ここでいくつか用を済ませた後、ニコライ堂附近から新宿に向かって出発。行きたい場所はいくつか決めていて、今回は外堀沿いを歩いて、途中から紀尾井坂を通り、赤坂見附から青山通り、そして明治通りを新宿へと向かうコースである。 
 いつもは表通りを歩く道は必ず一本裏を歩くようにした。そして、水道橋駅へ向かう途中で発見したのがカトリック神田教会である。文化庁の登録有形文化財に指定されている聖堂は、外見からだけでも十分に歴史を感じるだけの趣があるのだが、ここは自由に内部を見学できるようになっている。
 一人歩きの楽しみはなんといってもこうした場所へ自由に立ち寄れること。ぶらりと内部に入ると、まさに「荘厳なsolemn」という形容詞がぴったりの神聖な空間である。管理人らしき人も誰もいない。シーンと静まりかえっている。ライデンの聖ピータース教会を一人で訪れて、その静けさに感動したことを思い出した。
 祭壇の前に向かって歩く。私の足跡だけが聖堂に響きわたる。そのとき、私は何列も設置されている木製の椅子に一人の女性がいることに気がついた。その女性は硬く両手を結び、膝を低い台において、ただ祭壇に向かって一身に祈り続けているのである。たぶん私の存在には全く気づいていない・・・。
 この光景に触れたとき、なぜか体の中からある種の感動が沸き起こり、それは全身を熱くしていった。形式化され、慣習化された儀礼とは異なる個人の祈りは、信仰とは何かという問題を私に突きつけてくる。