七曜工房みかん島

18年間の大三島暮らしに区切りをつけ、
滋賀大津湖西で、新たに木のクラフトと笛の工房
七曜工房を楽しみます

『一人で建てる木組みの家』~22 内壁その2 (壁下地)

2008年09月20日 | 『一人で建てる木組みの家』
壁下地も色々ある
 
仕上げの種類がいくつかあり、それに応じて下地の方法も色々ある。
基本構造が木の家は、火や水に弱いことから、
防火防水の機能を壁下地に持たせている。
仕上げ材にもその機能はあるが、完全ではない。


1) ラスボード

しっくいや石灰モルタル仕上げの下地板である。
固めた石こうの表面は紙製で、塗りつける材の食いつきが良いように、
ボツボツと穴があけてある。

当初は、ラスボードの上へしっくいを塗るつもりだったが、
調べていくうちに、
ラスボードの表面の紙としっくいの相性が悪くてラスボードへは、
しっくいは直接塗れないことが解かったので、
それでは、石こうプラスターを仕上げ材にしようとした。

しかし、これも仕上げ用の石こうプラスターが、
手に入らないので、又々変更して、
下塗り石こうプラスターの上へしっくいや石灰モルタルを塗ることにした。

ラスボードの穴は、何かで叩いたような穴で、
よく見るとえぐれ方に穴の上下で差がある。
とすれば、ボードの貼り方に上下があるのだろうか。
また、横使いしても良いのだろうか。
わからぬままにどれも試してみたが、
食いつきの加減に差はなかったようだ。



ラスボード取り付け



モルタル下地とプラスター下地


2) ラス板とラス金網

ラスという言葉は、何気なく使っているが、
改めて調べると英語で〈Lath〉小舞のことを言う。
大いに納得。

ラス板を桟木に釘止めしてから、防水紙をタッカーで止め、
その上からラス金網をタッカーで止める。
この上へモルタルを塗る。
モルタルが仕上げになることもある。
市街地では、消防法上外壁はモルタル仕上げをすることが多く、
たいていはこの方法であったが、
今はサイディングを張ることが多くなったようだ。

今回は、白セメントモルタルを仕上げとしたり、
風呂場の壁として、
モルタル塗りの上へタイルをボンドを貼ったりした。

ラス板は、厚さ12㎜ 幅75~80㎜の杉板。
すき間をあけて桟木へ釘止めするだが、
そのすき間の寸法がわからなかった。
9㎜から30㎜と幅があった。
モルタルを塗る時にこのすき間へ押し込んで、
はくらくに抵抗させるようだが、数値に差がありすぎる。
結局15㎜とした。



ラス板

ラス金網も何種類かあり、今回は平ラスとリブラスを使った。
リブラスは、鉄骨建物等で利用されるようだが、
モルタルの厚塗りができるようなので、風呂場へ使うことにした。

リブラスには、裏表があって、
収まり良く見える張り方は裏向きであって、
あくまでモルタルが付着し易い向き〈収まりが悪く見える〉で、
張るのが正解であると材料店で教えてもらった。
それなら、上下の向きは決まっているのか。
これは確認しなかった。

張ってから気付いた。
張った金網に陽が当った時に光り方に違いがあった。
白っぽく光る方と、黒っぽい方とは、上下の向きが逆だった。
平ラスやリブラスは、薄い鉄板に網目状の切り目を入れてから、
引っ張って広げてあるので、線上の部分に方向性が現れる。
モルタルが載り易そうな方向と、落ちてしまいそうな方向に。
だがタッカーでしっかりと固定してしまったし、
上下があるかどうかもわからないので、
このままでいくことにした。
結果は、モルタルを塗っていても差は感じられなかったし、
はく落し易いとうこともなかった。



ラス金網


リブ付きラス金網 風呂場



土間下地

3)ケイカル板

ケイ酸カルシウム板のことで、
石こうボードより硬くて、曲げ弾力もある。
石こうボードに比べて、ある程度の水湿に強いらしく、
この上へボンドで直接タイルを貼る。

手洗いや台所の壁タイルの下地に使った。
風呂場のモルタル下地へ貼ったタイルとちがって、
とてもキレイにうまく貼ることが出来た。
タイルがうまく貼れるかどうかは、
下地の平面性にかかっているようだ。



台所ケイカル板


4)石こうボード

壁紙の下地材。12㎜厚を使った。
結構な重さがある。そのわりにもろくて、欠け易く、
運ぶ時に角を当てたりすると欠けてしまう。
要取り扱い注意。


押入れ石こうボード下地


 2007年3月上旬~ 2007年5月下旬
        下地所要日数〈桟木を含む〉 23日間


 これまでの『一人で建てる木組みの家』の、家作り の様子は こちらをどうぞ



















コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする