物欲王

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三省堂国語辞典を初めて買う

2022-06-05 18:41:17 | 

自分自身ではわりと辞書好きのつもりでしたが、『三省堂国語辞典』を今まで手にしたことがありませんでした。単なる食わず嫌いというのか、出版社名が書名に名前に入っている辞書があまり好きではなかったからです。

しかし、神保町のランドマークであった三省堂書店神保町本店が一時閉店すると聞き、一時閉店前の残された期間に同店に足を運び、何か記念になるものをと考えて「三省堂」の名が入った『三省堂国語辞典』を買うことにしました。

『三省堂国語辞典』は初めて手にした辞書だったのですが、流石に版を重ねている定番辞書とあって非常に良くできています。僕の第一印象としては「言葉の資料集」を読んでいるような感じです。パラパラめくって読み物としても楽しめてしまいそうなくらいです。

少し使ってみて良いなと思った点をいくつかご紹介すると、まず見出し語の表記です。『三省堂国語辞典』の見出しは、和語はすべてひらがな表記、外来語はカタカナ表記と徹底しています。例えば文字面だけだと外国語のイメージすらわく和語の「パチンコ」はひらがなで見出しが書かれている一方、勝手に日本語だと思っていた「襦袢」はポルトガル語由来の言葉なので「ジュバン」とカタカナで見出しが書かれています。襦袢なんて完全に日本語だと思っていましたが、ポルトガル語とは知りませんでした。考えてみたら「天ぷら」や「いくら」なども日本語としてかなり馴染んでいますが、どちらも外国語由来ですよね。すでに和語っぽく日本語の中で馴染みきっている外国語は他にもたくさんあるのでしょう。『三省堂国語辞典』の見出しがひらがな表記かカタカナ表記かを眺めているだけでも思わぬ発見があります。

また「言葉の鏡」を標榜する『三省堂国語辞典』だけあって、恐らく他の辞書であれば載せないような見出しや語釈が見られるのも驚きました。「鯖」の語釈には俗用として「サーバー」と解説されていたり、「草」の関連見出しとして「草生える」が2010年代からの言葉として紹介されていたり、実社会で用いられている日本語を積極的に取り込もうという姿勢には頭が下がります。加えて言えば、「草生える」に限らないのですが、その語義や用法がどの時代から用いられているのかが書かれているのも『三省堂国語辞典』を読んでいて面白い点ですね。

第八版から新設されたという言葉の由来区別といった豆知識が得られたり、アクセント表記があるのも、「言葉の資料集」といった印象を強めますね。辞書としても便利ですが、読み物としても、語釈以外のことを調べたいことにも活用できるので、普段使いの辞書として最適です。あるいは外国語として日本語を学ぶ人にもお薦めできる辞書ですね。

神保町本店の一時閉店をきっかけに良書と出会うことが出来ました。

 


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