那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

自然薯掘りの秘訣

2011年01月09日 | 雑談
自然薯掘りの秘訣


私は大学院修了後、10年ほど故郷愛媛で暮らした。
重いアルコール性肝炎と第七頚骨ヘルニアに罹り、静養生活を余儀なくされたのだが、その間に堤防釣りや山菜採集に熱中した。
 簡単に「熱中」という言葉を使っているが、私は少し異常なところがあり、例えば釣りなら釣りで、台風、大風の日以外は「毎日」堤防に「何年」も通う、という癖がある。今日は家にいよう、と決心して眠っていても、夢の中で釣りをして当たりがあり引き上げる、その感触に自分で驚き(実際に釣り上げる動作をしている)、眼が覚めて夜中から車を飛ばして海に向かう、といった具合で、何事にでも極めるまで熱中する癖があるのだ。

ここでは自然薯掘りのコツを記録するが、私の山菜採集は、ヨモギ、フキ、ノビル、ヨメナ、ワラビ、イタドリ、ユキノシタ、セリ、クレソン、ツクシ、クサギ(故郷ではクジュナという)、フキノトウ、タラの芽、そして自然薯の体験がある。
 ヨモギなどと馬鹿にしてはいけない。これは天然のハーブであり、若菜を摘んでヨモギ餅にして食べると最高の香がする。さらに薬草でもある。私は時々、味噌汁にヨモギを入れて飲んだが、確かにアクが強いものの、体調が良くなり、便がウソみたいにスルッと排泄される。便秘の人はぜひ試して欲しい。こんな素晴らしいものが自然にあるというのはなんて素敵な恵なのだろうと思う。(実際に採集してみれば分かるが、いいヨモギを見つけるのは難しい。ヨモギは山地には生えず、田畑の周辺に多く繁茂する。しかし除草剤のせいで最近は見かけなくなった。アスファルトの隙間から立派なヨモギが生えていることがよくあるが、そういうものは全く香がしない。たかがヨモギとはいえ、いいものを見つけるのは結構難しい)
 またノビルは私の大好物で、なんであんなに美味しい野菜を八百屋で売っていないのか不思議で仕方ない。東京では根の部分に味噌をつけて生で食べるようだが、これは塩漬けで食べるのが最高に美味しい。お茶漬けにしたら何杯でもご飯が食べれるし、酒のツマミにも最適だ。また、葱の代わりにウドンの具にして食べると、葱よりずっと香が強く、絶品になる。
 フキもそうだ。愛媛のフキは日本一、と聞いたことがある。私はフキノトウを採取したついでに、見事なフキの株を一つ掘り起こして自宅の庭に移植したところ、数年のうちに庭中フキだらけになり、毎年香の強いフキを頂いたものだ。

さて、自然薯掘りのコツである。
まず、「斜面を狙う」ことである。平野部の山林での自然薯掘りは、垂直に掘らねばならないのでかなりの肉体労働になる上に、特殊なスコップ(筒状の部分の長いもの)が必要だ。
 その点、山林の斜面を掘れば労力は遥かに軽くなる。
私の故郷は山岳地帯なので、片側に谷がある雑木林を狙った。杉や桧の植林された山には自然薯はない。雑木林や、道路沿いの崖などを狙うのである。

自然薯の大きさは、葉っぱの生い茂り方に比例している。自然薯は蔓草で、特徴のあるハート形を尖がらせたような葉っぱをつけている。秋になると黄色く紅葉するのですぐに分かる。それで、多くの人は、その時期に葉っぱを手繰り、その付け根にある茎に目印を置く。飲料水の空きカンを置く人もいれば、割り箸を突き刺す人もいる。
 私はそうしなかった。そんなことをすれば、「ここに自然薯がありますよ」と教えるのと同じである。私は秋のうちに大きな自然薯の蔓草が生い茂るところを覚えておいて、冬になり蔓草が枯れたごろに山に入り、枯れた蔓(つる)の色合いで見定めた。自然薯の蔓は「マムシ色」をしている。つまり、黒っぽい枯葉色の上に小豆色の斑点が散らばっているのだ。このような蔓は他に無いので、慣れてくるとすぐ分かる。

そこで掘り出すのだが、私は山菜採集で山道を歩いていたときに、特殊な「掘り具」を拾ったので、それ一本で済ませた。その道具は特注したものらしく、鋼鉄製の40センチほどの長さで、先端はナイフのような形になっている。これは実に便利だった。
 自然薯というのは意外なことに荒れた土地に生える。表面は小石で、掘ると砂の混じった赤土や黒土に変わって行く。

商売用の自然薯は「絶対に折ってはいけない」ことはご存知だろう。途中で折れてしまえば二束三文になる。私の故郷の僻地ですら、折れていなければ一本3千円以上はする。
しかし、自分で食べる場合には、途中で折れてもいい。むしろ折れると自然薯の白い中身が目だって掘りやすくなるぐらいである。
 大きさも気にすることは無い。私は小さなものは親指程度のものに当たったことがあるが、塵も積もれば山となる、である。10センチ20センチ程度のものを数多く掘りまくることだ。
(私の故郷のある地域で、なんと28キロの自然薯が採れて、新聞に載ったことがある。その場所は、道路の片側が小川で、その川を渡った向こうに捨てられた雑木林の山がある、という地形だった。川には橋が架かっていないのでこういう大物が採れたのだろう)

そういう具合にして、私は軍手とナイフだけを用意して、車で山道を走り自然薯を採取した。まる3年の間、秋から冬になると車を走らせて、大げさに言えば、故郷の車で行ける範囲の自然薯を全部掘ってしまった。
 ここで注意。自然薯はあんな姿をしているが、実に腐るのが早いのである。3日も放って置けばもうダメになっている。それを知らなかったために、私はかなりの獲物を腐らせてしまった。なるべく早く調理することをお薦めする。

蛇足だが、自然薯の食べ方を簡単に解説する。皮をむいてオロシガネで擦る。すり鉢に一定量が溜まったらカツオダシを入れるのだが、ここで注意。絶対に熱いダシを入れてはいけない。自然薯は所詮イモだから、熱いダシに触れると焼き芋のように固まってしまい台無しになるのだ。充分にダシを冷ませて、冷たくなってから、少しずつ入れる。二人でやるのが良いだろう。一人がダシを入れて、一人がスリコギで混ぜていく。さらにそこに生卵を加える。それでまだ味が薄いようなら、ダシか醤油を加えて調節する。ある瞬間に抜群に風味が出てくるので、何度も味見して工夫することである。

以上で自然薯掘りのコツは終わった。最後にマナーを。
まず、自然薯掘りは全て「泥棒」だということを自覚すること。山林は全て誰かの持ち物であり、その人に隠れて山の幸を「盗む」のだから、これははっきりいって泥棒である。海や川には持ち主はいないから堂々と魚釣りを楽しめばいいのだが、全ての土地には所有者がいる。あるいは町の共有林だったり国有林だったりする。
 そういう意味では、余りお薦めできない趣味ではある。私は自然薯を掘っているときは、いつも「持ち主が現れたらどうしよう」と不安で仕方なかった。だから、せめて掘り残した後の穴ぐらいは丁寧に埋め戻しておこう。
 それから、他人の家に行ってご馳走になるときに、自然薯と刺身だけは「遠慮して食べる」のがマナーである。
 私の故郷には11月の終わりに祭りがあり、その際に自然薯粥とハマチの刺身が出るのが定番になっている。一番美味しいのがこの二品なのだから、後から来る客のために、遠慮していただくのがマナーである。
 私が高校のときに、友人の家にお呼ばれしたことがある。そこで出た自然薯粥を、私の、少し頭の悪い連れ合いが、「美味い、美味い」と言って、何度も自分でおかわりして全部食べてしまった。私は見ていて、なんて下品な男だ、とウンザリした。またその自然薯を自ら掘ってきた友人は、カンカンになって怒り、「もうお前は来るな」と言い捨てた。
 私は「チビまるこちゃん」に出てくる大食いの小杉を見ていても腹が立つ。また、私は二匹の猫を飼っているが、そのうちの一匹はオヤツ好きで、私が晩酌に笹かまなどを食べていると、私の膝の上に乗ってニャンニャン鳴いてツマミを欲しがる。やっても膝の上から離れず、次の一切れを欲しがる。もう一匹は近くに座っていて、私が笹かまを千切ってやると食べるが、食べたら元の場所に帰り、静かに待っている。それで私は前者の猫を「乞食」と呼び、後者の猫を「貴族」と呼んでいる。
 稲垣足穂は「男はオカズに文句を言うな」と記している。「武士は食わねど高楊枝」という諺もある。美味しいものはホドホドに、というのが人間の気品というものだろう。

では、田舎に住んでいる皆さん。自然薯掘りという「泥棒」を楽しんでください。くれぐれもバレないように。それから、雑木林にはマムシがいますから咬まれないよう気をつけてくださいね。








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1 コメント

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Unknown (鬼)
2011-01-09 20:39:51
セクハラ加害者を職場から放逐。当然の報い!

関西汽船子会社”関汽交通社”において会社も

労働組合も何もせず、企業外労働組合において

最近Aさんのセクハラ闘争が解決しました。5年間にわたって、上司による女性従業員への卑劣なセクハラ、パワハラが行われ、彼女の心身を傷つけました。
労働局のあっせんなどを試みましたがうまくいかず、最後の望みを賭けて労組を訪れました。

それから1年4ヶ月、闘いによって解決しました。団体交渉の当初は、上司の卑劣な居直り、会社の責任逃れのすえ、東京都労働委員会に持ち込まれました。それでも抵抗する会社。労組は行動します。

ついに、全面解決が実現しました。本人が納得する解決内容です。

解決の内容は、セクハラ、パワハラに対する会社の謝罪、セクハラ裁判による損害賠償平均額の4倍の解決金、社内に女性カウンセラーの設置などセクハラ防止システムの構築などでした。
そして加害者の上司は職場を放逐されました。当然の報いです。

成果は当人が見違えるほど元気になったことです。

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