那田尚史の部屋ver.3(集団ストーカーを解決します)

「ロータス人づくり企画」コーディネーター。元早大講師、微笑禅の会代表、探偵業のいと可笑しきオールジャンルのコラム。
 

八王子五行歌会ネット歌会結果ほか

2013年12月29日 | 八王子五行歌会

第三回目の八王子五行歌会ネット歌会のレポートが、今日配送された月刊『五行歌』一月号に掲載されたのでいつものようにブログで公表します。

_______________________

八王子五行歌会・ネット歌会

                     那田尚史

10月3日(日)
 第3回目のネット歌会を開いた。過去二回は自由詠だったが、今回は秋の寂しさを吹き飛ばそうと題詠を「一目惚れ」に決めてみた。

もう大丈夫と
かさぶたを
剥がす
あの夏のひとめ惚れ
乾いて落ちた         成宮圭(一席)

 一目惚れという瑞々しい情熱の対極にある乾燥した質感のかさぶたを敢えて比喩に使ったとのこと。心の傷が癒えるイメージに繋がり圧倒的な点差をつけての一席だった、
 以下同点が複数並んだので簡略表記する。

ふるさとの/香りと味を/かみしめる/宮城県岩沼産の/ひとめぼれ    坂木つかさ(二席)

十三年前/私が一目惚れしたハナコは/只今失踪中/キツネみたいな犬/見つけたら連絡ください              桜井凜(二席)

 インパクトの強い題詠を決めた余禄か、こういう変化球が投稿され参加者の講評が賑わった。なるほどお米にも「ひとめぼれ」があったなぁと意表を突かれ、またペットショップの伝言板のような歌の作者は毎回愛犬をテーマに投稿される個性派投手。所謂「発想の転換」の歌で、共に女性の作品である。

夏祭り/浴衣の君に/一目ぼれ/二十歳の夜に/星も瞬く           カンジ(二席)

 一方、このロマンティックな歌は男性の作品。五句目が普通過ぎる、ケレン味がないのがいい、という意見に分かれた。こういうウブな感性が一生続けば人生はどんなに楽しいだろうと叶わぬ思いにしばし浸った。

一瞬の/ネオン点灯/そんな気分だ/一目惚れ/というものは     喬城奈緒海 (三席)

 なるほど、と思わせる説得力のある歌で多くの共感を得た。やがて色あせてしまうのが一般的な一目惚れの宿命だからである。
 参加者は結構苦労されたようだが、決められたテーマを詠むのも楽しい経験だった。大げさに言えば「一目惚れ考」の歌会だったように思う。高齢者から子供まで参加できる題詠を考慮しつつ、当分この路線を続けてみたい。

<投稿者>持国天、沢辺温子、坂木つかさ、成宮圭、GENTA、吉田進一、カンジ、頸城おとめ、桜井凜、喬城奈緒海、那田尚史

_____________________

次回は子供も高齢者も詠み易い題詠を決めて2月頃に募集する予定です。奮ってご応募下さい。

尚、私事ですが、同誌の136~137頁に個人作品特集として16首掲載されています。

いつも思うのは子供の詠んだ五行歌の素晴らしさです。最新号で、くどうゆうすけ君(六歳)の作品を二つ見つけました。紹介します。

えみせんせいが
おどかすんだよ
しょうがっこうにはいれないよって
そうきいてねえ
それもいいかなあって

おかあさん
よるに
なる
しゅんかんを
みてみたいねえ


数学など理科系では早熟な子供がいて、飛び級制度のあるアメリカなどで小学生なのに大学に合格したなどという話を聞きます(大抵、大きな業績は残していないようですが)。一方、このような文系の能力を持つ子供たちは将来どうなるのか、末恐ろしい気がします。

前の歌は何か悟った人に説教されているようですね。後者は鋭すぎてとても真似できません。ニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見したという逸話を思い出します。「当たり前」と思って気付かず、見落としていた現象を子供の澄んだ目は見落とさない。

大人になった後でこういう新鮮な視点を回復するのは至難の業です。禅で使われる十牛図を例にすれば九番目の「 【返本還源】(へんぽんかんげん)の段階で、修行を重ねた上で獲得できる悟りの境地です。簡単に言えば、一切の先入観を捨て、悟った悟らないという意識も消えて幼子の目に戻った段階です。つまり、子供は修行もせずに悟りの目を持っており、もし神仏が存在し肉体を持っているとすれば、子供こそ神仏だと思わざるを得ません。

次回のネット歌会は子供の投稿を期待して、子供から高齢者まで参加できるような題詠を決める予定です。

尚、ネット歌会は別にして、八王子には本当の歌会をする場が当八王子五行歌会しかないので、「広報はちおうじ」にも公告を出してもらいました。興味のある方は当歌会の紹介http://w01.tp1.jp/~a920031141/gogyouka.htmlをご覧下さい。ここからメールを出すことが出来ます。電話は042-634-9230です。

五行歌に関する情報は本部のHPhttp://5gyohka.com/を参照して下さい。ブックマークにも付け加えておきます。