報道写真家:冨田きよむ氏↑の東日本大震災レポートは胸を詰まらせた
11日、全労災会館(東京)ホール/スペース・ゼロで、(財)全労災共済が主催したシンポジウム『日本社会の向かうべき道~大震災からの復興をめざして~』とのシンポジウムがあった。
以下、そのメモである。
●妖艶なエコノミスト・浜矩子の基調講演「狼と子羊がともに生きるとき」に続いて、同ホールギャラリーで『東日本大震災写真展』を催し(10・11日)ている報道カメラマン・冨田きよむが、『被災地からのレポート』を、短く、朴訥と語った。
世界中の戦場や被災地を巡った冨田きよむをして東日本大震災の阿鼻叫喚を
「13日、現地に入ると、今まで見たこともない風景が広がっていた。この震災は、普通の人(民間人)が多くのご遺体を見たという初めての震災だったことが特徴づけられる。彼らは津波に飲み込まれる人々を見て、目の前で焼け死んでゆく人々を数多く見た。」と語らせた。また
「全国から集まったボランティアの若い衆の眼差しから、日本は大丈夫だ!と思った」と語った。さらに、
「マニュアルどおりに校庭で児童を点呼していたために多くの犠牲者を出した大川小学校の事例と、マニュアルを無視して乗客全員を無事救出したJR常磐線の事例から、マニュアルの再検討が課題だ」と語った。492人満場、目頭を熱くして聞いた。
●パネルディスカッションは次の方々で、各々の主張は興味深く、面白かった。
≪パネリスト≫同志社大学院教授:浜矩子、京都大学院教授:植田和弘、千葉大学教授:広井良典、参院議員:大塚耕平
≪コーディネーター≫NHK解説委員:今井純子
『日本社会の向かうべき道~大震災からの復興をめざして~』をテーマにしたディスカッションは、グローバルとローカルの折り合いを中心に議論された。
広井良典(千葉大)は、コミュニティの重要性を説き、持論の『鎮守の森・自然エネルギーコミュニティー構想』を展開した。
植田和弘(京都大)は、「デンマークの農村では3軒集まると発電所を作る」などと興味深い話を披露し、電力・エネルギーの供給源別特徴と需要源別特徴を活かし、供給偏重政策からの転換を訴えた。
大塚耕平(参院議員)は、「大震災を契機に日本はどう変わるべきか」が課題で「ニムビィ(NIMBY)シンドロームからの脱却」を論じた。
妖艶なエコノミスト・浜矩子は、ニムビィシンドロームについて、
「Not In My Back Yard」のNotを
Yesに変えてYIMBY、「Yes In My Back Yard
Pleaseに変えてPIMBY「Please In My Back Yard」
Wellcomeに変えてWIMBY、「Wellcome In My Back Yard」
「一日一回、イムビィ、ピムビィ、ウィムビィ」と持ち前の君富論を展開した。
今井純子(NHK解説委員)は、純白のスーツを纏い白い腕時計。
「狼と子羊」で執拗に浜矩子を苦しめ、TPP問題で大塚耕平の口を割らせ、植田和弘には「都会で風力発電はできないではないか」と困らせた。
今井純子のメモ方法には特徴がある。まずは大筋をざっとメモ書きし、要点にピンクでマークする。その際、焦ることなく、ボールペンの芯を納めてからマーカーのキャップをはずしてマーキング、キャップをきちんと戻してからボールペンを取る。
そして、大筋の中のマークされた部分を別のメモ用紙に書き換える、というようなやり方だ。身長も浜矩子の3割増し位あるから指も長い、その指も頸筋もスーツのように白く透いて、細い金色のネックレスが良く似合っていた。才女である。
その今井純子は、浜矩子が提唱した『老楽国家の陰謀』を取りまとめるため、パネリストに陰謀の具体案を尋ねた。
まず広井良典に尋ねた。広井は「具体案として、全国1万7千社寺の鎮守の森をコミュニティの場に」と答えた。
次に、コミュニティに対する男性の関わり方を植田和弘に聞いた。植田は「女性がオーガナイズして、男は従う。コミュニティで鍛えた力を国やグローバルに展開すべき」と答えた。
続いて、大塚耕平に尋ねた。大塚は「あきらめる」ことが大事とし、「欲しがりません、勝つまでは」的に語った。
また、浜矩子が冒頭に「この中(パネリスト)の誰が狼だかわかる」と言ったのを受けて、「この場の狼は浜さんだ!」と言った。
狼が挙手し、「都会には鎮守の森がない」と言った今井純子に向けて「人々があつまるところこそ鎮守の森だ」と語った。(了)
●今回のシンポジウムは次のとおり新聞・テレビで紹介予定である。
12月16日:読売新聞の朝刊
12月17日:BS日テレ、16:00~16:54
仮題『緊急提言 めざせ!大震災からの人間復興。いま、被災地に必要な支援とは』
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