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黛信彦の時事ブログ

5大紙社説:憲法改正は自分探し

2012年05月03日 | 5大紙社説

3日付、5大紙は「憲法記念日」について論評した。

この日を前に4月下旬、自民党が憲法改正草案を、みんなの党やたちあがれ日本もそれなりの憲法改正の大まかな構想を相次いで発表した。また産経新聞も来年5月までに新憲法要綱策定することに向けて「国民の憲法」起草委員会を設置して会合を重ねているようだ。

自民党の草案について毎日社説は「05年版より強い保守色を鮮明にした。野党転落後の同党の自分探しが読み取れる」と書いた。改憲は自民党だけでなく日本国民の自分探しであり自己防衛である。

3日18時過ぎ、NHKは「2日、沖縄県の尖閣諸島周辺の海域に現れた、中国の漁業監視船2隻は、1日以上たった3日も、日本の領海のすぐ外側にある接続水域への出はいりを繰り返していて、海上保安本部が引き続き監視に当たっています。 尖閣諸島周辺の接続水域への出はいりを繰り返しているのは、中国の漁業監視船「漁政203」と「漁政204」の2隻です。」と伝えた。 9条を中心に急ぎ憲法改正をめざすべきである。 

以下、憲法記念日の社説タイトルと抄録で、産経・日経・読売は改憲を毎日は論憲を訴え、その4紙は憲法審査会が動かない事を非難した。しかし朝日は「65歳の憲法が何かを教えている」と言うに留まり、憲法論議はタブー視している。

■タイトル

●朝日新聞:憲法記念日に―われらの子孫のために

●産経新聞:憲法施行65年 自力で国の立て直し図れ 今のままでは尖閣守れない

●日経新聞:憲法改正の論議を前に進めよう

●毎日新聞:論憲の深化 統治構造から切り込め

●読売新聞:憲法記念日 改正論議で国家観が問われる 

■現憲法の評価

●朝日:施行から65年。人間でいえば高齢者の仲間入りをした憲法はいま、その覚悟を私たちに迫っているように読める。

●産経:憲法施行65年の今日、はっきりしたことがある。それは自国の安全保障を他人任せにしている憲法体系の矛盾であり、欠陥だ。 

■改憲の鍵

●産経:国の守りが危殆(きたい)に瀕(ひん)していることを指摘したい。自国の安全保障を他人任せにしている憲法体系の矛盾であり、欠陥だ。

●日経:最大の工事(改憲)が9条であるのは論をまたない。

●毎日:9条論議を避けるわけではない。国の緊急事態対応が今の憲法で十分かどうか論憲すればいい。

●読売:緊急事態への備えを平時に整えておくことは、政府の責務だ。 

■自民党の憲法改正草案など、改憲の動き

●産経:占領下で日本無力化を目的に米国から強制された格好の現行憲法では、もはや日本が立ちゆかなくなるとの危機感が共有されてきた。

●日経:自民党案のように自衛隊を「国防軍」と呼び、集団的自衛権の行使ができるようにしよう、というのは有力な考え方だ。

●毎日:橋下提案や自民案をより深い論憲につなげるきっかけにしたい。

●読売:自民党やみんなの党、たちあがれ日本が、憲法に対する考え方を表明しているのに、政権党である民主党は、改正論議に及び腰だ。国家の基本に関する問題で「逃げ」の姿勢は許されない。 

■憲法審査会の動きについて

●産経:昨年10月に始動した衆参両院の憲法審査会が、有識者の意見聴取や選挙年齢などの議論にとどまり、本格的な改正論議に入っていないのは残念だ。憲法改正への具体的な方針を決めていない民主党の消極姿勢が大きな原因だ。

●日経:改憲論議を前に進めるときだ。5年間も放っている政治の怠慢は批判されてしかるべきだ。「動かない政治」そのものである。

●毎日:せっかく稼働し始めた両院の憲法審査会にも注文する。憲法調査会から続いたこの12年の議論の蓄積を生かしてほしい。

●読売:国会は、違憲状態を放置して憲法記念日を迎えたことを猛省すべきだ。立法府として無責任に過ぎる。


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