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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(32)ビッグスリー問題、オバマの心中

2008年12月14日 | 浜矩子語録
米国議会はビッグスリー救済法案を否決した。
ところで、米国民主党は自動車業界に対して寛容な立場をとってきた。
象徴例が1980年、リー・アイアコッカのクライスラー社を、債務保証法の成立で救った民主党・カーター政権である。
アイアコッカは、著書「我が闘魂の経営」で次のように述べている。
~・~・~ 民主党と共和党
債務保証法が成立してからわずか二週間後、政権はレーガンの共和党に移った。彼らは「あれはカーター政権のやったこと。できた法律は尊重するが、それ以上はなにもしない。債務保証は自由企業制度に違反する。クライスラーは成功しないと思うが、例え成功しても、他の企業と同じような特権は許さない」という態度だった。
クライスラーがすがったのが、自由企業制というより人間を優先する民主党政権だったのは、幸運であった。民主党のいいところは、だいたいにおいて人間の福祉を考え、労働や人間や職を優先的に考えることである。共和党は、投下資本を重んじる旧弊な経済哲学に立脚している。~・~・~

自動車業界の労働組合は民主党の支持母体であり、オバマ氏もその強力なサポートで大統選挙を勝ち抜いた。
しかし、オバマ氏は一週間ほど前、「ビッグスリーが税金の投入を望むのであれば、この20~30年間怠ってきた努力を今こそしてもらわなければならない」と苦言を呈した。

オバマ大統領予定者の発言の意図について、妖艶なエコノミスト・浜矩子は、フジTV・新報道2001のインタビュー(14日放映)に答えて次のように解説した。
~・~・~ 彼が言ってきたことを文字通り受け止めるとすれば、変革ですからね。
オバマさんの本音は、今までを代表するビッグビジネス中のビッグビジネスである車屋さんを保護するということはやりたくない。
オバマさんのように、まさに変革ということを言っている人にとっては(自動車業界は)結構やっかいな存在だと思います。~・~・~
と、自動車業界にも変革を求めようとするオバマ氏の姿勢を分析した。

WP問題などにも強い憂慮を示す浜矩子は11月2日TV番組で、「グローバル時代は、最もローカルで、最も弱いものが、最も傷つく時代です。そこにも夢が花開いてゆくような形(政治)に持ってゆかなければなりません。」としみじみ政治姿勢のあり方を語った。
人道的エコノミスト・浜矩子ゆえ、ビッグスリーの救済について問われると、企業責任と労働者問題という難しい間で、表情も言葉も、より引き締まり、より慎重だったと感じる。

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