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黛信彦の時事ブログ

浜矩子語録(211) 主権は地域にあり

2015年11月01日 | 浜矩子語録

※お断り:小欄は安倍政権の支持者でかつ成立した安保関連法に賛同する立場から、浜矩子の主張は聴くたびに耳が痛い思いです。 しかしながら、講演を15回を超え聴講し、その度に、深奥な知識を、痛快に、小気味よく語る彼女を「敵ながらあっ晴れ」と思っております。 よって、浜矩子語録は彼女の主張の伝道師としてではなく、自分自身の備忘録としております。

 さて、妖艶なエコノミスト・浜矩子は10月31日、有楽町朝日ホール(東京都千代田区)において (財)全労済協会が主催したシンポジウム、《都市と地方の「地域活性化」~コミニュティ再生と地方再生~》に招かれ基調講演の演台に立った。 以下は、「超高齢社会における地域社会のあり方」を演題とする浜矩子の、アホノミクス関連中心語録の抄録である。

●国家の逆襲

お題について5つのテーマでお話させていただきますが、最近の私はアホノミクスを批判する話ばかり続けてまいりましたから、お話の途中で、そちらの方向にずれてしまう事もしばしばかも知れません。

・テーマ1:地球の時代は地域の時代

・テーマ2:地域社会は誰のため、何のためにあるのか

・テーマ3:権限譲の本当の意味

・テーマ4:ギリシャ人たちから学ぶべきこと

・テーマ5:二人の賢人から教えられる二つのこと

アホノミクスも第2ステージに入りました。 しかし「アホノミクスは内容空疎」と一笑に付している場合ではございません。

4月に訪米した安倍首相が上下両院合同会議で演説したことはよく知られておりますけれども、笹川平和財団USA主催のシンポジウムでもスピーチを行いました。 その際のある質問に答えて、「GDPを増やせば国防費を増やせる」という意味のことを語ったのでございます。 

ところで、ヒト・モノ・カネは自由に国境を超えられますが国家は国境を越えられません。 そして、地域社会は誰のため何のためにあるかといえば、そこに住む人々のためということは自明のことでございます。

しかし、アホノミクスの「一億総活躍」という話には「地方創生」という言葉は出てまいりますが「誰のために」という言葉はありません。

「高齢者も生涯現役で一億総活躍によって地方創生し、GDP600兆円を達成し、国防費を増やす」のだとすれば、これは国家の逆襲ということでございます。

●主権は地域にあり

マスコミの文書でも、一般的に中央から地方へ分権することを「権限移譲」と書かれることが多いのですが、正確には「移譲」ではなく「委譲」、委託の委とすべきでございます。

古来、全ての意思の決定権は市民たち(地域社会)にあったのでございますが、市民たちは国家というサービス事業者をつくって権限を委託したわけでございます。

しかしながら、私たちはあまりにも多くのことを国家に委託し過ぎてしまいました。

結果として、「安保のためにGDPを増やすんだ」というようなことであれば、そろそろ、委託したものを我々の手に取り戻す必要があるのではないかと思うわけです。

主権は地域にあり、でございます。 (以下次編)


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1 コメント

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Unknown (jazzyumi)
2016-12-05 17:09:26
浜矩子氏のファンです。歯切れのよい口調と弱いものへのいたわり。もっとテレビなどに露出をと思います。こんなにわかりやすくうそやごまかしを暴いているのに人々はなぜ変革を求めないのでしょうか?トランプが当選したように仕事を求める貧困層が強い経済を打ち出す(ように見える)現政権を応援しているのかもしれない。実は日本もアメリカと全く同じなのかもしれない。
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