シンガー『ナターシャ』のブログ

関西・東京・名古屋・広島、そして台湾もグローバルに歌うシンガーソングライター、jazzシンガーナターシャのブログです

イスラエルの教育

2008-04-29 | 
ブログをアップしようと思いつつ、このイスラエルネタは書くのにかなりエネルギーがいるので遠のいてしまいがちですが、今日は「イスラエルの教育」。と言っても詳しいことは分かりません。ただ旅行者が聞いたこと感じたことです。

そういえば、10年ほど前にイスラエル人の通訳をしたのですが、「知育玩具」の商談でした。なんだかイスラエルの知育玩具ってすごそうだなあと思ったのだけ覚えています。アメリカで修士の勉強をしていたときも、イスラエルの語学教育や語学テストはとても高いレベルだというのをよく聞きました。テストの質のことです。日本はテストの質は世界一ひどいかも。テストが一体何のために、何を調べる為に行われるかが全くわかってない。

私が今回の旅行で聞いたインパクト、ショック、が~んときた話は色々ありますが、この「教育」もそのひとつ。イスラエルという国は2000年の流浪の歴史を経てやっとできた国家です。だからその存続にはそれこそ命をかけているのです。

だから教育も「先生や親や大人というのは、子供が何に向いているのかを見つける手助けをするためにいる」。子供一人ひとりの向いているものを見つけ、才能を伸ばすことが国家を存続させることに繋がるからです。

日本のテレビで以前放映されていたイスラエルの学校の番組では、イスラエルの学校が日本の価値観でいえば「まとまりがない」「むちゃくちゃ」な状態だったとか。でも、先生はじっとその子を観察しているのです。

確かにイスラエルだけでなく、どの国にとってもそして個人にとっても、子供が何に向いているか、そしてその向いている仕事をさせるほうがどちらにとってもメリットがあるはずですよね。なんで日本は点数を上げることばかりに気を取られているんだろう? 国にとっても個人の才能を活かさないのは損失なはずですけれどねえ。それを教育カリキュラムを作るお役人が本当に理解したときに日本の教育も変わるのでしょうか。それまでは根本的なことは何も変わらないと思います。私は日本の教育と相容れないものがあるので、力をつけるための教育ではなく、点数だけをあげる教育にはもうこれ以上かかわりを持たないようにしていますが。

さて、写真はイスラエルの幼稚園。
前回のイスラエル旅行で行ったキブツで子供と交流することになっていたので、私達は子供たちへのお土産を持っていったのですが、そのキブツ、色々事情も変わっていたようです。それを見たバスドライバーのダビデさんが、「君らがせっかくもってきたお土産をもっと喜んでくれるところを探すよ」と見知らぬ土地なのに彼がその辺りの幼稚園を電話で探してくれました。

その辺りはどちらかと言うと貧困な地域らしいけれど、バスで通った感じでは建物が新しいせいかそんな感じはあまりしませんでした。だいたいよその国で「貧困地域」と言えば、ゴミが落ちていたり落書きがしてあったりとすぐ分かるもんですが、なんといってもイスラエルは清潔。きれい。

どんな砂漠のど真ん中の遺跡の観光地でも水洗トイレです。そして、紙が必ず置いてある。すごいでしょ~。

さて、この幼稚園児たち、ちょうど「過越祭」が間近に迫っていたのでそのお勉強をしていました。ちなみに私はアメリカで「パスオーバー」というのはユダヤ系の祭だと知っていましたが、その意味もやっと今回の旅で知りました。そして、パスオーバー=過ぎ越しなのだと・・確かに直訳ですね。

過越祭というのは・・・

イスラエル人は、エジプトで奴隷として虐げられるようになっていた時代、神は、当時80歳になっていたモーセを民の指導者に任命して約束の地へと向かわせようとするが王がこれを妨害しようとする。そこで神は人間から家畜に至るまで、エジプトの「すべての初子を撃つ」いう。神は、戸口に印のない家にその災いを臨ませることをモーセに伝える。つまり、この名称は、戸口に印のあった家にはその災厄が臨まなかった(過ぎ越された)ことに由来する。(出エジプト記12章)


私達が行くとその幼稚園児は楽器を持ち歌を歌ってくれました。その後は日本チームもお返しに歌を歌うと、幼稚園児も歌を返して歌合戦。「幸せなら手をたたこう」は共通歌だったのでみんなで一緒に歌い、最後はハティクバ。勿論幼稚園児でも国家を歌うときは起立します。

写真を見たらお分かりでしょうが、ほんと~にほんと~に可愛いのですよ。そして、最後に私達のお土産を渡しました。使用上の注意の要る「シャボン玉」を説明し先生がふくとシャボン玉をつかもうと子供たちがやってくるのです。無邪気さ、可愛らしさで涙がでそうでした。


教育関係でもうひとつ。
最終日、イスラエルに留学している日本人大学生との交流会がありました。彼らにもインスタントラーメンやせんべいや日本の食べ物をたっくさんみんなで持って来ました。現在イスラエル全土で勉強している留学生は全部で約30人。この日は試験中ということもあり3人だけがやってきました。夕食を一緒にしましたが、テーブルのおっちゃん、おばちゃんからの質問攻めであんまり食べられなかったなあ、かわいそうに・・その後、別室にうつり三人がひとりずつお話してくれたり、質問に答えてくれました。

彼らの選考は「聖書」、「文化比較」などでしたが、なんせヘブライ語で学び試験を受けるんですからね。本当にすごいです。勉学が大変なせいだけでなく、イスラエルに行こうと思う若者だけあって、日本のあほズラの大学生とは人種が違うというより、星が違うといってもいいくらい。勿論私もあほズラの大学生でしたが、彼らは本当に地に足ついている。そして、なんといっても目の輝き。そうそう日本ではお目にかかれない瞳の輝いた若者です。だから彼らの短いスピーチも20歳そこらとは思えないほど。内容も勿論、その話し方も若き熱い情熱を感じさせるものでした。私達の中には彼らのスピーチで号泣している人も居ました。

ヘブライ語という特殊な言語、文化の違った中で一生懸命学び、そしてイスラエル人たちから「国があるということ、ないということ」そして、国への誇り、自分達への誇り・・・そんなものをたくさん体で学んでいる彼らは本当にすがすがしかった。

では次回はエルサレムについて書きます。