シンガー『ナターシャ』のブログ

関西・東京・名古屋・広島、そして台湾もグローバルに歌うシンガーソングライター、jazzシンガーナターシャのブログです

蝶々夫人

2008-04-02 | 映画、本、劇など
3月末は色々なことが駆け巡りなんだか訳が分からないうちに過ぎてしまいましたが、今日は前から楽しみにしていた観劇、オペラ「蝶々夫人」の日でした。場所は兵庫県立芸術文化センター、うちから徒歩二分。

最初に宣伝を見たときは、「う~ん、こんな可愛そうな話見なくていいわ・・」と思ったのですが、何故か急に見たくなり3月になって予約をしたのでした。オペラはオペラ歌手の友人が出るオペラを見にいく機会があるお陰でチョコチョコ見るのですが、蝶々夫人は初めて。

パリのオペラ座でオペラを見るときに、日本でまず訳つきで見ておかないと筋が分からないから・・と見はじめたオペラですが、実際のオペラ座ではバレーしかみたことがないのです、私。ま、そのうちね。

私は以前テレビでちょろっと蝶々夫人のオペラを見た気もするのですが、ちゃんと見たのはこれが初めてですので、ただ「よかったわあ」と思っていたのですが、一緒に行った母は何度か外国のオペラ団が日本に来た公演を見たそうで、それに比べたらダントツにいいわ~といたく感動していました。

まずは日本で日本人の演出でしているので、着物がきちっと着られていて美しい・・とのこと。なるほどね。外国人にとってのkimono=ガウンのような感覚があるし、きっちりと着付けしたりしない、できないのでしょうね。今日の公演は日本人が見ても着物の着付けも美しかったです。

そして、着物と同時に仕草がまた美しい。今日の蝶々さんの方のインタビュー記事を読んでいると、彼女はフランス在住でヨーロッパでも何度も蝶々さんを演じてらっしゃるのですが、今回日本人の演出家に一番注意されたのはこのたたずまいだったそうです。ヨーロッパ人の演出家には全く要求されない日本的な美しい仕草を徹底的に練習しなければならず、家でも膝をくっつけるために紐で足を縛っていたというエピソードも載っていました。

ちなみに私のやっている「ゆる体操」では、紐を縛らないでも内側の筋肉が使えるようになり、自然に膝も閉じたりする体操なんかやっているんですけどね。彼女に教えてあげたいわ。

それから、有り難いことに日本では日本語の訳が出てくるのですが、この訳が名訳だわ~と母は言っておりました。今まで見た公演の訳は「ただの訳。今日のは心に染みた訳だった」とのこと。

そういわれてみれば、私も他の今まで見たオペラを思い出すと普通はただ言っていることを簡単に訳している感じでのっぺらぼう的な訳なのですが、今日のは心に来ました。伝えようとするものが違っているのでしょう。

・・と考えると、日本で日本人相手の公演だからこそここまで感動したのだなということですね。確かにテレビで見たときも、「外人から見る日本人」という感じはしました。ま、しょうがないとも思いつつ、そこが気になってしまうのですよ。「変なの~」とか。今日の舞台は照明とか舞台装置なども日本人の美的感覚がいかんなく発揮された美しいステージでした。

この「蝶々夫人」素晴らしいです、お勧めです。