○Frank Zappa「One Shot Deal」(2008)
煽るだけ煽っておいて、感想を書いてませんでした。申し訳ない。
一言でいうと「物足りない」。
アルバム単体としては、よくできていると思います。でも、使われている音源が中途半端。ハイライトが'81年ハロウィン「イリノイの浣腸強盗」と、'73年シドニー(ロキシーバンドによるスタジオ初期テイクという情報は誤り)での「イエロー・スノウ」メドレーだけでは…。
たとえば、この間紹介したMuxtapeで使われているような音源が入っていれば、もっと満足度は高かったと思うんだけど。
まあでもそう言いきってしまうのも贅沢かなあ。70年代の音源を中心に編集されているのはありがたいし、「Bathtub Man」など、楽しませてくれるテイクがいくつかあるのも確かなんだから。
ZappateersとかEzTorrentとかで音源を漁りすぎて、不感症になってしまっているのかもしれませんね。まだまだ出すべき音源あるだろよ、と思ってしまうので。
蛇足ですが、曲目クレジットが非常に見づらいデザインになってます。そんなとこで意地悪せんでもいいでしょ(被害妄想気味)。
1973年12月ロキシーでの「モンタナ」。そういやこのビデオも、出す出すといいながらちっともリリースされんな。
散漫なれど、まあ、個人的にな嗜好からいえば悪くないと感じる演奏もありということですね。
ZFTが考えていることが良くわかりませんというか、FZが残したものを整理整頓して優先順位をつけて出すということができない・・・要するに能力がない、音楽が分からない、特にFZの音楽が分かっていない。
断片ないしきちんとしてコンセプトに基づかずにいい加減に音源を放出してくれるおかげで、FZ自身がいかに細部にこだわって仕事をしていたかを知ることをできるというのが逆説的ですが事実ですね。
だから、音楽の分からない馬鹿の仕事だと。
加工すること能力は、誰にもないのだから、コンサートやセッションをストレートに放出するしか方法はないのだと思いますね。FZの遺志にそれは、背くのだと私は思いますが、完全に音源放出をやめるか、全部放り出すかの二者択一しかないと思います。
たしかに、ZFTが出してきたもので満足できたのは、(御大本人が生前編集していたもの以外には)「Wazoo」や「OZ」、「Buffalo」といったフルコンサートものばかりですね。だから今回のシドニー音源もフルで放出してくれたらよかったのに、と思ってしまうのでした。早く気付いてほしいもんです。