音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Maxine

2007年11月30日 | ザッパ関連
◆The Nightfly Trilogyの中身とか(自然体。)
 以前このブログでもリリース情報を掲載したドナルド・フェイゲンBOXですけども、なんとCD自体はリマスターされていないという衝撃の事実が。ライノのくせになぜだ。
 実は(主に資金の問題から)まだ注文してなかったんだけど、これだったら買う価値なしかな…DVDオーディオだけPCで聴いてても仕方ないしな。

◆モリッシー、NMEに謝罪を要求(BARKS)
 モリさんには、スミス時代に、シングル「Panic」の「あのDJを吊るせ!」というフレーズが人種差別だと曲解された過去があるので、同じ轍を踏みたくはないのかも。

◆Special Delivery(Kill Ugly Radio)
 先日リリースされたZappa Plays Zappaの2枚組DVDをBarfko-Swillに注文して届いたのはいいんだけど、なんとディスク2が2枚入ってたという話が取り上げられています。
 で、Kill Ugly Radio主宰者さんは、「Zappa/Wazoo」他を注文して、11/2に「発送したよ」とのメール連絡が来たのに、いまだに届いてないそうです。それなのにしっかりクレジットカードの支払請求はきていると。「きっとジンバブエとかマチュ・ピチュ経由で配達してるんだろう」と皮肉っておられますが。不手際が多いと評判のBarfkoらしい話ですね。
 ちなみに僕が11/11に注文した「Zappa/Wazoo」と「Buffalo」は、11/26に無事到着しました。よかった。でもやっぱクレジットカード請求の方はすぐさま来ましたよ。もうすぐ引き落としです。


 ドナルド・フェイゲン「Maxine」。誰かが作ったフォトコラージュ。
 

Steady as she goes

2007年11月28日 | CDの感想
  
○James Yorkston「The Year Of The Leopard」(2006)
 以前、MOJO誌付属CD「The Quiet Revolution」(新旧ブリティッシュ・フォークを中心に収録した編集盤)に、このアルバムの1曲目が収録されていたのを聴いて気になっていたのです。最近になってやっとアルバムを入手したので報告しておきます。

 James Yorkstonという人については全く知識がありませんでした。Wikipediaによると、スコットランド出身のフォーク・ミュージシャンで、かつてはパンクバンドのベーシストだったとのこと。この作品がスタジオアルバムとしては3枚目だそうです。

 ここで聴けるのは、淡々としたフォークミュージック。ネオ・ブリティッシュフォークとでもいえばいいのでしょうか。
 彼はけして大きな声を張り上げることなく、水彩画のようなメロディをどこまでも淡々と綴っていきます。バックのサウンドもシンプルながら、すみずみにまで神経が行き届いているように感じました。

 どうしてこうもこの音楽に惹かれるのかなあ、と考えてみたら、曲調や歌い方、空気感が、ニック・ドレイクを強く連想させるんですね。まあ、ルックスはずいぶん違いますが…。

 全く派手なところはないけれど、着実に心に残るアルバムです。レコード棚の片隅に置いておき、ときどきひっぱり出しては聴きたくなるような。ファンタジックなジャケットも好きです。
 
 YouTubeにPVがあったので貼っておきます。曲は「Steady As She Goes」。
  

 アルバム制作のドキュメンタリー映像もありました。冒頭で聴けるのが、MOJO誌CDに収録されていた「Summer Song」です。
  

Grow old with me

2007年11月27日 | CDの感想
  
○「Apple of our eye りんごの子守唄」(2007)
 「赤盤」「青盤」とリリースされてきた鈴木惣一朗プロデュースによる「りんごの子守唄」シリーズ、最後は「白盤(ホワイトアルバム)」です。

 今回のコンセプトは、「ビートルズ解散後のメンバー各自のソロナンバーを、男女デュエットでカヴァーする」というもの。いきなりアン・サリーと細野晴臣のデュエットによるジョン・レノン「Love」ではじまるのに「おお」となりました。
 
 その他の曲も、甘さを控えたアレンジと、ノーブルで凛とした、あるいは暖かい歌声ばかりで、とても気持ちよく聴けました。
 「Imagine」をYO-KINGのへなへなとした声で歌わせているところなど、「やるなあ」と思いましたし、ラストの「ハッピー・クリスマス」で、参加シンガー6人に交替でリードをとらせ、その他の5人にはコーラス部分を歌わせるという演出も楽しいです。

 ただ、これって純然たるデュエット集ではないんですよね。
 前述「Love」は一般的な「デュエット」のイメージから外れるものではないと思うんですが、その他の曲においては、男女どちらかのシンガーがほぼ一人で歌って、相方は控えめにバックコーラスをつける、というパターンも多く、女性がリードを最初から最後までとって、男性は「語り」部分だけ、という曲すらあります。
 だから、おお○○と△△のデュエットってどんなんだろう、とわくわくしてると「あれ?」と少々肩透かしをくらうかもしれません。そのあたりご注意を。

 僕の場合、このシリーズではいつも、それまでよく知らなかったシンガーとの出会いがあるのですが、今回は、「Blue Bird」を歌った千葉はな(羊毛とおはな)と「Only You」を歌った小池光子(ビューティフルハミングバード)の二人が強く印象に残りました。少し癖のあるスモーキーな声と、柔らかく温かい声。それぞれのオリジナル作品を聴いてみたくなりました。これもこの企画の効用のひとつかもしれないですね。

 収録各曲の試聴はここでどうぞ。

Tout Ensemble

2007年11月26日 | 音楽関連ニュース
◆WEEZERのニュー・アルバム情報が偽サイトによるイタズラだったことが判明(bounce.com)
 Billboard.comRollingStone.comで報道され、それを受けて日本でも報道されていたウィーザーの6枚目のアルバムリリース情報が実はでたらめだったというお話。

 偽情報を流していたサイトalbumsix.comには「メディアがまさか本気にするとは思ってなかったよ。だってふつう裏取りするだろよ」てなコメントが出ております。

 ビルボードとかローリングストーンみたいな大手でも、最低限の確認すらしないで適当に記事書き飛ばしちゃうんですね。よくおぼえておきます。


 アルバム「Make Believe」('05)から「We Are All On Drugs」PV。オフィシャルなんでembed禁止。

諦念プシガンガ

2007年11月25日 | 試聴・動画
◆【戸川】純様歌唱曲と初音ミクの相性の良さは異常【ミク... [net](テクトイックス♪)  
 masayakatoのブックマークで知りました。
 せっかくの初音ミクを、戸川純歌唱の再現だけに使うのはもったいない気もするんだけど、そう思いながらもすぐさま反応して釘付け状態になってしまう自分が悲しい………次はぜひ「パンク蛹化の女」を。(無理だろ)

 ニコニコ動画を見られない人のために↓

  初音ミク:レーダーマン
  


 戸川純じゃないけど、こんなの↓にも反応してしまった。
  初音ミクがYMOのPerspectiveを唄ってみる
  
  ニコ動Ver.はこちら


 戸川純関連ではこんなの↓もあった。はまりすぎてて笑う。
  ▼アイドルマスター版「諦念プシガンガ」
  ▼アイドルマスター版「遅咲きガール」

1963年のフランク・ザッパ

2007年11月24日 | ザッパ関連
 またまたザッパネタです。すみません。

 ザッパが1963年にTV番組「スティーヴ・アレン・ショウ」に出演した時の映像がYouTubeにあったので紹介しておきます。

 1963年といえば、前回のエントリでとりあげた映像の10年前。ザッパは若干22歳です。
 マザーズ・オブ・インヴェンションの原型となったバンド(「ソウル・ジャイアンツ」)にやっと参加したかしないかというころで、世間的にはまったくの無名なのですが、なぜかTV番組に出演して、自転車を楽器として演奏しております。
 初々しい中にも、後年のアティテュードを想い起こさせるところもあって興味深いですね。
 自分が音楽を担当した低予算映画「The World's Greatest Sinner」のことを話したりもしています。

 ▼Frank Zappa at 22 (1 of 4)
  

 続きはこちら↓
 ▼Frank Zappa at 22 (2 of 4)
 ▼Frank Zappa at 22 (3 of 4)
 ▼Frank Zappa at 22 (4 of 4)


 髪を短くしてスーツをきちんと着こんだこのやせっぽちの青年、5年後の1968年には、こんな風↓になっちゃってます。でも、やってることは基本的にあまり変わらないような気も…。
 ▼Frank Zappa - King Kong (BBC records 1968)
  

1973年のフランク・ザッパ

2007年11月23日 | ザッパ関連
 YouTubeでザッパ映像を漁っていたら、1973年8月21日のストックホルムでのライヴ映像(公式にはリリースされていないもの)がごっそりと出てきたので、まとめておくことにします。
 ザッパ(guitar/vocal)、ジャン・リュック・ポンティ(violin)、ジョージ・デューク(keyboards)、イアン・アンダーウッド(woodwinds)、ルース・アンダーウッド(percussion)、ブルース・ファウラー(trombone)、トム・ファウラー(bass)、ラルフ・ハンフリー(drums)という、極度に演奏能力の高い集団によるプレイです。
 
 これはアルバム「Over-Nite Sensation」制作時のメンバーとほぼ同じメンツですが、その作品が"歌もの"を中心としたポップでコンパクトな印象を与えるのに対し、ここでは各人のプレイヤビリティを最大限に活用した演奏が繰り広げられているので、ずいぶん印象は異なります。

 この日の演奏自体は"Beat The Boots"シリーズの一枚として公式リリースされた「雑派大魔神 ストックホルムで激憤+シドニーで憤慨」(原題:「PIQUANTIQUE」)に収録されてはいます。でもあれはかなり音質的には厳しかったので、ぜひビシッとした音質のブツをオフィシャル発売してほしいもんです。(まあこの映像があれば十分な気もしますが…)

 ではまず1曲。「Montana」。いきなり熱いギターソロをカマすザッパ御大。
  

 続く演奏を以下に並べておきます。ご堪能ください。

 ▼「Dupree's Paradise」パート1
 ▼「Dupree's Paradise」パート2
 ▼「Father O'Blivion」パート1
 ▼「Father O'Blivion」パート2
 ▼「Father O'Blivion」パート3
 ▼「Cosmik Debris」
 ▼「Kung Fu + Penguin In Bondage」
 ▼「RDNZL」

 ああ至福至福。
 ところで、ザッパ御大は最初の方でタートルネック・セーター(のような服)にジャケットをはおっているんですけど、ストックホルムってとこは夏でもそんなに寒いんでしょうか。

The Who 2008年来日は無理?

2007年11月22日 | 音楽関連ニュース
 少し前にザ・フー来日についての記事を書きましたが、ピート・タウンゼントのWeb日記を翻訳し続けているブログ「Things He Said Today」11/16付エントリによれば、ピート自身が公式サイトで2008年来日を否定したようです。

 「来年の夏、日本とオーストラリアに行くかもしれないと言ったのは自分だが、少なくとも2008年には無理だろう」ということだそう。残念なような、ほっとしたような……。


Glastonbury2007でのザ・フー。曲は「My Generation」
  

Oh No

2007年11月21日 | ザッパ関連
とんでもない 俺は信じないよ
あんたは愛の意味を理解したとかいってる
「愛こそはすべて」なんていってる
自分の愛で すべての愚か者や嫌われ者を変えられるという
たぶんあんたは頭のネジがゆるんでるんだろうよ

とんでもない 俺は信じないよ
あんたは愛の意味を理解したとかいってるけど
ほんとにそんなこと断言しちゃっていいのかい
ほんとにわかってるというのなら
もういちどよく考えてみた方がいい
あんたが信じているものが愛の世界への鍵だなんて
どうしていえるんだい?

あんたの愛は俺を救ってくれるのかい?
世界を救ってくれるのかい?
俺たちが理解できないなにかから?
とんでもない 信じられやしないよ

夢の中で あんたは世界を救う預言者にでもなったつもりなんだろう
あんたの口から出てくる言葉なんて 俺は信じないぜ
あんたは ただのバカだよ

- The Mothers Of Invention「Oh No」(1970)
    (Translated by Andy@音楽観察者)
  
 「サマー・オブ・ラヴ」の余波がまだ世界を覆っている時代に、ザッパが書いた詞。

 一見、懐疑主義のひねくれ者が世を拗ねているだけの内容だと思う人もいるかもしれないが、見落とさないでほしいことがある。

 ザッパが「俺は信じない」と言っているのは、「愛」そのものではなくて、「愛の意味がわかったとほざいて救世主気取りになっている奴ら」なのだ。

 「思考を停止させるな。安易に流れに身をまかせるな。自分の頭で、自分の言葉で、真実がなんなのか考えろ」。
 ザッパのアティテュードというものは、最初から最後まで見事に一貫していたと思う。

 原詞はここを参照。

 1974年8月の演奏。オフィシャルDVD「ダブルーム・スペシャル」にもその一部が使われた伝説のTV番組「A Token Of His Extreme」より。
  

 

Business as usual

2007年11月20日 | CDの感想
  
○イーグルス「Long Road Out of Eden」(2007)
 見事なまでにパブリック・イメージに沿ったアルバム。

 「テイク・イット・イージー」タイプのカントリーロックや「駆け足の人生」タイプのハードナンバー、「言いだせなくて」タイプのAORや、(いまさら誰も聴きたがらないであろう)長尺のもったいぶった曲等々がCD2枚にたっぷりと。ファンクやラテンの「はぐらかし」も健在。「期待に応える」ということはこういうことだろう。良い意味でも悪い意味でも。

 「往年のサウンドが戻った!」とスプリングスティーン新作を絶賛するのなら、同じ理由でこちらも絶賛してほしいもんだ。「1983年のクリスマスシーズンに間に合わせるかのように届いた時代遅れの作品」とか言ってないでさ。
 
 え、ブルース新作には熱い政治的・社会的メッセージが込められてるって?
 いやいやこちらにもたっぷりありますよ。切れ味はともかく。「暗いニュースリンク」記事を参照してくださいな。米ラジオチェーン最大手クリアチャンネルで放送禁止措置がとられる日も近いらしいよ。

 試聴はここで。 
 
 
 リードシングル「How Long」。カントリー・ミュージック・アワードでの演奏。