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「Lumpy Money」感想の続き。(前回の記事はこれ)
【ディスク2】
「ランピー」と「マネー」の1984UMRKリミックスヴァージョンを収録。「ランピー」の1984リミックスは初公開。
ザッパのアルバムが初めてCD化された際、「ランピー」と「マネー」は2イン1としてリリースされた。
自分がザッパの音楽を聴き始めた80年代初期、この二つのアルバムのアナログ盤はすでにレアであり、二十歳そこそこのザッパ初心者がおいそれと手を出せるような値段ではなかった。
だから必然的に、前述の2イン1CDが、自分にとっての「ランピー/マネー」初体験となった。
ただしそのCDに収められた「マネー」は、オリジナル音源そのままではなく、ドラムスとベースをチャド・ワッカーマンとアーサー・バロウの演奏に差し替えたリミックスヴァージョンだった。
当時は、マスターテープが傷んでいたためのやむを得ない処置と説明されていたが、実際はザッパがオリジナル音源の出来に満足していなかったというのがその理由のようだ。
しかし古くからのファンにそのリミックスはひどく評判が悪く、結局、1995年に発売されたリマスターCD(現行盤)は、オリジナルに忠実な内容に変更された。で、そうなると逆に1984リミックスはレア音源化してしまい、だからこそこうして、その音源がこの三枚組に収録されているわけだ。
一方、これまで公開されていなかった「ランピー」のリミックス版はというと。
まず驚くのは冒頭のテーマ部分(いわゆる「十二指腸」パート)。いきなりアイク・ウィリスとレイ・ホワイトらしきコーラスがかぶさっているのだ。ある意味衝撃だよ、これは。
そして「マネー」リミックス版と同様に、チャド&アーサーによるドラムスとベースがオーヴァーダビングされている。その結果、もともとストレンジな「ランピー」がさらにストレンジになった印象を受けた。
それにしてもこのリミックス、「マネー」リミックスと同時期に制作されたものだと思われるが、なぜあっちはリリースされて、こっちはリリースされなかったんだろう。単純にザッパがその出来に満足できなかったからなのか。
【ディスク3】
「ランピー」「マネー」関連のヴァージョン違いやアウトテイクなどが収められている。「How Did That Get In Here?」と題された、25分にわたる「ランピー」セッション音源が素晴らしかった。もうひとつのキャピトル版ランピーといった趣き。美しい。
そしてディスク後半に収められた「マネー」関係のインストヴァージョンを聴いていると、そのあまりの品の良さに、これまたキャピトルで録音されたものかと思ってしまう。(違うんだよね?でもほんとそう感じてしまったのだ)
レアトラックの合間にはザッパのしゃべりや、インタビューの一部などが収録されているのだが、ヒヤリングが苦手なのでどういう内容なのかよくわからない。日本盤だったらきっと聴きとりをしてくれるんだろうに、と思ったらすでにありました書き起こしが。またIINKか。
【パッケージ&ブックレット】
パッケージはこんな感じ。デザインはそれなりに凝ってはいる。が品質的には少々詰めの甘いところも。
ブックレットには、「ランピー」セッション時のスタジオ風景写真が多数掲載されていて楽しい。レッキング・クルー構成員らしき顔も見える。
ライナーノーツはデヴィッド・フリッケとゲイル・ザッパ。正直まだきちんと読んでない。ちょっと読んだ限りでは、ゲイルの文章は妙に感傷的なもののように思えたけど……違うかな。
この「Lumpy Money」、オリジナル音源をさんざん聴いてきた人は、入手する価値の十分ある三枚組だろう。
予約販売のみと見せかけて、実際は今もBarfko-Swillで販売中なので、欲しい方はそちらでどうぞ。ディスクユニオンでは1万円というとんでもない値段で売っているが、直接オーダーすれば、送料込みでもそれよりずっと安く買えるはず。
あ、「ランピー」と「マネー」を全然聴いたことがないという人は、まずオリジナル音源を収録したCDを聴いた方がいいと思う。いきなり搦め手から行くと、楽しめるものも楽しめなくなっちゃうよ。
1968年「ビート・クラブ」出演時のマザーズ・オブ・インヴェンション。
インタヴューのザッパの声が若い、つまり声が高い。人間は加齢すると声が低くなりますが、彼の場合は、例のステージから転落させられた事故の後遺症で声が低くなったって言ってますからね。
ズービン・メータとやった音源、どこかに転がっていないんでしょうか。
ところで、Quintessential Playerは、http://www.quinnware.com/
で入手できます。これを使うとOgg ファイルとなります。普通のMP3に変換も可能ですし、当然MP3の再生も可能です。
フリー・ソフトです。
数多ある音楽再生ソフトは、色んな会社が持っている特許のクロス・ライセンスの世界なので、いつか、どれかポシャルとどうなるかわかりません。
その意味で、このソフトは少数派ですが案外生き残るのかなと保険の意味で持ってます。
音楽をダウンロードできるところでOggを使っているのは、先見性があるのか変人なのか。
アラン・ホワイトはイエスの人でした。イエスを一枚ももっていないのでボケをかましてしまいました。トホホ。
なるほど、ザッパも若かったんですね。まだ20代ですもんね。
ズービン・メータとの音源は、ブートCDを持ってますがアナログブートの針起こしぽくて音質がいまいちです。FZShowsでも音質「B」表示ですから、しょうがないんでしょうけど。
Quintessential Playerに関するご教示、ありがとうございます。試してみたいと思います。でもOGG使ってるのは、まあ変人なのかもしれませんねえ。
アラン・ホワイトの件はお気になさらず。名前がすっと出てこなかったり混同したり、僕もしょっちゅうです。年を取りましたです。
でも、ほんとうに丁寧に解説を書きたくなる出来の3枚組でした。聴く価値は十分ありですよ。
ゲイルさんとジョー・トラヴァース氏の発言によれば、次は「ルーベン&ジェッツ」の40周年記念盤だとか。どんなものになるんでしょうね。
これも、現行のCDのドラム、ベースがワッカーマン、バロウなのですね。それから、ギターその他オーヴァーダブもあるし。
LP持っているので、それをりっぴんぐして聞けばいいのですが、面倒くさい。
おまけで、20分間のLoui Loui のライブなんてのが音が悪くてもあると面白い・・・変態だな、です。
http://www.geocities.jp/uuuzen/blog/zappanews2009.html
1枚もののCDになるようです。アウトテイクの目玉はバーント・ウィニー収録「Valerie」の初期ヴァージョンだとか。
ゲイルは二ヶ月後にはリリースされるとか言ってるようですが…。
いつも先生に対する洞察力に感心しています。すごいなぁ~、と。
アナログ盤、確かに高かったですよね。よく思い出します。
今回のLumpy/Moneyのレポも楽しかったです。
また来ますね。これからも宜しくお願い致します。
誉められると照れます。でも励みになります。
諸々の事情でいま更新が止まってしまっていますが、もう少ししたら復活したいと思います。今後ともどうぞよろしく。
僕がザッパを聞きはじめた80年代初期は、アナログ盤とCDの混在期でした。めちゃくちゃ高いオリジナル盤は買えなかったけど、デジリマされた「ティンゼルタウン」「我こそつまるところ」とかのアナログ盤は一生懸命買って聞いてました。
そういや初期アルバムのカウンターフィット盤なんかも普通の輸入盤屋で売られてましたね…。