音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

ザ・フー「セル・アウト」再発

2009年03月02日 | 音楽関連ニュース
  

◆WHO SELL OUT RE-ISSUED(thewho.com)
 3/16にイギリスで発売されるザ・フー「セル・アウト」デラックス・エディションの詳細が、公式サイトに掲載されていたのでご紹介。
 2枚組CDに、マスターテープからリマスターされたオリジナルステレオミックスとモノミックスをそれぞれ収録し、11曲の未発表トラック&ミックスをボーナストラックとして追加。ジャケット写真のアウトテイクやデイヴ・マーシュによるエッセイ(現行と同じ?)などを掲載した28ページのブックレットが付属するとのこと。
 なお、以前もお伝えしたとおり、日本盤は紙ジャケ仕様で4/1に発売予定

 「セル・アウト」といえば、現行リマスターCD付属のブックレットに掲載されていたエピソードが強烈だった。ニューヨークでの録音に参加していたアル・クーパーの回想。

 僕たち(註:ザ・フーとアル・クーパーのこと)はほとんどの曲を一日で仕上げていたんだけど、その日は、昼に録音するのをやめにして、続きは翌日送りにした。スタジオから早いところ逃げ出したかったんだ。猛烈に仕事をして気分が悪くなっていたからね。
 明らかに「ラエル」のマルチトラックテープは、箱から出された状態でカウンターの上に置きっぱなしにされていた。掃除係の女性が入ってきて、そのマルチトラックテープをゴミ箱の中に投げ入れ、それでそのテープは、ソーダとか煙草の灰とかにまみれた状態になってしまった。
 翌朝、エンジニアのクリス・ヒューストンがスタジオに来てそれを発見し、恐ろしくなったんだ。最初の15秒が傷ついて使い物にならなくなっていたんだよ。クリスはそのことをピート・タウンゼントに伝えなければならなかった。どうなることかと僕は待ちかまえていた。
 ピートは12時15分くらいにやってきた。クリスは彼を部屋の隅に連れて行き、なんとかなだめようとしていた。僕に聞こえたのはこんな言葉だった。「ピート、ごめんよ。でも、こういうのは時々起きることなんだ…」
 タウンゼントは、コントロールルームの中を行ったり来たりしはじめた。そして突然、エンジニアが座る椅子を持ちあげると、コントロールルームのガラス仕切りに投げつけたんだ。損害は1万2千ドルってとこだよ。
 で、彼は、クリスのところに戻ってきてこう言ったんだ。「心配するなよ、クリス……こういうのは時々起きることなんだ」


 では、「セル・アウト」収録曲から「いれずみ」を。1974年5月18日、チャールトン・アスレチック・フットボールグラウンドでの演奏。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アル・クーパー (nk24mdwst)
2009-03-03 10:18:48
LP持ってて、CDもあって、デラックスまで、買うか。
アル・クーパーはこの頃どこにでも顔を出していましたよね。モンタレー・ポップでのオルガンはとてもうまいとは思えませんでしたが。
しかし、彼の独特のセンス、嗅覚は大したものです。

デーヴ・マーシュは色々読みましたが、独自見解を押し付けるので信者になるかどうか。信者から脱却してみると、彼の貶しているものにこそ宝あり。
返信する
デラエディ。 (Andy@音楽観察者)
2009-03-03 20:53:24
LPもCDも紙ジャケもあるのですが、デラエディも買うはめになりそうです。

アル・クーパーのオルガンはディランの例の曲で一躍有名になったんですよね。たしかにセンスの人です。テクニックよりも。

デイヴ・マーシュはかつてスプリングスティーン本とか読みましたよ。ローリング・ストーン系の人は、まあ自己主張だけは強烈ですよねえ。
返信する

コメントを投稿