音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

ゴルトベルク変奏曲

2009年12月09日 | CDの感想
  

○カトリン・フィンチ「J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲」(2009)
 あいかわらずクラシックばかり聴いてます。いまやグラモフォン55枚組だけでは満足できなくなり、いままでのぞいてみたこともなかったアマゾンやHMVオンラインや@TOWER.JPのクラシックコーナーをじっくりとチェックして、あれを聴いてみようこれも聴いてみたいと欲望のまま突っ走っております。困ったもんです。

 そんな状況の中、出会ったのがこのアルバム。英国ウェールズ出身の女性ハープ奏者が、バッハのゴルトベルク変奏曲を演奏した作品です。

 ゴルトベルク変奏曲といえば、グレン・グールドの演奏が自分にとって最高最良のものであるという確信は絶対的にゆるがないのですが('55年版'81年版、どちらも甲乙つけがたい…)、曲自体が好きだということもあり、他の演奏者によるCDもいくつか楽しんできました。アンドラーシュ・シフによるものグスタフ・レオンハルトによるハープシコード版、そしてカナディアン・ブラスによる金管五重奏版などなど。

 最初このCDのことを知ったときには、正直「あれをハープで弾くの?イロモノっぽいなー」と思ったのですが、好奇心に負けて、気がつけば「購入する」ボタンをクリックしていました。そして届いたCDを実際に聴いてみたら、たいへん素晴らしかったと。

 ハープの響きがとてもやわらかくしなやかで、鍵盤楽器で弾いたゴルトベルクとはまた違った味わいがありますね。最初のアリアから第1変奏に移るところなど、グールドだとガツンとした衝撃がくるのですが(そしてそれがとてもカッコイイわけですが)、フィンチさんの場合は、実にスムースに、心地よくつながっていきます。ああそういえばこの曲って、もともと不眠症の貴族のために演奏されたとか言われてたんだっけ(*注)、てなことを思い出しました。今まで聴いたゴルトベルクの中では、一番、睡眠導入音楽としての効用が高いかもしれません。実際、ここのところ毎日、寝る時にはこれを聴いています。気持ちよすぎてあっと言う間に寝落ちしてしまうので、なかなか最後まで聴き通せないのが難ではありますが。
 
 どんな感じなのか興味を持った方はこの映像↓をどうぞ。また、アリア以外の部分を試聴したければここで聴けます。




(*注)不眠症の貴族うんぬんのエピソードは真偽が定かでないそうです。念のため。