PCV13を接種することで、鼻咽頭の保菌率が低下することを無作為化二重盲検比較試験で示した報告。
19Fについては19Aとの交差反応、やや抗体反応が低いことについては、抗原量が同じなので干渉等が理由に考えらえる。
Clin Infect Dis. 2013. Comparative immunogenicity and efficacy of 13-valent and 7-valent pneumococcal conjugate
vaccine in reducing nasopharyngeal colonization: a randomized double-blind trial. PMID: 23804191
方法:
無作為化二重盲検比較試験にてPCV13とPCV7の鼻咽頭における保菌と免疫原性を評価。健康な乳幼児を、1:1でPCV7とPCV13に無作為に割り付けて、生後2, 4, 6, 12か月で予防接種した。鼻咽頭のスワブによる培養検査を生後2, 4, 6, 7, 12, 13, 18, 24か月に実施、血液検査を生後7, 13か月に実施。鼻咽頭の肺炎球菌保菌率と血清特異的IgGを評価。
結果:
プロトコールに沿った評価では、881名がPCV13を、873名がPCV7に割り付けられてた。PCV13接種群では追加される血清型1, 6A, 7F, 19A、交差反応を示す6C、PCV7と共通する19Fの保菌率の有意な低下を認めた。血清型3と残りのPCV7と共通する血清型には有意差を認めなかった。血清型5については事例が少なく評価できなかった。結果はこれまでの報告と類似するものだった。抗体については追加される6血清型と共通する19Fで有意に高い反応を得たが、残りの共通する6血清型では同程度かやや低い抗体反応だった。
結論:
PCV13を接種することで、追加される4血清型(1, 6A, 7F, 19A)+6C, 19Fで保菌率の低下を認めた。残りの共通する血清型では同等の予防効果だった。これらの結果から、保菌減少による疾病予防効果と感染拡大予防効果が期待される。