WHO, WER, 13 November 2015, vol. 90, 46 (pp. 617–632)
背景
2000-2010年にかけて、世界での麻疹含有ワクチン1回目の予防接種率は72%から85%に上昇し、年間の麻疹罹患率は100万人あたり146人から50人にまで減少した。
しかし、2013年までにおいては予防接種率及び麻疹罹患率の改善はあまり見られていない。
新たな知見
2000-2014年の間に、麻しんの予防接種によって1710万人の死亡が阻止されたと推計され、100万人あたりの麻疹罹患率は146人から40人まで減少した。
2回目の麻疹含有ワクチンを定期接種に導入している国は全体の79%にあたる154か国に増加し、その接種率は56%であった。
2014年には、補助的予防接種活動により、2億2100万人の小児が麻疹の予防接種を受けた。
公衆衛生上示唆されること
麻疹の予防接種は2000年以降、多くの小児の命を救ってきたが、2010年以降の改善は緩徐となってきている。
麻疹の排除目標を達成するため、より多くの麻疹の予防接種を小児に実施し、具体的な麻疹廃除の対策を活性化させ、医療制度を強化するために適切な医療資源を確保することで、施策と実臨床のギャップを埋める努力が必要とされる。