蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 第17回 劇団本公演「星のない町 ぼくの町」

NPO法人劇空間夢幻工房 第17回 劇団本公演
タイトル 『星のない町 ぼくの町 ~ゴミ人間プペル奇譚~』
脚本・演出 青木由里
原案 『えんとつ町のプペル』西野亮廣 著
出演 青木賢治/栗生みな/坂本真由美/青木淳/井田亜彩実/鈴木一衣/導星ゆな 他

日時 2022年3月5日(土)18:00~    2022年3月6日(日)11:00~/16:00~
会場 須坂市 メセナホール 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/mugen_puperu

上記公演は好評のうちに幕を閉じました。
ご来場を賜りました皆様、ご尽力を賜りました皆様に、心より御礼を申し上げます!

鴎(かもめ)

2012年10月28日 11時44分57秒 | 日記
今朝パソコンメールを開くと、小諸ハーモニーの団長Y氏から
公演のご案内メールが届いていた。
現在、Moriさんが指揮者として活動さている合唱団でもある。
今回の公演情報は以前伺ったが、Y氏からのメールを読んで
改めて拝聴しに行きたいと思ったので
Y氏のご許可をいただいてメール文を紹介させていただくことにした。

以下、Y氏から頂いたのメール文です。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「ついに自由は彼らのものだ…」三好達治詩による「鴎」を
小諸高校音楽科定期演奏会の最後に演奏します。
三好達治は太平洋戦争中、戦争賛美の詩を書いていました。
その関係で学徒出陣前の学生の激励に呼ばれた時の事。
三好は
「何故君たちのような若者が戦場に向かわなくてはいけないのか…」
と学生達の前で号泣。
太平洋戦争が終わって、三好はこの詩を発表した。
鴎とはこの時の学生たちの白い制服の事である。
昨日小諸高校で特練があり、指揮の高木先生からこの話があって
その後オケの演奏が始まったら、私はもう歌う事ができませんでした。
とにかく素晴らしい曲ですので、みなさん是非聞きにお越しください。
11月3日小諸公演、4日長野ホクトホール公演とも1時開場1時半開演、入場無料。
私と森さんが出番のメサイアは3時からの予定です。終演4時5分。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

三好達治氏と言えば詩「雪」が有名だ。
大変奥が深い詩でもある。

『雪』 三好達治/詩
 
 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ

「声に出して読みたい日本語」にも掲載されていて
時々読み返しては、イメージを膨らませていた。

Y氏のメールを読んで、「鴎(かもめ)」という歌の「鴎」と
上記の詩の「雪」がリンクしているのでは?と…
戦争で亡くなられた学生たちへの祈りのような深い思いが
もしからした三好氏の後年の創作活動の礎になっていたのかもしれない。

昨年の震災以来、「鴎」は鎮魂の曲としても取り上げられる機会が増えているそうで。

『鴎(かもめ)』 三好達治/詩

 ついに自由は彼らのものだ
 彼ら空で恋をして
 雲を彼らの臥所とする
 ついに自由は彼らのものだ
 ついに自由は彼らのものだ
 太陽を東の壁にかけ
 海が夜明けの食堂だ
 ついに自由は彼らのものだ
 ついに自由は彼らのものだ
 太陽を西の窓にかけ
 海が日暮れの舞踏室だ
 ついに自由は彼らのものだ
 ついに自由は彼らのものだ
 彼ら自身が彼らの故郷
 彼ら自身が彼らの墳墓
 ついに自由は彼らのものだ
 ついに自由は彼らのものだ
 一つの星をすみかとし
 一つの言葉でことたりる
 ついに自由は彼らのものだ
 ついに自由は彼らのものだ
 朝やけを朝の歌とし
 夕やけを夕べの歌とす
 ついに自由は彼らのものだ

繰り返し表現されている「ついに自由は彼らのものだ」
という言葉に、強い祈りを感じる。
彼らは戦争で肉体を失ったけれど
その魂は今、自由に飛び回っている…
そんなイメージが湧いて来る。

もとはアカペラのようだが、近年オーケストラ演奏でも
歌われているらしい。
詩の意味をかみしめながら、歌声を聴いてみたい。

【小諸高校音楽科定期演奏会】
日時 11月4日(日)13:30 開演
会場 ホクト文化ホール 大ホール
入場料 無料

11月3日は、小諸文化会館です。

皆様、ぜひ会場に足をお運びくださいね!