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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

初詣は潮神明宮へ。旧国鉄篠ノ井線廃線敷を歩き、夜は野生の鴨料理を堪能(妻女山里山通信)

2021-01-05 | 歴史・地理・雑学
 初詣は潮神明宮(うしおしんめいぐう)へ。正月太り予防のために旧国鉄篠ノ井線廃線敷を歩きました。とにかく三密を避ける場所と時間を選んでの三が日でした。

 まず潮神明宮に参拝。参拝者は数人がパラパラと。平安から鎌倉時代にかけて、この地方が伊勢神宮の御厨になったころに創建されたとされています。毎年5月4・5日の例大祭にあわせ「 柴舟」とよばれる船の形をした山車2隻が地区内を曳き回されます。穂高神社のものが有名ですが、安曇族との関係が考えられます。
平安時代は荘園で大麻の名産地だった麻績村の初雪に佇む郷社・麻績神明宮へ(妻女山里山通信)
日本最古の神明造りの国宝・仁科神明宮と、七色大カエデとカミツレの咲く大峰高原(妻女山里山通信)

(左)戦国時代には、麻績神明宮の神主が来て神事を行った記録があると書かれれています。(右)28センチ砲(二十八糎榴弾砲)の砲弾。日露戦争にも投入され激戦地として知られる203高地の戦いや、旅順港内のロシア艦隊への砲撃などに使われました。

 潮神明宮の駐車場脇にある遊歩道の地図。明科駅にはハイカー用の駐車スペースがないため、ここから歩き始めるのがいいでしょう。今回は、潮沢信号場の少し先までの往復だったので、往復8キロほどです。
 旧国鉄篠ノ井線は明治35年(1902)に全線開通。昭和45年(1970)に蒸気機関車が姿を消して電化され、昭和63年(1988)に新線が完成した事で86年間の役目を終えました。私は高校時代に信大の先輩の家に友人達と訪れた時や、学生時代に夜行列車(篠ノ井線から中央線)で上京する時に乗ったことが何度かあります。

(左)歩き初め。その先で右に曲がって三五山トンネルへ。(右)晴れていればあの里山の向こうに北アルプスの絶景が見えるのですが。

(左)三五山トンネル。(右)雨天時に滑って上がれないため勢いをつけて上り直すという記述が生々しい。

(左)電化される直前に露対策でモルタルを吹き付けたとありますが、現在はネットも張られています。(右)人気の遊歩道ですが、おすすめは桜の4月、新緑の5月、紅葉の10月下旬から11月です。

(左)山の上に手打ちうどんや手打ち蕎麦、おやきがいただける「かしの木」が。(右)東平の踏切。線路が残っています。遮断器は新しいもので、当時のものではありません。

(左)これが当時使われていた信号機。かなり風化しています。(右)けやきの森公園。山崩れ防止のために欅がたくさん植えられたそうです。

(左)漆久保トンネル。明科で作られたレンガが非常に良く残っています。上には覚明・普寛の像。(右)柏尾の家からおばあさんが大きなゴミ袋を二つかかえて反対側へ越えて行きました。

(左)潮沢信号場跡。スイッチバックの跡が見られます。単線で駅間の長い明科=西条間の列車本数を増やすために作られました。昭和47年地元の潮沢上長寿で、8月に善光寺と戸隠神社参拝の旅行を計画。年配者が多いので信号所から乗降できないかと、所長に交渉。1回限りの条件でOK。30数名分の明科=長野往復の団体切符を用意してもらったとか。凄いですね。これって所長裁量で決定なのか、ずっと上の上司の決定なのか。しかし、粋なはからいですね。(右)ここで戻ります。お腹が空きました。
旧国鉄篠ノ井線廃線敷を歩く:信州あづみの公式観光サイト

(左)やや遅めの昼食は、明科の中華上手(わで)へ。あんかけトンカツのせチャーハン(中)麻婆豆腐定食。ミニラーメン付き。(右)やわらかあんかけ焼きそば。いずれも優しい味で美味でした。高級中華料理店ではありませんが、その辺りの町中華の食堂でもありません。斬新なメニューもあり、眺めもよくおすすめのお店です。

(左)晩餐は、長男が新巻鮭と引き換えに頂いたカルガモとマガモのジビエ。ささみは前夜に雑煮で。左から胸肉、脚、手羽先。(右)胸肉は岩塩と黒胡椒でソテーしました。ジューシーで野生の滋味がギッシリ詰まった最高の逸品になりました。私はというか我が家は昔からジャンクフードやファストフードは、ほとんど食べません。世界的に見て異常なほど食品添加物が認可され使われている異常な国です。人工的な味に慣れている多くの国民の舌は麻痺しています。柔軟剤や芳香剤など香りに関しても麻痺しています。体に悪い化学調味料や砂糖を平気で使う料理人も無知すぎます。日本人の味覚を壊したのは、明治維新と戦争、大量生産とスーパーマーケットなどの量販店です。遺伝子組換え作物が寡占したら、伝統的な日本の味や香りは、このままでは滅びるでしょう。

(左)実際に空を飛ぶための手羽先の凄さを感じました。肉が閉まって腱が噛み切れません。濃厚な味でした。(右)ハツ、レバー、砂肝などのモツは、玉ねぎ、シメジを入れてトマト煮に。パスタと和えました。これも超絶美味。

(左)ワインは、上田で買ってきた五一ワインのカベルネ・メルロー。ジビエとよく合います。クラッカーにチーズディップ。シーザーサラダ。(右)デザートは、これも長男が古いガスコンロと引き換えに頂いたリンゴをまるごと1個使ったアップルパイ。中央には白餡。上品な甘さでした。

(左)今回の土産。左から信州諏訪のソウルフード、テンホウの餃子。右の上下はしょうゆ豆と麹。これで醤油豆を作ります。右のおやきは少し甘すぎました。信州サーモンのディップは全粒粉のクラッカーで。原信で買ったリンゴとカシスのフルーツエール。2019年秋の地ビールコンテストで1位になったもの。美味です。右は幻の宇宙ビールのラズベリーとブラックベリーの入ったフルーツエール。これも美味です。その下は、八幡屋礒五郎のガラムマサラの入った七味唐辛子。(右)雪の姨捨サービスエリア。眼下の善光寺平はホワイトアウトしていて全く見えませんでした。未来が全く見えない新年を象徴する様な景色でした。12歳年下の亡き愛妻と結婚後まもなくの冬に帰省中、まだ高速も豊科までしか開通していない中、麻績村の403号を轍もない深い新雪の中を越えて善光寺平に下った日のことは鮮明に覚えています。轍の全く無い道を走る恐怖が想像できますか。30センチの積雪ならバンパーに雪が溜まり立ち往生。春先に溶けて積雪ならスタッドレスでも無理です。スパイクアタッチメントが必須です。信州の雪道はなめてはいけません。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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