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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

キノコの瓶詰めを作る小春日和(妻女山里山通信)

2010-11-05 | 男の料理・グルメ
 晴れた休日の午後に慌てて20分だけ行ったキノコ狩りで大量のムキタケをゲットしました。そこは昨年発見したシロなのですが、去年は時期が遅くて採り損なってしまったのです。そこで今年は、今しかないだろうと直行しました。しかし、その場所は荒れた薮の奥にある狭い谷で、地元の人も絶対に行かない場所です。

 しかも、ムキタケは10mほどの土の崖上から倒れたコナラの樹に生えるのです。現地に着くと谷の反対側からもびっしりとムキタケが生えているのが分かります。しかし、相当に厳しい場所にあります。土の崖とはいえ最上部から転落したら10m以上落ちてしまいます。下から足場と移動方法を何度か確認して取り付きました。一度1mほど滑りましたが、倒木にしがみついてなんとか無事でした。そして採ったのが写真のムキタケ。帰りには去年見つけたシロでムラサキシメジをゲット。

 ムキタケは重さが2.5キロぐらいありました。大きな袋三つに分け、一つはすぐ鍋にして食べる様に冷蔵、一つは正月用にそのまま冷凍、最後の一つを瓶詰めにしました。ムラサキシメジも瓶詰めにしました。出汁・酒・味醂・醤油で煮ます。

 今年はキノコの中毒事故が頻発しています。ムキタケとツキヨタケを間違える事故も起きています。ムキタケは、キシメジ科ワサビタケ属ですが、表皮の下にゼラチン層があり、煮込むととろみが出ます。ツキヨタケは、ハラタケ目キシメジ科ツキヨタケ属ですが、標高1000m以上に生えるきのこなので、妻女山山系にはありません。

 ムキタケは、通常は黄色っぽいオリーブグリーンなのですが、成長するとツキヨタケのような茶褐色になります。ただムキタケという名前の通り、皮が剥けます。ツキヨタケは、縦に裂くと根元に黒いシミがあります。しかし稀にシミがないものもあるので、複数見る事が必要です。ムキタケとツキヨタケが同じ樹に生えている事もあります。

 ムラサキシメジのシロは、一年で1mほど移動するらしいのですが、どうも少しずつ下っていくようです。今年は菌糸を上の方に移し替えました。去年移し替えた場所で今年ムラサキシメジが発生したことに味をしめて移植をあちこちにしているのです。

 キノコは古くから日本人に食べられて来た食材ですが、意外な事に万葉集では一首しかありません。
「高松の この峰も狭に 笠立てて 満ち盛りたる 秋の香のよさ」作者不詳「万葉集 巻10-2233」
高松とは奈良の春日山の南に連なる高円山のことだそうです。秋の香というのは松茸のことでしょう。


 妻女山の麓では、名物の長芋のつる焼きの煙がたなびいています。10月末というのに緑色だった山々も、ここ数日の冷え込みでやっと色づいてきました。戸隠では雪が舞っていたと息子が言っていました。信州は、例年よりもかなり短い秋を終え冬を迎えようとしています。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りソーセージもお薦めです。山菜料理も豊富です。豆料理もたくさんあります。

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