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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の貝母は満開。オオヤマザクラにカスミザクラも満開です(妻女山里山通信)

2021-04-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母(編笠百合)は、満開です。たくさんの人が訪れてくれました。週末は雨模様ですが、貝母は雨では散りません。見頃は、20日過ぎまで続くでしょう。保全作業や撮影をしながら、案内もしています。来週の天気予報を見ると、最低気温が意外に低いので、25日ぐらいまでは十分に見頃が続くかもしれません。ウワミズザクラも咲き始めるかも知れません。お弁当を持ってハイキングに訪れてください。

 ほぼ無風で穏やかな貝母の群生地。貝母は下から咲いて行きますが、一番上のつぼみも咲き始めました。向こうのオオヤマザクラも満開です。時々、コゲラのドラミングが聞こえてきます。まもなくサンコウチョウも鳴き始めるでしょう。

 和名の編笠百合の名前は、花の中を見ると分かります。酷い藪の中で8畳ほどの群生地を見つけて、ここまでにするのに12年かかりましたと言うと皆さん驚かれます。そして、感謝してくださるので妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーもやりがいを感じているはずです。帰化植物やノイバラの除去は、毎年行わないといけません。ハルジオンも脅威です。

 セイヨウミツバチがたくさん吸蜜に訪れていました。たくさん受粉してくれるでしょう。昔は、ニホンミツバチもいたんですけれど。ラウンドアップなど、ネオニコチノイド系農薬で絶滅したのでしょう。次に絶滅するのは人間です。欧米では既に製造や販売が禁止されている国があります。当ブログでは、ネオニコチノイド系農薬の危険性を記した記事を何本もアップしています。必読です。

 満開のオオヤマザクラ(紅山桜)。貝母の群生地の周りに三本あります。この後、ウワミズザクラも咲きます。

 満開のカスミザクラ。カスミザクラとヤマザクラの区別は、本当に難しいですね。ヤマザクラの方が早く咲き、葉が赤みを帯びています。カスミザクラは、同じ様に若葉も同時に出ますが、緑です。遠くから見た様子が霞のように見えることに由来します。ただ、この二種は交雑することもあるようで、正確な同定は難しい様です。

(左)どちらでしょうね。赤みを帯びてヤマザクラにも見えますが、完全に開いた花は純白です。交雑種なのでしょうか。すぐ隣には、既に散ったヤマザクラがあります。(右)貝母の群生地の中に咲くヒメオドリコソウ。春の野草でお馴染みですが、ヨーロッパ原産の帰化植物です。

 今は亡き友人のログハウスがある堂平大塚古墳から望む鹿島槍ヶ岳と西山。眼下に千曲川の流れ。手前から、国道18号、しなの鉄道、北陸新幹線の橋です。

 若葉の頃は、樹種により葉の色が違うので美しい。最低気温が低いので、アントシアニンのせいで春紅葉も見られます。

 山吹も咲きました。本当に早いです。「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の(箕)ひとつだに なきぞ悲しき」兼明親王(かねあきらしんのう)。太田道灌の逸話で有名ですね。

 桃の花も満開です。奥の樹木がまばらなところは長坂峠。右が斎場山(旧妻女山)。山頂は、古代科野国の円墳で、川中島の戦いの時に最初に上杉謙信が本陣としたところと伝わっています。

 のらぼう菜越しに見る斎場山。のらぼう菜は、東京の奥多摩の伝統野菜で、オランダから伝わったといわれています。セイヨウアブラナの原種に近いといわれます。昔、奥多摩へフライフィッシングに通っていた時に知りました。苦味がなく甘く美味しいので、種を取り寄せ亡父が栽培してくれて種をとり、集落の人達に配りました。そのためあちこで栽培されています。秋の彼岸の頃に蒔き、春にとう立ちをポキっと折って食べます。おひたしや炒めもの、ボンゴレビアンコや中華炒めと応用が効く美味しい野菜です。

 今年は、山菜も早いです。天ぷらにしました。

 翌16日金曜日も、午前中は晴れていたので、大勢の方が訪れました。以前いらした松代の野草愛好会の方々も。以前、千曲市の野草愛好会の方たちも訪れてくれました。私は観ていませんが、テレビでも紹介された様で、来週も訪問者が多いでしょう。できる限り現地で案内や解説をしたいと思います。テングチョウが舞っています。春型のキアゲハも舞っているのですが、2頭いて縄張り争いをしているので撮れませんでした。

(左)下山途中に見つけたムラサキケマン。妻女山はシロバナが多いので、逆に貴重です。(右)登り口にある桜。植樹されたものでしょう。

 展望台の下にある桜。葉が赤っぽいのと花が赤みを帯びているのでヤマザクラでしょうか。

昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。2009年の整備途中のヤブだらけの写真は、現在とは全く異なる風景で、驚かれるでしょう。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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