モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山陣場平の貝母が散り始めました。見頃は今週末まで。ヤマツツジ。斎場山(妻女山里山通信)

2021-04-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 20日(火)は、最低気温4度から気温が急上昇。24度を超えました。もう少しで夏日。気温差が20度。自律神経失調症が酷く、体や指がしびれています。じっとしていても良くはならないので外出します。

 まず午前中は、用事を済ませて某里山へ。酷い藪山の中で、コシアブラを採取しました。その後、堂平大塚古墳へ。なんとヤマツツジが咲き出していました。早い! まだ日当たりの良い一部ですが、来週にはあちこちで咲くでしょう。ここには、猛毒のレンゲツツジも植えられています。絶対に蜜を吸ってはいけません。

(左)ログハウスのKさんが植えたヤマウドも芽吹きました。我が家の畑のウドも見に行かなければ。(右)ログハウスへの道の脇には、ヒトリシズカ。これも例年より早く咲くでしょう。

 貝母(編笠百合)の群生地がある陣場平。登り始めた時に上から三人の女性たちが。テレビで貝母のことをやっていて観に来たけどどこか分からないというので案内しました。ガイド付きでラッキーと言っていただきました(笑)。写真は、貝母と山蕗が大きくなったもの。茎が柔らかくて美味しいのです。女性たちには、長坂峠のヨモギを採っていくように勧めました。制癌作用もある優秀な野草です。天ぷら、おひたし、ゴマ汚し、草餅、ヨモギ団子に。

 長坂峠に戻ります。途中のご天上から見る斎場山(旧妻女山)。

 長坂峠から見る天城山(てしろやま)。もちろん両山とも拙書に載せています。国土地理院の地形図が載っているのは私の本だけです。イラストや略図では、迷った時に役に立ちません。山の歴史や自然にも言及しています。駐車場と立ち寄り温泉が載っているのも好評です。10本のエッセイが大好きという方も。読んで面白くためになるトレッキングの本です。

 長坂峠から西へ少し登ると斎場山。山頂は、古代科野国の古墳です。

 古墳の最上部。円墳なので山頂は丸く平らです。川中島の戦いの時に、最初に上杉謙信が本陣とした場所として伝わっています。盾を敷き、陣幕で囲み、鼓を叩いて舞を舞ったという伝説があります。武田軍が全軍を海津城に入れた後は、前述の陣場平に七棟の陣城を建てて本陣としたと伝わっています。甲陽軍鑑の編者、小幡景憲がその絵を描いています。東北大学の狩野文庫に収蔵されています。当ブログでは、許可を得て掲載しています。川中島の戦いでブログ内検索して下さい。

(左)下る途中で見たリョウブ。若葉は茹でて塩で揉みご飯に混ぜるとリョウブ飯に。まあ、ウコギ飯の方が美味いですけど。(中)あちこちにタチツボスミレが咲いています。(右)某里山で採ってきたコシアブラとハリギリ。旬のサザエと一緒に煮込んで、蕎麦のつゆにします。

妻女山陣馬平の貝母を発見してからの保全活動の歴史。今年も満開です(妻女山里山通信)

臼山有旅と妻女山陣場平の菱形基線測点。地理史の重要な文化財(妻女山里山通信)

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山陣場平の貝母の見頃は今週末まで。ハナヤスリ。菱形基線測点(妻女山里山通信)

2021-04-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 19日(月)は快晴でした。前夜にかなりの雨が降ったので貝母も一息ついたでしょう。たくさんの人達が訪れてくれました。季節の移ろいが速すぎて付いていけません。やれやれ。

 まず堂平大塚古墳へ。ログハウス脇の亡き大事な里山保全の協力者で友人のKさんが植えた枝垂れ桜が満開で、散り始めました。日当たりのいい場所のヤマツツジは既につぼみになっています。

(左)彼が植えたコシアブラも開き始めました。例年なら4月下旬です。(右)タラの芽も開いています。私が畑に植えたタラの芽も、週末には収穫できるでしょう。

(左)日当たりの良い斜面に咲くカキドウシ(垣通し)。別名をカントリソウ(癇取草)といい、子供の夜泣きや引きつけの薬でした。 漢方の生薬(しょうやく)名を 「連銭草」(れんせんそう) といい、利尿、消炎薬です。カキドオシ茶、カキドオシ酒等で販売されています。(右)古墳に下る道沿いに咲いているアオイスミレ。春いちばんに咲くスミレで、葉が徳川の家紋であるフタバアオイに似ていることから、その名がつきました。今年はタチツボスミレとほぼ同時に咲きました。

 貝母(和名:編笠百合)の群生地へ。森の中から群生地を見たカット。森の中の群生地は、種が東風に乗って増えたものです。ただ、ここは畑地だったので周囲の山とは土質が異なります。よって、無制限に増えることはないでしょう。

 下から撮影すると、和名の編笠百合の由来が分かります。逆光に透けた花びらが美しい。スマホでは下から上に向けて自撮りモードで。雌しべの基部に六角形の種になる部分がすでに形成されています。雄しべは、基本は6本ですが、9本のものもあります。

 貝母の間で日向ぼっこをする越冬したヒオドシチョウ(緋縅蝶)。ルリタテハと共に春の到来を告げる蝶です。武士が纏う紅色の緋縅に似ているからの命名です。

 貝母の周りに群生するシロバナヤブケマン (白花藪華鬘)。5月中旬から舞い始める、氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの幼虫の食草です。これも貝母と同様に毒草です。

(左)最初にサイハイランかと思いましたが、どう見ても葉が違います。あ〜思い出せないと思っていたら、今日訪れた男性が、お〜凄い、ハナヤスリだと。そうです。思い出しました。そうは見えないと思いますが、シダ植物です。真ん中に見える胞子嚢穂が棒ヤスリに似ていることに由来します。今後観察し撮影します。(右)これが分かりません。左の葉は8センチぐらい。ラン科の植物でしょうか。観察を続けていきます。

 貝母を観に来た方々にはお話しているのですが、陣場平の北東の角にある菱形基線測点(りょうけいきせんそくてん)。これを探す目的で、酷い藪だらけの陣場平にやっと入り、2009年のGWに偶然わずかに残っていた貝母を発見したのです。里山はほぼ全て私有地です。当時集落の世話人や役員をしていた父に頼んで、ここの整備をすることを了承していただきました。もっとも今では、自分の山がどこなのか知らない方ばかりです。このままでは、里山は荒廃してしまいます。里山は、数百年の間、人が手入れをして保全されてきたものなのです。自然に任せればいいじゃないというのは違います。

妻女山陣馬平の貝母を発見してからの保全活動の歴史。今年も満開です(妻女山里山通信):どれほど酷い藪だったかが分かります。現在の状態にするのに12年かかりました。必見です!

茶臼山有旅と妻女山陣場平の菱形基線測点。地理史の重要な文化財(妻女山里山通信):松代群発地震の頃に大活躍しました。そのデータにあった緯度経度でここを探し当てました。貴重な地理の遺産です。


(左)クサボケ(草木瓜)も、あちこちで咲いています。実は地梨といい、薬酒になります。(右)山椒の若葉も出始めました。山椒味噌に。焼き魚や焼きおにぎりに。実はちりめん山椒に。私は佃煮ではなく、薄味で煮込みます。春の滋味。馬鹿旨です。これから、次々とイカリソウやホタルカズラ、ナルコユリなどが咲き、ウスバシロチョウやゼフィルスが舞います。ハルゼミ、エゾハルゼミが鳴き始め、サンコウチョウもさえずります。ノスリが悠々と空を舞い、7月には国蝶のオオムラサキが出現します。妻女山山系は、貴重で豊かな里山なのです。幼児でも高齢者でも、ゆっくり登れば楽しめる里山です。毎週毎月訪れる人もいます。季節の移ろいが感じられる里山です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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