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モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

2023 稲の筋蒔き。米は日本人の生命の源。とはいえ年々きつくなる農作業。今年もなんとか乗り越えました。鯨うどん。伝統野菜の危機(妻女山里山通信)

2023-05-06 | 男の料理・グルメ
  米作りの基本は、まず苗作りです。そのための筋蒔き作業をしました。曇り空で雨は夜からの予報です。炎天下の作業でないのが助かりました。

 培養土に肥料や殺虫剤を入れてよく混ぜます。使わないのが最善ですが、ネキリムシなどの最小限の対策です。ネオニコチノイド系やグリホサート剤を使うのはもっての外です。畑や庭にラウンドアップなどのベトナム戦争の枯葉剤由来の猛毒の農薬を撒くのは自殺行為。奇形、癌、脳の発達障害、多動性障害など、ありとあらゆる疾病を引き起こします。欧米ではすでに製造販売が禁止されています。自公統一教会創価のカルト政権は国民の命を守るという使命を放棄しています。

 ポットに培養土を入れていきます。作年は190枚弱でしたが、今年は200枚余りと増えました。一人けっつまずいて転んだ人がいました。やれやれ。

 補充のポットをS氏が持ってきてくれたのですが、中にシマヘビの赤ちゃんがいました。観念したのかおとなしいです。亡き伯父なら「お!いい酒のつまみだ」と言って食べてしまうのでしょうけど、逃してやりました。

 ポットに籾と覆土をかける機械にかけます。これも覆土がこぼれるので箕(み)を置くのですが、その置き方も年々進歩しています。ポットを補充する人、機械に入れる人、籾や覆土を補充する人、ポットをトラックに積む人と分業もずいぶん手慣れてきました。

 トラック二台に積み込み、必要な道具も積み込みます。一休みしたあとで田んぼにでかけます。

 苗床に運んで、まずまず根切シートを敷きます。すこし日が出て気温が上昇してきました。低気圧が近づいているのに強風がないのが幸いです。

 ポットを敷き詰めていきます。乱暴に扱うと籾や覆土が飛び出てしまうので慎重に。

 敷いたら膨らんだ場所を踏んでならしていきます。ここで予期しなかったトラブルが。20枚だけもち米があるのですが、軽トラに積む時にちゃんと分けていたのですが、全員にその情報が行き渡っておらず混じってしまったかもしれないのです。まあ苗が出れば見分けがつくだろうということで解決。やれやれ。

 上に保湿、遮光のラブシートを被せます。これをピンで止めていきます。

 寒冷紗で覆うためのアーチを1mおきに作ります。

 寒冷紗をかぶせてクリップと要所要所をピンで止めます。

 3時間半で作業は終了。ところがポットが余ってしまいました。これは作業依頼主のK氏があとでやることに。よって水は張らないで終了です。気温はグングン上昇し28度ぐらいです。道具を片付けて昼食です。

 中国人が経営するスタッフも中国人の長城へ。思い思いに定食を頼みます。大きな鶏の唐揚げがついてきます。
 この時期、農家は野菜の苗の植え付けやらで大忙しです。その野菜もほとんどF1種になりました。採種ができないハイブリッド。伝統野菜の様な不揃いだけれど旨味や奥深い複雑な味はありません。スーパーに並んでいる見た目が綺麗な野菜は、伝統野菜以外はほとんどがF1種。その違いを知らない人がほとんどでしょう。特に早生種は栄養も半分以下しかありません。長野県は伝統野菜を奨励しています。しかし、農家が自家採種することを自公統一教会創価のカルト政権は禁止し犯罪にしようとしています。そうなったら伝統野菜や郷土料理は滅亡し日本の和食文化は崩壊します。消費者はそのことを知るべきです。
信州の伝統野菜:ぼたごしょう、松代一本ねぎ、小布施丸なすなど。JAスーパーの産直や道の駅などで買えます。

 これは前夜に食べた「鯨うどん」。塩皮鯨で出汁をとりうどんの汁にしていただく郷土料理です。普通はナスと煮たり、ナスやカボチャと煮るのが一般的なのですが、どうも塩皮鯨が大好きだった父が考案したオリジナルの食べ方の様です。作家・開高健のエッセイ『最後の晩餐』にも、新潟の山奥でゼンマイ採りの時に、小屋の囲炉裏に鯨の皮の塩漬けの大きな塊をつり下げ、味噌汁の大鍋に入れて出汁と脂をとる話が出てきます。そうして過酷な作業に必要なカロリーや栄養を補給したわけです。うどんは信州地粉のユメセイキ。奥にある小鉢は、山蕗とソフト鰊の煮物。たくさん作ったので、これの炊き込みご飯を作りましたが絶品です。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、商用利用の場合、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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手作りベーコンを作る初夏の好日。ソミュール液、エルブ・ド・プロバンス、スモークウッド。タラの芽とコゴミと手作りベーコンの炊き込みご飯、BLTECUサンドイッチ(妻女山里山通信)

2023-05-01 | 男の料理・グルメ
 手作りベーコンが無くなりそうなので作ることにしました。といっても準備から完成までは、1週間はかかります。市販のベーコンの殆どは燻製ではなく燻液に浸けたものです。スモークすると風味が全く違います。その合間に大掃除。ゴールデンウィークの晴れ間は、花粉も黄砂もおさまって風もないので大掃除に最適なのです。冬用の分厚い羽毛布団を掃除機で吸ってから干しました。数あるマットや小さな絨毯も洗いました。やれやれ。

 ツルヤでカナダ産豚バラ肉を買いました。約1キロです。まず昔ながらの製法で作られた粗塩をまんべんなくすり込み冷蔵庫でひと晩寝かせます。

 粗塩を洗い流し、ソミュール液(ピックル液)に浸けます。
豚バラ肉1キロにつき。キビ糖:10グラム、塩:50グラム、しょう油:7ml、水:300ml、エルブ・ド・プロバンス(ミックスハーブ):大さじ1、ローリエ:2枚、粗挽き黒こしょう:小さじ1、ウィスキー:20ml。これらを煮立たせ冷まして浸けます。更にタマネギ、ニンジンの皮、キャベツの芯、セロリの葉、ニンニクを加えます。これをジップロックに入れて、冷蔵庫で毎日上下をひっくり返しながら1週間おきます。

 やっとスモークの日です。ボウルに水を張り、糸状の水流で3時間塩抜きをします。

 キッチンペーパーで水分を拭き取り、風通しの良い場所で1時間ほど風乾します。完全に乾いてはだめです。

 スモークします。私は、バーベキュー用のバケツを段ボールの箱で覆って使っています。確実に着火したか確認します。スモークの直前にブランデーを刷毛でぬって風味をつけるものお勧め。

 市販のスモークウッドの火をつけダンボールの箱で覆います。箱タイプのスモーク器なら中に入れて。スモーク中と書くのは、宅配便や郵便配達の人が煙が出ているので火事と勘違いしない様にするためです(笑)。近くに洗濯物を干すのもだめです。

 こんな感じでスモークウッドを気温にもよりますが、2時間半ぐらい燻煙します。今回は桜のスモークウッドを使いました。スモークチップでもいいのですが、火や温度の管理がスモークウッドのほうが失敗が無く簡単です。

 これぐらいの色味になったらひっくり返します。これで色合いを見ながら2時間ぐらいスモークしたら出来上がりです。小分けしてラップで包み、ジップロックに入れて冷蔵や冷凍保存します。

 さっそくコゴミとタラの芽とベーコンのペペロンチーノを作りました。激旨なんですが、ビジュアルがちょっと滋味ですね。BLTサンドやカルボナーラ、ハッシュドポテトもやりましょう。コシアブラとベーコンの洋風炊き込みご飯も作りたい。

 コシアブラと手作りベーコンのコンソメ炊き込みご飯が馬鹿旨だったので、タラの芽とコゴミと手作りベーコンの炊き込みご飯も作りました。味付けはやはりコンソメスープ。色味は地味ですが想像以上の旨さです。付け合せは山蕗と干しホタルイカの煮物。富山の海の幸と信州の山の幸の最高のマリアージュです。



 手作りベーコンでBLTサンドイッチを作りました。プラスウドとサニーサイドアップとチェダーチーズ。トーストには片面に粒マスタード、もう片面にはマヨネーズ。サニーレタスにはマジックソルトをふりかけて。ブラックペッパーとはちみつがアクセント。BLTサンドは、ノースショアカントリークラブのBLTサンド アメリカ発祥のサンドイッチで、Bacon・Lettuce・Tomatoの頭文字からの命名ですが、オリジナルもびっくりのウド入り。手作りベーコンをカリカリではなく風味を生かしてさっと焼くのがポイント。今回はBLTECUサンドイッチです。ライ麦パンでないのがちょっと残念。でも美味です。

■薫製(スモーク)について
スモークは、食材を塩漬けにして熟成させ、さらに乾燥させながら煙でいぶして保存性を高めたもの。 薫製には、冷薫、温薫、熱薫の3つがある。一般的に低温で長時間いぶすほど保存性が高くなる。
●冷薫:15~30度で一週間から数週間と長時間薫煙し、熟成の旨味が充分に活きる方法。
●温薫:50~80度で2時間から12時間程薫煙。適度な旨味と薫煙の風味が付く方法。
●熱薫:120~140度の高温で短時間薫煙する方法。1kgのバラ肉が1時間半程でベーコンになる。

■木の種類による香りの違い
サクラ:ポークや鴨、ほろほろ鶏など癖のある肉類にピッタリ。
クルミ:くせの無い香りで肉類、魚類などに良く合う。
リンゴ:やや甘い香りで、淡白なチキンや白身魚に合う。
ブナ:魚介類をマイルドな味に仕上げたいときに。ほのかに渋みもあり。
ナラ:色付きが良く香りが柔らかいので、魚介類に合う。
ヒッコリー:香りも良く万能型。欧米ではもっとも一般的。


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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、商用利用の場合、有料でお使いいただけます。

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紅甘夏のウィスキーマーマレード。ブリカマ塩焼きと酒粕汁。乳酸発酵野沢菜漬け炒め。春待ちホタルイカと菜花のアンチョビーパスタ(妻女山里山通信)

2023-02-01 | 男の料理・グルメ
 2月になった途端に3月の陽気に。最高気温は9度の予報。とはいえ1月は寒く曇天が続いたので撮影にも行けませんでした。ということで郷土料理やらを作りました。水上勉原作、沢田研二主演、土井善晴料理監修の映画「土を食らう十二ヵ月」の様な料理の数々。間に中華やフレンチ、イタリアン、エスニックが入りますが、基本は旬のものを地産地消です。Aコープの産直コーナーでは朝どれの新鮮な野菜が100円、高くても200円ぐらいで買えます。道の駅は観光客相手なのでやや高め。山間部では無人販売も見られます。

 ソフトボールより大きな紅甘夏が特売(130円)だったので買いました。久しぶりに「ウィスキーマーマレード」を作りました。まず粗塩でよく洗いヘタを取ります。食べないのはヘタだけ。厚い皮に十字に切れ目を入れ皮を剥き2ミリにスライス。ひたひたの水で沸騰したら5分弱火で。実は半分に切って縦にザクザク横にザクザク。種ごと皮の鍋に入れ弱火で5分。大さじ6杯ぐらいのキビ糖を入れ弱火で5分。さらに同量のキビ糖を入れ5分。味を見て蜂蜜大さじ2とキビ糖を入れ5分。最後にウィスキー、今回はバーボンのフォアローゼズを大さじ3杯ほど入れて火を消します。煮沸した瓶に保存。まず全粒粉のバタートーストで。苦味酸味甘味バーボンのアルコールと大人の味です。ポークソテーやラムソテー、煮込み料理の隠し味に。
「フォアローゼズ」という名の由来は、創始者であるポール・ジョーンズJr.がある女性に出会いプロポーズした際、彼のプロポーズを受諾する目印にされたのは薔薇のコサージュ。 プロポーズが結実し永遠の愛を誓ったというエピソードから、ラベルには四輪の薔薇がデザインされ、「フォアローゼズ」と名付けられたそうです。

「ブリカマ塩焼きと酒粕汁」。酒粕汁は、地大根、牛蒡、人参、里芋、長芋、長葱をカツオ出汁、炒り粉、昆布、干し椎茸で煮込んで手造り信州麹味噌と酒粕で味付け。別にブリカマの塩焼きを作りのせます。煮込みません。ブリの味を汁に移さないのです。ブリカマを別皿に粕汁をかけてもいいです。西京焼きの様な奥深い味になります。

 2月になると野沢菜の本漬けもかなり乳酸発酵が進んできます。もちろんこのまま漬物でいただくのも美味ですが、冬野菜と炒めると格別の一品になります。植物性乳酸菌は、美味しいだけでなく、からだにも非常にいいのです。

 野沢菜漬けはかなり塩辛いので、ぬるま湯につけてある程度塩気を抜きます。みじん切りにして地大根、人参をついて多めの胡麻油で炒めます。人参大根に火が通ったら、鰹出汁の顆粒を加え本味醂を入れて炒め仕上げます。

 昨冬作った「野沢菜炒めのおやき」。皮にとろろと炒り粉、卵を入れます。とろろを入れると軽くなります。他には包みおやきにしたり、炒飯にしたり、チーズをのせてドリヤに。ピザのトッピングにも。木曽のすんき漬けの様に蕎麦やうどんのトッピングにしても美味。すんき漬けと違い塩気があるのでつゆをやや薄めにするのがコツ。

「春待ちホタルイカと菜花のアンチョビーパスタ」。芽キャベツも入っています。菜花はさすがに信州産ではなく高知産です。山蕗が出始めたらそれでパスタにします。春が待ち遠しい一品です。

「長芋と菜花芽キャベツハムのチーズグリル」。長芋のととろに白だしと卵を加えて混ぜ混ぜ。菜花と芽キャベツの塩茹でをのせて、無塩せきのハムをのせ、チェダーチーズ、溶けるチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノをかけて500ワットのオーブンで10分ほど温め、1000ワットで3分ほど焼き目をつけます。最後にパセリを振ってできあがり。食べる時は全体をよく混ぜていただきます。とろっとして優しい味でなんとも美味です。

 手造りの干し柿がたくさんあるので、干し柿のウィスキー漬けを作りました。ウィスキーはバーボンのフォアローゼス。ブランデー、ラム酒、ウィスキー、赤ワインなどでも美味です。これをマカダミアンナッツ入りのバニラアイスと合わせて大人のデザートに。アイスに更にバーボンを入れています。もう一品は、干し柿にブルーチーズを合わせておつまみに。これはベストマッチといえるほど美味しい組み合わせです。個人的にはもっと味の濃いゴルゴンゾーラあたりが好みですが。ウィスキー漬けの干し柿と食べると至福の味ですが、これは旨すぎてちょっと危険。巷では生ハムメロンが有名ですが、それを遥かに超えています。

 お雑煮、お汁粉、安倍川餅、揚げ餅、カレー餅、揚げあられ。色々食べてアイデアが尽きました。そこで、ターキー(七面鳥)のスパムとブルーチーズの海苔餅。けっこういけます。餅を上の野沢菜漬け炒めを海苔で巻いても美味。お好み焼きに入れたり、蕎麦粉があるのでガレットに入れてもいいかも。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

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妻女山里山デザイン・プロジェクトの里山保全作業と納会2022。絶品海鮮鍋と土を喰らう料理の数々(妻女山里山通信)

2022-12-03 | 男の料理・グルメ
 割と暖かかった11月でしたが、12月になった途端に冬になりました。冠着山(姨捨山)も山頂が白く染まりました。そんな週末に、妻女山里山デザイン・プロジェクトの今年最後の里山保全作業と納会を行いました。数日前には最高気温が20度だったのに一気に冬へ。氷点下3度。昼も5度ぐらいでした。

 まず長坂峠で伐採と除草をします。伐採する樹種と範囲はメンバーに詳しく指示します。手前は国蝶のオオムラサキの食樹であるエノキ(榎)。この保全が目的のひとつです。

 ノイバラやススキの除草。草薮にしておくとイノシシなどの隠れ場所になります。他にサワグルミ、ヌルデなどの幼木も伐採。イボタノキはあるシジミチョウの食草なので残します。ヤマガシュウも切ります。

 最初のカットと比べると清々してしてきました。もう少しです。ヤマコウバシも伐採。落葉期は伐採の適期なのですが、樹種が分かっていないと的確な伐採はできません。そのため、夏季に伐採する樹木に目印のテープを巻いたりします。テープは紙製か自然分解テープを使います。

 どんな作業が必要になるか分からないので色々な道具を積んできています。アナログのノコギリやナタ、剪定バサミなども。ロープやシメラーも必要になることがあります。もちろん、それぞれの道具の扱いには熟知していないと駄目です。林業関係は非常に事故が多いのです。

 分かりにくいかも知れませんが清々しました。メンバーも、里山は面倒見無いとだめだねと。そうです。里山が荒れると麓の街も荒れるのです。街なかにイノシシやクマが出てくるのはそのためです。里山は人の手が入ることが重要なのです。

 次の現場へ。斎場山(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳です(円墳)。右に見える明るい斜面が、今回伐採や除草をしたところです。

 問題の現場。林道上にあるので大変危険です。思いつきで作業するのは極めて危険。相談して重心が右の方にあるので脚立で落とそうと決定。見事に落ちました。この後、この枯れ木を伐採しようと皆が言いましたが、実は枯れ木ではないのです。右の枝は生きています。このまま放置することにしました。

 移動して上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。妻女山SDPが、貝母(編笠百合)の保全活動をしている場所です。立ち枯れのヤマザクラを伐倒してもらいました。実は今年の5月に一人で作業をしていたら、2mぐらいの幹が折れて突然落ちてきたのです。貝母が咲くとたくさんの方が訪れるので伐倒しました。

 そこから少し離れた場所の立ち枯れのヤマグワ(山桑)。手前に貝母の球根をたくさん移植したのでこれも伐採。少し高いところで切っているのは、アラゲキクラゲが出るからです。菌を移植しようと思います。

 作業は順調に進んで終了。堂平大塚古墳の庭を借りて納会の始まり。晴れていて無風なので日向にいると暖かいのですが、気温は0度ぐらい。ヒヨドリのキーッ!という音が響きます。寒いので移動可能な薪ストーブに点火。この前に、害獣駆除(イノシシ狩り)の車が3台登っていきました。鞍骨山へも3人ぐらい登っていった様です。この季節はハンターが入るので、自分の存在を知らせるホイッスルなどの携行が必須です。

 今回は海鮮寄せ鍋。有頭赤海老、アンコウ、ホタテ、牡蠣、白子、厚揚げ、白菜、聖護院蕪、天然ムキタケとヒラタケ、松代一本ネギ。昆布と白出汁で味付け。濃口醤油は使いません。大根おろしとしぼりたて生ぽんずと柚子胡椒でいただきます。

 これだけの海鮮と地元野菜や天然キノコを入れたのですから旨くないわけがありません。皆スープを味見して「うめ〜!なんだコレ」と絶叫。「料亭の味だ」などなど。皆に持ってくるものを細かく指示した私もニンマリ。濃縮白出汁は流行りで色々ありますが、試しに試して厳選。キッコーマンの旨味広がる香り白出汁を。ポン酢は高級品は5000円のものも。さすがに手が出ません。これもいくつも試して選んだのはキッコーマンのしぼりたて生ぽんず。柚子胡椒は大分のフンドーキンのもの。

 皆が持ち寄った副菜。鯛の昆布締め。自家製の柿酢でしめてあります。絶品。仲間で味噌作りしたり、各自で柿酢や塩麹を作ったり、映画『土を喰らう十二ヵ月』の様な暮らしをしています。少し前にはメルローのワインの仕込みもしました。自家製長ネギのキムチ。おにぎりの具でも食べたい。

 話題は、ワールドカップサッカーや色々。特に今回の料理ともリンクする水上勉原案、沢田研二さん主演の『土を喰らう十二ヵ月』監督・脚本:中江 裕司氏の話題へ。美しい信州の四季と土を喰らう土井善晴さんの数々の料理。そして死生観。染み染みと心に沁みる映画です。自分の日常を見ている様な映画でもありました。土井善晴さんとは、10年ぐらい某大手新聞社のPR誌で記事をアートディレクションさせていただきました。今回の映画で出てくる料理も納得しながら観ていました。
 ワールドカップであれだけの大群衆がマスクもせずに大歓声を揚げていることに、政府もマスコミも一切触れない違和感。クラスターも発生していない。疑問に思いませんか!? なぜ日本だけ未だにワクチンを打ち続けているのか。私や仲間の近くでも接種後の死亡や脳梗塞、体調不良がひん発している事実。高額で買ってしまったワクチンを消費するために子供にまで打つという狂気。海外はもうワクチンは打っていません。実はコロナは既に終わっているのです。本当におめでたい日本人。安価なイベルメクチンがあれば何も問題ありません。友人の医師もそう言っています。利権まみれの統一教会自民党と創価学会公明党のカルトに日本は滅ぼされる寸前です。覚醒を!
【再生回数200万回:動画】福島雅典京都大学名誉教授「科学と医学を徹底的に無視して無茶苦茶だ。今、打ってない人がかかってるんじゃない、打った人がうつしあってるんだ!」/ネット、医師、著名人も声をあげる
各国政府、COVIDワクチンによる数百万人の死亡を確認 - 英米豪加NZの5ヵ国とヨーロッパではCOVID-19ワクチン導入後、180万人の過剰死亡が発生 (The Expose):世界では既に大規模な集団訴訟が起きている。全く伝えない日本政府とマスコミ。日本でも2021年に6万人、2022年には10万人超えの超過死亡者が出ている事実を伝えない。ワクチン利権に侵され国民を見殺しにしている。
「米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国、そしてヨーロッパのほとんどの国の政府が発表した公式報告によると、「Covid-19」注射の大量導入以来、180万人の過剰死亡が記録されたことが確認された。英国政府が発表したさらなる証拠によると、これらの過剰な死亡の最もあり得る原因はCovid-19のワクチン接種であることが確認されている。なぜなら、すべての年齢層でワクチン未接種の人の死亡率が最も低いからである。」
『土を喰らう十二ヵ月』公式サイト:水上勉原案、沢田研二主演の信州小谷村(おたりむら)が舞台の胃袋と心に沁みる映画です。

 私が持参した長芋の溜まり漬け。分量の割合は、醤油200ml、柿酢70ml、キビ糖30g、味醂40ml。これを温め冷まします。イリコ出汁粉大さじ1、塩昆布ひとつかみ、鷹の爪を入れて出来上がり。割合はお好みで調整してください。密閉容器に野沢菜、白菜、蕪、大根、人参、長芋などを刻んで入れ、溜まりをそそぎます。冷蔵庫で保存して一週間ほどで食べられます。野菜の旨味も出てさらに美味しく。薄まったら足します。
 最後は水に浸した米を入れて和風パエリアに。卵で閉じます。もう筆舌に尽くし難い旨さで皆おかわり。完食です。旨すぎてもう納会は毎年これでいいと。いやいや世の中には旨いものはもっとあるということで、次々とアイデアが。ワールドカップということで、スペイン料理なども。食後は、私が愛飲しているタンポポコーヒーを振る舞いました。ノンカフェインだけでなく物凄い薬効があるのです。
カナダのウィンザー大学の研究チームの研究成果により、セイヨウタンポポの根茎が癌治療に非常に効果的であることが分かりました。化学療法とは違い、タンポポの根茎を使った治療を始めた結果、数日以内に癌細胞が消滅したのです。タンポポの根茎は、癌細胞を破壊するだけでなく、胆汁分泌を促し、肝臓を浄化し、アレルギーを改善させ、コレステロール値を下げます。

 さて解散です。妻女山の四阿からは北アルプスがくっきりと見えました。手前の茶臼山や右奥の虫倉山には雪はありませんが、冠着山(姨捨山)には降雪が。長野市北部も初雪があった様です。

 土を喰らう冬。今年は山栗や胡桃は不作でした。これは豊作だった昨年のオニグルミ。一番下の真ん中が先の尖ったヒメグルミ。信濃クルミや信濃カシグルミとは全く別の味がする山の恵みです。

 地元の豚と私が採った天然のハタケシメジ、クリタケ、ムキタケ、ヒラタケに白菜、松代一本ネギ、玉葱を使った豚汁うどん。アゴ出汁で。右は前述の溜まり漬け。野沢菜、地大根、青大根、人参、長芋。

 ブリ大根。ブリのいいアラが手に入ったので地大根と炊きました。ポイントは茹でこぼして血合いなどを徹底的に取ることです。生姜と友人の手作り醤油、キビ糖、本味醂で煮ました。普通は温めていただくのでしょうけれど、私は冷蔵庫で一晩冷やして煮こごりになったものが好きです。ブリの臭みもまったく感じません。お年取りの魚というと、西のブリ・東の鮭が有名ですが、信州はその両方が混在します。富山の寒ブリ、新潟の鮭が入るからです。ちなみに我が家では祖母の代では塩ブリで、母の代で鮭になりました。単に母がブリがあまり好きではなかったという理由ですが。塩鮭は一本買いで厚さ4センチぐらいに切って酒粕に漬けます。それを湯がいていただくのです。また父が自家製の醤油豆を作っていました。私が子供の頃は、祖母が大きな樽にお醤油豆を作り、味噌蔵にあって、よく祖母に言われて撹拌しに行きました。

 土を喰らう郷土料理の続き。(左)イカこんにゃく。こんにゃくは信州新町道の駅で買い求めた生芋こんにゃくです。本漬けの野沢菜漬けも食べられる様になりました。乳酸発酵も始まっています。3月になると熟成して木曽のすんき漬けの様になります。油炒めや炒飯やおやきにも。右は簡単べったら漬。普通は塩漬けした大根を甘酒で和えますが、今回は塩麹とはちみつ、キビ糖で漬けました。(右)ウルメイワシの丸干しの天ぷらとさつま芋の天ぷら。カレー粉とアオサ海苔をまぶして。食用油が高騰しています。そんなとき見つけたのが、昭和産業の「焼き天ぷらの素」。半袋60gを使いました。大さじ1.5の油をフライパンにしくだけでザクザク食感の天ぷらができます。調理後は拭き取るだけ。安上がりで環境にもいい、嫌な添加物は入っていません。これお勧めです。ウルメイワシの丸干しの天ぷらは、海無し県信州の古くからの郷土料理。在京時代には妻が二度揚げして息子達にも食べさせていました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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蕎麦好き信州人は新蕎麦を食べないと秋が終わらないので新蕎麦行脚。牡蠣と天然キノコ4種の鍋焼きうどんとおしぼりうどん(妻女山里山通信)

2022-11-12 | 男の料理・グルメ
 信州蕎麦というと戸隠や善光寺界隈を思い出すと思いますが、もちろん地元の人も紅葉狩りついでに立ち寄りますが、ほとんどが観光客です。そして、多くの蕎麦好きの人は観光客がほとんど来ない地元の名店を知っていて訪れるのです。いずれも人気店で昼は満席で待つことになるので、開店時間を狙って行きました。

 初日は、篠ノ井の街外れの東福寺という小さな集落の端にある「そば処 安心(あんじん)」。開店時から人が続々訪れ始め、まだ正午前でしたが私が出る頃には満席になっていました。

 今回頼んだのは、新蕎麦十割の安心蕎麦中盛り(280g)です。かえしのつゆと胡桃(くるみ)だれに煮物の小鉢が付きます。1250円。蕎麦は玄蕎麦でやや細め。新蕎麦の香りが豊かです。まずそのままで、次につゆで、半分ぐらい頂いたら胡桃だれで。胡桃はかなりクリーミーにすられています。新蕎麦の時は天ぷらは頼みません。平日は地元のサラリーマンが多く、ランチセットがお得です。

 次の日訪れたのは、稲荷山の善光寺街道沿いにある「信州蕎麦 わきゅう」。ここも開店時間に訪れたのですが次々に入ってきました。ここは昔、「つる忠」という名店でした。「つる忠」の時は両親を連れて来たことがあります。「つる忠」で修行して独立した人も少なくないと思います。ここも地元の人ばかりです。

 頼んだのは胡桃蕎麦。ここの胡桃は粗目です。砂糖かキビ糖が混ぜてあります。これをつゆに入れていただきます。蕎麦は細めでこちらも風味が豊かです。量もけっこうあります。私は基本的に葱は入れません。途中で山葵をわずかに蕎麦につけて味変します。920円。満足です。この後で、前の記事の龍洞院へ向かいました。

 翌々日は、70号で山を超えて国道19号沿いにある信州新町道の駅の「そば信」へ。ここは産直の隣にあるのですが、県外ナンバーの観光客は産直の野菜やキノコやジンギスカンなどを買い求めて出ていきます。「そば信」で食べているのはほぼ地元の人。ローカルテレビで何度も紹介されているので地元では有名なのです。蕎麦は左右(そう)高原で収穫されたもの。セルフサービスなので安いのが魅力です。まだ11時前ですがお客さんが次々と。

 ざる蕎麦580円。普通信州では東京の様に海苔がのったものをざる蕎麦、ないものをもり蕎麦とは言いません。海無し県なので海苔がのった蕎麦は無いのが普通です。ここの蕎麦は、とにかくコシが強い。歯の悪い高齢者は難儀するかも知れません。量はたっぷり300gぐらいあるのではないでしょうか。食べごたえがあります。大盛りにしても+150円と良心的。おしぼり蕎麦もお勧めです。天ざる蕎麦950円はリーズナブル。天ぷらも美味です。郷土料理のおとうじ蕎麦もお勧め。父はお斎(葬儀の後の宴)でも供されるおとうじ作りの名人でした。そば店の隣ではおやきも売っています。
 あと一軒行くとするなら信濃町の「そば処 おがわ」ですね。以前ブログで紹介したことがあります。東京の下町出身のきっぷの良いおかみとの話もなごみます。幸運ならば頭も骨も食べられる旨いイワナの焼き物がいただけます。漬物も女将の手作りで美味です。実はこの10年ぐらいで信州蕎麦のレベルは信じられないぐらい上がったのです。
 正直言うと90年代とかは家族で帰省して軽井沢や戸隠、善光寺界隈の名店といわれる店を訪れましたが満足できる店はほとんどありませんでした。東京の更科や砂場の名店と比べると蕎麦は旨くてもつゆが駄目とか、薬味がなんで玉葱なのとかでした。それが、現在は江戸前の蕎麦を上回る店がいくつもあります。蕎麦は、ひきたて打ち立て茹でたてといいますが、地の利を生かしてそれを最大限に生かした店が次々に生まれたのです。北信だけでなく、上田や安曇野、松本や木曽のスンキ蕎麦、伊那の高遠蕎麦、青木村のたちあかね、長和町の韃靼蕎麦など長野県中に名店や名物蕎麦があります。飯山のオヤマボクチを練り込んだ富倉蕎麦も以前紹介しましたが絶品です。おとうじ蕎麦という摩訶不思議な郷土料理もあります。

 産直コーナーへ。ジビエの鹿肉ジンギスカン。これは食べたことがあるので、一番左の鹿肉唐揚げを買いました。正月に息子達といただきます。サフォーク羊は超絶美味ですが、高価なので断念。ムサシヤのレストランか、さぎり荘で召し上がって下さい。羊肉に対する概念がひっくり返ると思います。

 国道19号へ出る犀川の橋の手前にある「信更いっぽ工房」おやきで有名な店です。包おやきは、小川村の灰焼きおやき、焼いてから蒸すもの、我が家の様に青紫蘇の葉やミョウガの葉で挟んで蒸すもの、ここの様におまんじゅうの様に蒸すものと色々あります。そのどのやり方も皆美味しいのです。ここも次々と訪れていました。30個とか買っていく人も。お勧めは定番の野沢菜、ナス、切り干し大根、かぼちゃ、あんこあたり。すべて150円です。

 県道70号を山を超えて戻ります。くねくねと道幅が狭いところもありながら実は交通量が多いので対向車には要注意です。長野県宝の木造金剛力士像がある長勝寺へ。紅葉の里山の向こうに鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳。

 鮮やかな紅葉と本堂。本堂は扉が閉まっていますが開けて参拝することができます。絵馬の奉納ができます。

 真言宗豊山派 仁王山長勝寺の本堂内部。ご本尊は大日如来。

 阿吽の仁王像。鎌倉時代中期の作で長野県宝に指定されています。この仁王門の先には本堂はなく、遠く虫倉山が見えます。言い伝えによれば、犀川対岸の虫倉山の麓に建つ「廣福寺」が飢饉続きの困窮でこの仁王を売却し、牛車で移動していたところ、仁王の天罰か、牛が倒れ進退窮まった際に長勝寺の住職が引き取ったという。そのため長勝寺の仁王門は、今も廣福寺の仏を守るため、長勝寺の本堂ではなく対岸に通じているのだという。すぐ下の広場の四阿では、地元の老人たちがバーベキューをしていました。本当に眺めのいい古刹です。

 本堂に入ってすぐ左に鎮座する賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)。善光寺にもあるおびんずるさん(なでぼとけ)です。自分の体の悪いところや良くなって欲しいところを撫でると良くなるというありがたい尊者。

 途中の湧池の紅葉。里山の紅葉もそろそろ終わりです。

 信更赤田の里山風景。ひと月後ぐらいには初雪も降るでしょう。しかしここは豪雪地帯ではありません。この西山地区は、東京白金のスイーツの名店があったり、美味しいベーカリーやピザ屋さん、ハムの工房とかが点在するのです。

 今回のお土産。左はいっぽ工房の野沢菜、ナス、キノコ、あんこのおやきと唐辛子。右は道の駅で買ったかくてきと生芋を使ったコンニャク。そして、鹿肉の唐揚げです。正月に息子達といただこうと思います。返ってあんこを食べましたが、皮の香りが酒まんじゅうの様です。ただ私には砂糖が感じられて好みではありませんでした。祖母や母、妻は野菜の甘味や麹味噌の甘さや旨味を大事にして砂糖は使いませんでした。砂糖を入れると味がくどく下品になります。現代人は砂糖のとり過ぎで自然の旨味とか甘みを感じる感度が低くなっていると思います。

 私の冬の到来を知らせる料理。牡蠣とスギヨのカニカマ、小松菜と、天然キノコ4種の鍋焼きうどん。キノコは、クリタケ、ハタケシメジ、ムキタケ、ヒラタケです。キノコの味が強いので、出汁はアゴ出汁にイリコ出汁です。体が芯から温まります。

 信州の郷土料理の「おしぼりうどん」。といっても旧埴科郡と旧更級郡だけで食べられてきた古くからある伝統食です。本来は激辛のねずみ大根とか地大根の絞り汁を使うのですが、ここ2年ぐらい辛さへの耐性が低くなってしまったので、やや辛味の少ない青大根、別名中国大根(江都青長)を使いました。生食用の大根で、辛味もありますが甘みも強い大根です。信州味噌をといて花鰹や葱を薬味にいただきます。北信州の坂城町、千曲市、戸倉上山田温泉、篠ノ井、松代には、おしぼりうどんを食べさせてくれるお店が何軒かあります。北信州に冬来られたらぜひ食べてみてください。東京でも信州郷土料理のお店で出すところがあります。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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ワイン用ぶどうの収穫と仕込み。メルロー・シラー・スチューベン(妻女山里山通信)

2022-10-13 | 男の料理・グルメ
 ワイン用ぶどうの収穫と仕込みに集まりました。ぶどうは日本では生食用が一般的ですが、世界では生産量の80%がワイン用だそうです。

 収穫の方法や手順の説明を聞いて作業開始。ここはフランスのボルドーでもチリでもありません。信州の上田市です。

 拙書「信州の里山トレッキング 東北信編」川辺書林の表紙にもなっている子檀嶺岳(こまゆみだけ)。ルビがないととても読めない山名の由来や歴史も説明しています。山頂は真田の山城です。全国からハイカーが訪れる人気の山。
子檀嶺岳 花と歴史のトレッキング(妻女山里山通信):下山後は、国宝大法寺の三重塔(見返りの塔)に参拝して別所温泉がおすすめ。

 拙書では載せられませんでしたが、仲間と登ったこれも歴史の山、夫神岳。近くに女神岳も鎮座します。
上田市塩田平、別所温泉の後背にそびえる雨乞いの山、夫神岳トレッキング(妻女山里山通信):戦没画学生慰霊美術館「無言館」へもぜひ。

 メルロー(Merlot)です。フランスのボルドーを原産地とする赤ワイン用ぶどう品種です。カシスやブラックベリーなどの濃厚な果実味を持ちながら、シルキーなタンニンを持つ滑らかな味わいを特徴とするといわれています。

 こんな風に横に移動しながら収穫していきます。ワインは、日本酒やビールと違って水を使わず果汁のみで作るので、ぶどうの品質がそのままワインの品質になります。

 収穫したぶどうは、選別作業で虫食いや腐っている実、病気の実、未成熟な実などを取り除いていきます。根気のいる作業です。周囲をコガタスズメバチがたくさん飛び回っています。ぶどうに取り付いて一心不乱に食べています。手で追い払ったりしなければ刺されませんが、鬱陶しいです。鹿よけの高圧電流の電線もあるので、うかつに触れると感電します。作業中は電源を切ってますけどね。

 処理したぶどうをトラックに積み込みます。手前はスチューベン。東御市にある醸造所へ向かいます。

 醸造所のTSUIJI LAB(ツイヂラボ)へ。醸造責任者(CTO)は、J.S.A ソムリエの須賀さん。ぶどうを運び込みます。

 ぶどう園オーナーのK氏の満面の笑み。美味しいワインができるといいのですが。義父がホテルオークラのグルメ関係のエンタープライズの社長をしていたり、私自身土井善晴さんや平野レミさん、ジュディ・オングさんなどとグルメ関係の仕事をしたり、妻がやっていたプランタン銀座でのカフェメニュー教室のバックアップをしたり、料理本を監修したりメニュー制作をしたりと関わってきたので、ピンからキリまで色々なワインを飲んできましたが、ワインは本当に難しい。高くてもう〜ん好みじゃないなとか、安くて東欧の古いワインが驚くほど美味かったり、円高の時の南米放浪で買ったチリの2000円ほどのワインが(レート換算では2万円ほど)、びっくりするほど美味かったり。醸造酒でもワインは本当にバリエーションが豊かすぎて広すぎて深すぎて、ブラックホールに吸い込まれる気分です。
MORI MORI RECIPE・男の料理:信州の新郷土料理に、世界の郷土料理やアウトドア料理を、時に大胆に時に繊細に「男の料理」にアレンジ。
マリングルメ(美味しい愛情レシピ):妻のレシピ集。デザートが必見です。エコールプランタンの講座の料理とデコレーションも。

 処理作業に入ります。

 ぶどうの房から果梗を取り除き実と分けます。これが一般的ですが、除梗しない全房発酵(ホールバンチ・ファーメンテーション)というやり方もあるそうです。うまいこと分かれるもんだなと感心して見ていました。

 最初は自重で絞り、最後に何度も圧力をかけて静かに絞ります。できたジュースを飲ませてもらいました。前回のメルロー100%のものに比べると、華やかな甘さだけではなく、酸味や渋みが加わって味の輪郭もはっきりしていました。どんなワインが出来上がるかとても楽しみです。実は我が家は明治時代は酒造免許を持っていて葡萄酒を作っていたそうです。

 作業が終了して機械を洗ったり。私も昨年春までナショナルブランドの食品メーカーで働いていたので、作業後の洗浄の大切さと大変さはよく知っています。あと異物混入には非常に神経を使いました。非常停止ボタンを押したことも何度かありました。外国人の教育係もしていたので、英語やらポルトガル語やらを駆使してけっこう大変でした。今もタイやフィリピンのお姉様方とは交流があります。

 今回お土産にいただいた果実。秋映とシナノゴールドにスチューベン。最近はシャインマスカットばかりが注目されていますが、在来のぶどうも充分に美味しいのでおすすめです。敷いてあるセミ模様の布は、プロバンス地方の伝統柄です。ヨーロッパでセミが鳴くのは南仏のプロバンス地方だけ。セミは平和の象徴で、魔除けの意味もあるそうです。

独立行政法人 酒類総合研究所 ワイン醸造技術まとめサイト:ワイン醸造に興味のある方はどうぞ。

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ぶどうの摘み取りとジュース作り。5反歩3トン収穫の稲刈りで体ボロボロの秋日。スペアリブの中華おこわを作る(妻女山里山通信)

2022-10-04 | 男の料理・グルメ
 2日に渡って農作業をしました。なかなか厳しい作業で体が疲労困憊。トラブル続きでしたが、なんとか無事に終えることができました。暑さに加えて、セイタカアワダチソウやオオブタクサの花粉症で参りました。

 1日目の午前中は、ぶどうの摘み取りとジュース作り。本来ならばかなりの収量が期待できるはずでしたが、病気が発生してしまいほとんど全滅。病気になった実は全て摘み取って土に埋めます。

 なんとか収穫できたぶどうの実を摘み取り、ジュースにします。ところがこのジューサーが不良品でトラブル続き。まあなんとか10リットルぐらいは絞れました。メルロー100%のジュースは濃厚で美味です。お昼を食べて稲刈りへ。有機栽培の野菜は普通に売られていますが、果物はほとんど見たことがないと思います。ぶどうは11回ぐらい農薬散布をするのが普通です。種類によっては有機栽培が可能なものもありますが、かなり高度な技術や経験が必要です。
有機栽培が可能な果樹

 手前の田んぼは稲刈りが終わっていて、藁を束ねる仕事があります。その向こうに大小二つの田んぼがあって稲刈りをします。更にもう二ヶ所ありあり、全部で5反歩。これを三人でこなします。最高気温が28度。直射日光がすごくてクラクラします。機械化されたのでなんとか三人でもできますが、昔は家族親戚総出でやったものです。

 コンバインの出動。その前にコンバインが回転できるように田んぼの四隅を稲刈り鎌で刈ります。この秋は台風が来たので稲が倒れています。コンバインで起こしきれない稲もあって、実こぼれもけっこうあります。でも無駄にはなりません。スズメや鳩などの餌になります。おとぎ話に「舌切り雀」というのがあります。「無慈悲な行いをしたり、欲張るものではない」と諭す話です。現在の大企業のCEOや政治家が絶対に読むべき話です。かの葛飾北斎も描いているほど有名な話。

 籾米がいっぱいになるたびにパック詰め。だいたい一袋30キロ。小さなカエルが稲の中にいて、刈るとピョンピョン出てきます。アキアカネが交尾しながら飛んでいます。オニヤンマもけっこう見られます。

 藁は5束ずつ結んで立てて乾燥させます。これがけっこう根気の要る辛い単純作業なのです。これを切り藁にして畑に撒くのです。麻紐で縛るのにもコツがあって、二重に巻いて縛る時に一本目の紐の下にも通して引っ張ると緩まないのです。ちょっとしたコツですが、作業スピードが全く違います。午後4時過ぎに作業を終了。籾米を乾燥機にすべて投入しました。ひとりが用事で帰ったので二人で1.5トンぐらいを投入。腰が死にました。

 翌日は10時集合で作業開始。大小の田んぼが終わったので、コンバインをユニックに積んで別の畑に移動します。このコンバインの積み下ろしが非常に危険なので気を使います。コンバインが故障したりトラブルが発生しましたがなんとか終了。午後の田んぼの藁は束ねず、全て切り藁にしました。腐ったらそのまま耕耘して肥料にします。

 三人で乾燥機に1.5トンを投入。一袋30キロぐらいあるので大変です。コルセットをしてきました。籾米は必要に応じてその都度12キロぐらいずつ7分づきで精米します。炊き方は土井善晴さんが推奨しているやり方で。有名なブランド米に負けない味に炊きあがります。コイン精米機で精米したあとの籾殻はもらえます。これで燻炭を作って果樹や野菜栽培に使うととてもいい肥料になります。

 乾燥機で一晩乾燥させてできあがり。終えて帰ったのが5時40分。日没後です。全身疲労と筋肉痛で、温泉に行くずくもありませんでした。寿司とビールを買って帰宅しました。来週あたりに別のぶどう畑での収穫。その後にはキノコ狩り、山仕事とこなして行きます。

 翌日は完全休養。温泉に入ってこのブログ記事をゆるゆると制作。時間があるので、スペアリブの中華おこわを作りました。スペアリブは、生姜大蒜葱ペーストと牡蠣ソース、醤油、酒、胡椒でマリネしておきます。仲間と栽培した乾燥椎茸をもどして、その汁で炊きます。餅米にうるち米を少し加えて水に浸してザルにあげて1時間おきます。炊飯器に米、椎茸の戻し汁、中華出汁、五香粉、酒、味醂、長ネギ、椎茸、スペアリブを入れて早炊きします。仕上げに塩茹でした枝豆を散らして完成。馬鹿旨です。

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27度の炎天下で稲の筋蒔き作業に勤しむGWの週末。妻女山のイカリソウ、ガマズミ、山藤の花(妻女山里山通信)

2022-05-08 | 男の料理・グルメ
 最高気温は27度というのですが、昼に車の温度計を見たら30度でした。やれやれ。米作りの基本は、まず苗作りです。筋蒔き作業をしました。この時期、農家は野菜の苗の植え付けやらで大忙しなのです。その野菜もほとんどF1種になりました。採種ができないハイブリッド。伝統野菜の様な不揃いだけれど旨味や奥深い複雑な味はありません。スーパーに並んでいる野菜は、伝統野菜以外はほとんどが偽物です。その違い知らない人がほとんどでしょう。特に早生種は栄養も半分以下しかありません。長野県は伝統野菜を奨励しています。
信州の伝統野菜

 培養土に殺虫剤を入れてよく混ぜます。使わないのが最善ですが、ネキリムシなどの最小限の対策です。ネオニコチノイド系やグリホサート剤を使うのは以ての外です。畑や庭にラウンドアップなどのベトナム戦争の枯葉剤由来の猛毒の農薬を撒くのは自殺行為です。奇形、癌、脳の発達障害、多動性障害など、ありとあらゆる疾病を引き起こします。欧米ではすでに製造販売が禁止されています。日本政府は国民の命を守るという使命を放棄しています。薬害事件で検索してみてください。サリドマイド. スモン. 薬害エイズ. CJD(薬害ヤコブ病). 接種禍. クロロキン. ソリブジン。そして新型コロナワクチン。自分で調べないと我が身も愛する人も守れません。

 ポットに培養土を入れていきます。作年は124枚でしたが、今年は190枚弱と増えました。米は縄文時代後期から日本人の生命を支える要でした。

 ポットに籾を入れて覆土をかける機械です。できたものをトラックに積み込みます。

 苗床に運んで、まずまず根切シートを敷きます。その上にポットの種籾を並べていきます。腰に負担のかかる作業です。

 保湿、遮光のラブシートを被せます。これをピンで止めていきます。暑いです。安全で美味しい米ができますように。

 アーチを作り、寒冷紗をかぶせてクリップで止めていきます。これで作業はほぼ完了です。学習能力がある様で、毎年作業が手際良くなっています。作年より60枚増えたのに、作年とほぼ同じ時間に終了しました。

 ポンプで用水から水を汲み上げます。タイマーをセットしてあるので、早めの昼食にラーメン大学へ。てんほうと共に信州ローカルのラーメンチェーン店です。

 妻女山ではイカリソウが咲き始めました。漢名はインヨウカク(淫羊霍)といいいますが、その昔、一日に何回も交尾するヤギが、この草を食べていたという故事によります。イカリインという強精強壮成分を含みます。

 ガマズミの花もあちこちで咲き誇っています。作年は作り損なったガマズミ酒を今年は作ろうと思います。山ではオオルリの鳴き声も聞こえます。まもなくカッコウやブッポウソウも鳴くでしょう。陣場平ではウスバシロチョウが舞い始めました。アサギマダラも。

 山藤の花もあちこちで咲き誇っています。陣場平では樹木保護のためにすべて切っていますが、咲く姿は美しい。ただ取り付かれた木はたまったものではありませんが。藤の花の砂糖漬けやジャムに、豆も炒って食用になりますが、マメ科の植物はレクチンの有毒成分を含むので、過食は禁物です。大豆にも含まれています。

 妻女山展望台からの長め、右に飯綱山、左に戸隠富士の高妻山。手前に南長野運動公園。8日は、松本山雅と長野パルセイロの信州ダービーが行われます。熱い熱い戦いが繰り広げられるでしょう。私も昔はサッカー小僧だったので、胸が踊ります。地元のパルセイロを応援しますが、松本山雅も最初は応援していたので頑張って欲しいです。在京時代はFC東京を応援していました。息子たちもサッカークラブに在籍していたので、家族でよく日本代表の試合を観戦しに行きました。信州が、こんなサッカー県になるとは、当時は全く考えられませんでした。両チームともにJ2に、J1に上がり、そこで信州ダービーをしてくれたらというのが私の夢です。そして日本代表に選ばれる選手が出る夢も。

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妻女山里山デザイン・プロジェクトは椎茸の駒打ち作業。桜はいつしか満開に(妻女山里山通信)

2022-04-10 | 男の料理・グルメ
 今回の妻女山里山デザイン・プロジェクトは椎茸のホダ木に種駒を打ち込む作業をしました。妻女山の桜はあまりの暑さにいつしか満開になっていました。数日前までストーブが必須だったのに、今日は半袖でも暑いくらい。信州の春は短く、あっという間に初夏になります。梅と杏と桜が同時に咲いています。桃も開花したそうで、次の週末には満開でしょう。レンギョウやユキヤナギ、木蓮も満開です。

 長坂峠の斎場山と陣場平の分岐に標識を立ててほしいという希望が多かったので、N氏に作ってもらい立てました。これでこの分岐で迷う人はいなくなるでしょう。

 次いで陣場平の積石塚古墳にも標識を立てました。

 本題の椎茸のホダ木を運び下ろします。

 軽トラ二台に積んで下ろしました。太いので相当重く、けっこう大変です。

 駒打ち用のビットで穴を開けて行きます。今回は1000駒を打ち込みました。

 打ち込んだホダ木を馬に立て掛けます。

 A氏が家から果樹の消毒用のタンクに水を100リットル入れて持ってきたので、ホダ木に散布します。

 その間に、息子に桐の倒木の処理をしてもらいました。枯れて水分が抜けているので、太くても片手で持てるほど軽いのです。邪魔なハリエンジュの木も伐採してもらいました。

 妻女山には、桜を見に来た人や、鞍骨山までのハイカーの車がたくさん。鞍骨山から、女性のグループが下りてきたので、貝母の話などをしました。以前案内したことのある人達で、貝母も見てきたそうです。他にも顔見知りが数人来ていました。15日以降に見頃になるでしょう。お近くの方はぜひおいで下さい。来週末からできるだけ現場で案内をしたいと思います。

 12時半頃に作業は終了。お待ちかねの昼餉(ひるげ)です。まずノンアルコールビールで乾杯。ウクライナの話や、今後の作業の話など。最高気温が28度になった様ですが、山は快適です。最初に貝母を発見してひとりで整備をはじめて三年目に亡くなった堂平大塚古墳の持ち主のKさんが手伝うよと、現メンバーも参加してくれて10年。彼らの力がなければ、ここまでの成果はあげられませんでした。感謝とともにこれからも頼むよと。そして息子には、後は頼んだよと。

 私が作ってきたニシンのアヒージョ。美味いと好評でした。今回はオスで白子入り。ニシンは、エルブ・ド・プロバンスとマジックソルトで下味をつけ白ワインと白胡椒をふりかけてマリネしておきます。

 メインディッシュのパエリア。私が調理担当。海老、蛸、帆立貝、鶏肉、パプリカ、タマネギ、ニンニク。米は自家製米でアルデンテに仕上げました。これは大成功。激旨でした。この鍋は、我が家に昔からある南部鉄の焙烙(ほうろく)鍋で、祖母や母がこれで大豆を炒ったり、おやきを焼いたりしたものです。
 次はGW頃に、ノイバラの除去や帰化植物の抜き取り作業などをします。その後に稲の筋蒔き作業もあります。

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2年ぶりに信州糀味噌の寒仕込み。手作り醤油と大豆ペーストと呉汁を土産に。大豆ハンバーグを作る(妻女山里山通信)

2022-02-19 | 男の料理・グルメ
 2年ぶりに信州糀味噌の寒仕込みをしました。前夜に雪が降ったので寒いです。3年前は、大きな釜で二つ作ったので、まだ食べ切れていません。というわけで今回は釜ひとつだけ。乾燥大豆で20キロ弱です。茹でると2.5倍に膨らみます。

(左)仕込みの二日前に釜を洗います。(右)一応油を塗っておいたのですが、かなり錆びていたのでサンドペーパーで落としてから洗います。

(左)大豆をバケツに入れて水洗いします。(右)浮いてきたゴミを流し、ある程度きれいになったらザルに移して水をかけて仕上げの洗いをします。大豆はサポニンが含まれているので水をかけると泡立ちます。同じマメ科のサイカチの実は、昔は石鹸の代わりに使われました。洗った大豆を釜に入れ、一晩水に浸します。翌日の夕方に火入れして炊き上げ、一晩熾き火で蒸らします。

 寒仕込みの当日。森将軍塚古墳。前夜に雪が降ったので里山も白くなりました。もう雪はいいです。

(左)大豆は前回より上手に炊けていました。2年前は茹ですぎて味噌も緩くなってしまいました。今年は上出来です。(右)水気を切ります。

 古い年代物のミンチマシーンで豆をペースト状にしていきます。前回は緩すぎてビール瓶の底で押さないと下りていかなかったのですが、今回はスムーズに出てきます。

(左)こんな感じで出てきます。モンブランみたいです。(右)この大きなザル山盛りで4杯分。

 分量分の作っておいた塩麹をよ〜く混ぜます。

(左)よ〜くよ〜く混ぜないと駄目です。(右)混ざったら味噌玉を作って味噌専用のバケツに叩き入れます。そして上から抑えて空気を抜きます。旧盆が過ぎた頃から食べられます。カビない様に上にラップを敷いて空気を抜き、冷暗所で常温保存します。

 少ないので2時間弱で仕込みは終了。昼餉です。ノンアルコールビールで乾杯。

 ゴミではありません。上のカットで分かる様に、一応お好み焼きです。N氏がひっくり返すのに失敗してぶちまけてしまったのです。生地は幻の小麦粉いがちくオレゴンを4割にとろろを6割。全卵4個に炒り粉とアオサ海苔。A氏のりんごが美味です。地大根の手作り漬物も。N氏が鶏の砂肝と軟骨を炒めておつまみに。牡蠣とイカのマヨネーズ焼きも作ってくれました。ひと通り食べ終わった頃に、用事で遅れたS氏が到着。

 最高気温は5度になるというのですが、北風が寒い。午後は少し晴れたのですが、なんと長野県北部に大雪警報が出ました。午後1時過ぎに解散。各自N氏に手作り醤油を一升瓶でもらい、余ったペーストと呉汁を分けました。塩麹が足りなくなって余った大豆ペーストはどう食べたらいいと言うので、ソイミートとしてハンバーグやコロッケにすると美味いよと言いました。呉汁はどうしましょう。柿の木に肥料としてあげようかしら。さてさて、大雪にならないといいのですが。

 その余った大豆ペーストをソイミート(代替肉)としてハンバーグにしました。前回は、マジックソルトやケイジャンスパイスで洋風にしたので今回は和風に。大豆ペーストに、玉ねぎ、人参、ヒジキ、クコの実、煎りゴマ、卵。手作り信州麹味噌、片栗粉、本味醂、キビ糖、鰹出汁粉、コショウで味付け。よく練って成形します。具を炒めてないので、蒸し焼きにしてから焼き目をつけます。非常に軽くて旨味がたっぷり。そのままでも美味しいのですが、おかずにするにはやや塩気が足りないので、N氏からもらった手作りの醤油を少しかけて。これははまります。鶏挽き肉とかアジの焼きほぐしとかを混ぜ入れてもいいし、衣とパン粉を付けてコロッケにしても美味しいと思います。

三連休は、信州人のソウルフード。手作り信州糀味噌の仕込み。手作りの馬鹿旨昼食(妻女山里山通信):2019年の仕込みです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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野沢菜漬けと冬野菜の炒め物で作るチャーハンとはさみおやき。長芋のパンケーキ。ノリタケのボーンチャイナ(妻女山里山通信)

2022-01-26 | 男の料理・グルメ
 手作りの野沢菜漬けも乳酸発酵してきました。ラブレ菌とかいうそうです。2月になると発酵が進み酸味も出てきます。京都のすぐき漬けや木曽のすんき漬けの様に。この善玉菌は、腸の働きを活発にしたり、病気の感染を防いだり、消化管の免疫力を高めてくれたりします。その結果、便秘解消や肌のトラブル解消、病気予防、疲労回復、老化防止などの効果があり、それが長野県が長寿県であることの一因になっているとか。善玉菌や豊富な食物繊維に加えて、ナトリウム、カリウム、亜鉛、ビタミンA、βカロテンなどが豊富に含まれています。

 そんな年を越した野沢菜漬けで作るのが、野沢菜炒めです。野沢菜だけでもいいのですが、今回は冬野菜の甘い人参と大根と合わせて。野沢菜は一度水に漬けてすぐ絞り少し塩分を抜きます。人参と大根は突きます。味付けは、干し小海老、鰹出汁粉、炒り粉、ホタテパウダー、本味醂、コショウ。炒め油はゴマ油と紅花油。このまま白飯にのせても常備菜として美味しいおかずになりますが、色々な料理に使えます。
野沢菜福建炒飯:以下全てオリジナルレシピです。

 野沢菜と冬野菜炒めを使ったチャーハン。乳酸発酵した野沢菜漬けと雪中冬野菜の甘さと旨味でスプーンが止まりません。米は仲間と作ったコシヒカリです。

 もう一品は別の日に、はさみおやきの具にしました。皮は日穀製粉のホームラン粉にとろろを同量入れます。こうすると軽くなり胃もたれしません。他には炒り粉、卵、日本酒を入れ混ぜます。水は粉の半量が目安。耳たぶより柔らかいくらい。26センチのフライパンにゴマ油と紅花油とかを入れ、粉を半量敷きます。具をたっぷりとのせて残りの生地で覆います。フタをして中弱火で6分。上が少し固まり始めたら、エイヤッとひっくり返します。またフタをして6分で出来上がり。
 ここで食器好きの方は気がついたと思うのですが、皿は美大生時代に国立のやま芳という陶磁器店でバーゲンで買ったノリタケのプリマストーンの27センチプレート。今回調べたら8500円で売っていましたが、当時は二つ買ったのですが、ひとつ1000円ちょっとだったと思います。思い出しました。この皿は手作り餃子で頻繁に使いました。26センチのフライパンで餃子を同心円に並べて作ると、32個がのるのです。餃子専用プレートでしたね。これを食べざかりの息子達のために三皿分作りました。余った分は水餃子にしたり(中国人は逆ですが)。我が家は餃子の日は中国人の様に餃子しか食べなかったのです。包むのも家族全員で作ったので週末の料理でした。
切り干し大根と野沢菜漬けのおやき

 その長芋のとろろ100%のパンケーキです。我が家の定番料理でした。具や油、調味料を変えると和洋中華エスニックなんでもできるのです。油や塩分を抑えると離乳食にもなります。写真のものは、ベーコン、みじん切りの長ネギ、すりおろし人参にマジックソルト、白出汁麺つゆ、コショウで味付け。油はオリーブ油と綿実油のブレンド。やや多めで強火で一気に作るのがコツ。焦げがついたら混ぜて中に入れ、まとまり始めたら混ぜずに両面をカリッと焼きます。中はフワフワ。皿はノリタケのスリランカで、後述します。バックに敷いてあるレースですが、うん十年前にブラジル、アマゾン、ボリビア、アンデスを200日放浪したときに、ブラジルの中部の世界遺産の美しい古都オリンダで買った椰子の繊維も使って織ったレースのテーブルクロスです。在京時代は円形のテーブルに敷いて上に透明なビニールクロスを敷いていました。ブラジルの甘いショリーニョが聞こえてくる様な美しいテーブルクロスです。

 冬野菜にも飽きてくると、春を感じたくなります。で、ほぼ毎年作るのが牡蠣と菜の花のペペロンチーノです。ペペロンチーノの作り方はあまりにも一般的なので記しませんが、菜の花を1分ぐらい下茹でしておくことと、最後にちゃんと乳化させることがポイントですね。皿は、これもノリタケの超人気シリーズの花更紗。

 ゴボウも和風で食べるのに飽きたので定番のサラダに。マヨネーズ、粒辛子、おろしにんにく、岩塩、煎りごま。私は粒マスタードがかなり入ったものが好みです。ベーコンソテーとサンドウィッチのフィリングにしたり、ツナとゆで卵と合わせても美味。太い堀川牛蒡だと肉詰して洋風にもできます。

 これはずっと前のものですが、春になると出回り始めるカタクチイワシを骨もまるごとミンチにして、とろろ、人参、長ネギ、ヒジキ、煎りゴマ、片栗粉、酒、卵を入れて混ぜて油で揚げます。息子達が小さい頃によく作りました。さつま揚げやしんじょは、とろろを入れると上品な料亭の味になります。魚の種類をアジとか白身魚やイカ、エビに変えるとまったく異なる料理に返信します。サーモンや塩鱈で作ってフランスパンやカンパーニュに挟むと馬鹿旨です。
手作りオイルサーディン
手作りアンチョビー

 既読の本二冊(左)と買ったばかりの二冊(右)。いずれも古書でネットで探しました。左二冊は同時に読むとよく分かります。左の『中国正史 倭人・倭国伝全釈』鳥越憲三郎著。春秋戦国時代に国の滅亡ゆえに渡来した弥生人を中国正史から紐解いています。魏志倭人伝にいわく、日本からの朝貢の者が、「我々は大伯の後(すえ)なり」と言っていることです。大伯とは古代中国春秋戦国時代の呉の開祖といわれる人物です。日本に渡来した弥生人が彼ら。『古代史の謎は「鉄」で解ける』竹村公太郎著。日本に多大な影響を与えた高句麗のことが詳しく書かれています。滅びた高句麗の人々が信州や関東にたくさん渡り定着しました。長野市の篠ノ井や東京の狛江は高句麗に由来します。海洋学の専門家の視点から見た古代の人の半島や中国本土からの移住の説明にリアリティと説得力があります。ちなみに高句麗人は、ツングース系の騎馬民族で、日本に馬産を伝えました。なぜ色々なスタイルの古墳があるのかについても言及しています。弥生時代から古墳時代にかけて、大量の移民があったということです。それは、60万人から400万人へと、当時の激烈な人口動態をみれば分かります。
『西暦535年の大噴火』。トンガの大噴火を見て買い求めました。文明の滅亡や人類史を変えるほどの大噴火が実は何度も起きていたのです。特に西暦535年の大噴火は、人類滅亡の危機といえるほどのものでした。西暦535年で検索してみてください。1、2世紀の倭国大乱や天照大御神・卑弥呼の時代にも世界的な大噴火があった様で、それが時代を大きく動かしたと思われます。
『女のいない男たち』村上春樹。珍しく小説を買いました。2月に映画「ドライブ・マイ・カー」を観に行くつもりなので、その前に読んでおきたいと買いました。私が美大生時代にアルバイトをしていた彼の国分寺のジャズ喫茶を描いた「国分寺・国立70sグラフィティ」を読んだ方は分かると思いますが、私は彼の初期の作品しか読んでいません。でも、今回は読んでみたいと思いました。

 ノリタケは、古くから欧米で人気の高級ボーンチャイナで有名な陶磁器メーカーです。貧乏美大生時代に、ボロアパートですが、食事はたまに奮発して洋食を作りました。それでお洒落な食器が欲しいとセールで買ったのです。左は、ノリタケの超人気商品の花更紗。4400円とありましたが、ノリタケのサイトでは在庫切れ。東洋風の小花模様が非常に美しい。真ん中は、NORITAKE Legendary SLILANKA。27センチ。5500円。右は、Giovanni Valentino ITARY のMOMOYAMA。どれもフルセットで揃えると15万ぐらいする高級品ですが、端物がセールに出ると結構安く買えるのです。メルカリやヤフオクでは、かなり安く買えます。妻がプランタン銀座でカフェメニュー教室の講師をしていてサポートをしていましたが、撮影のためにロイヤルコペンハーゲンとかウェッジウッドとかも買ったりいただいたりしました。現在は使われることもなく倉庫の中です。和食器も備前とか有田、明和窯赤とか色々あるはずですが、倉庫の中です。息子達がそれなりの家庭を築いてくれたら譲ろうと思っています。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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最高気温が氷点下の大寒に郷土料理の「おしぼりうどん」で温まる(妻女山里山通信)

2022-01-20 | 男の料理・グルメ
 大寒の朝、菅平では最低気温がマイナス20度だったそうです。善光寺平ではそこまでは下がりませんが、ほぼ一日中雪降りで、氷点下でした。こんな日には手打ちうどんで「おしぼりうどん」で温まろうと準備しました。おしぼりうどんは、信州の旧埴科郡と旧更級郡を中心とした極狭い地域で食べられている古い郷土料理です。なので長野市でも善光寺界隈へ行くと食べられません。北信州でも、松代、篠ノ井、千曲市、坂城と非常に限られた地域でしか食べられていない冬の郷土食なのです。その各地に名店があります。冬の北信州に来られたらぜひ召し上がってみてください。

 辛味大根の絞り汁に味噌をといてうどんをからめていただきます。薬味には、長ネギや花鰹、煎りごまなどを。辛味大根は、信州坂城の「ねずみ大根」が有名ですが、今回のは地大根の辛味大根と青大根、別名中国ダイコン(江都青長・写真右下)という中身も緑の生食用大根のブレンドです。味噌は仲間と作った信州麹味噌。小麦粉は先日友人から買った幻の小麦粉伊賀筑後オレゴン(通称イガチク)ではなく、日穀製粉のホームランです。
 辛味大根は、辛味成分のイソチオシアネートを多く含んでいます。栄養価も高く、カリウムやビタミンAやカロテンを豊富に含んでいるのです。ジアスターゼも豊富ですから、消化剤を一緒に飲んでいるようなものと良く言われます。そんなわけでお酒を飲んだあとの締めにも最適なんです。地元の人はこの味を「あまもっくら」と表現します。初めての方は、大根の辛さに驚愕するでしょうが、同時に芳醇な香りと旨味、甘さに驚かれることでしょう。漬物は私が漬けた野沢菜漬けと白菜と人参の梅風味の醤油漬け。

 小麦粉は600グラム。水は粉100グラムに対して40ccが基本です。ビニール袋に入れて踏んで畳んで踏んで寝かせてを繰り返します。左が青大根。右が辛味大根。昔は辛味大根だけでしたが、辛いのが苦手になってきたので、今回は7割が青大根です。それでも辛味はあります。

 平らに伸ばしたら6つに分けます。製麺機は、埼玉県戸田市の(株)小野機械製造所のものです。もう製造していませんが、ネットで探せば中古があると思います。

 何回か半分に折りながらのしていきます。何度も折ることでミルフィーユの様に何層にもなり、火の通りが早く均一になるのです。折らないと湯で時間がかなりかかり、外がフニャついて中に芯が残ります。

 製麺します。

 こんな感じです。六玉できました。だいたい二玉で一人分です。生麺で二玉冷凍しました。もう二玉は茹でて冷蔵。

 茹でます。二度吹き上がったら茹で上がりです。吹き上がったときにさし水をしてはいけません。火力を弱めます。信州には、在来種の地野菜がたくさんあります。大根でも長野市のたたら大根と灰原辛味大根、戸隠の戸隠地大根、坂城町のねずみ大根(中之条大根・なかんじょだいこん)、上田市の山口大根、下條村の親田辛味大根などです。地大根とは元々辛いものなのです。青首大根ではおしぼりはできませんし水っぽくて美味しくありません。おしぼりうどんは、最後に汁も全部飲みきってしまいます。心も体もぬくぬくと温まる料理なのです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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数年に一度というクリスマス寒波の長野盆地。妻女山展望台からの雪景色とぜんざいと納豆作り。蔵書(妻女山里山通信)

2021-12-27 | 男の料理・グルメ
 数年に一度というクリスマス寒波で日本海沿岸地方は各地で大変なことになっています。さぞや長野県もと思われるかも知れませんが。なお滋賀県は実は豪雪地帯ですし、その南の名古屋も遮る高い山脈がないので、こういう大寒波には雪が降ります。白馬村も山岳地帯意外はそれほど積雪はありません。しかし、年末年始の大寒波や来年になるともの凄い積雪になるでしょう。長野市南部や千曲市、坂城町、上田市などは、2月の上雪での豪雪が心配です。2014年の大豪雪がまさにそれでした。
 最後に年末買い求めた本を紹介しました。なかなかレアな本です。歴史ファンはぜひお読みください。

 27日の午前中、友人のところへ幻のイガチクという小麦粉を取りに行った帰りに妻女山展望台に寄りました。東の松代方面の眺め。あれ?雪がない!と思われるでしょう。そうなんです。大寒波の時は、豪雪地帯の飯山や信濃町は大雪ですが、長野市の平坦部は雪は舞うものの積雪は少ないのです。ただ寒い。最低気温がマイナス6度、最高気温も日が差してもマイナス1度です。

 千曲川を挟んで北の長野市中心街方面。晴れていれば見える戸隠や飯縄山は全く見えません。うっすら見える里山も雪は降っていますが豪雪ではありません。手前の畑は地温が高いのでほとんど積雪はありません。

 西の茶臼山方面。飯山方面からの雪雲が直接当たるため妻女山よりは積雪があります。茶臼山右奥にうっすらと見える虫倉山は真っ白です。

 展望台から南の眺め。右に斎場山。長坂峠を挟んで左に我々が貝母(編笠百合)の保護活動をしている陣場平。実際はもう少し奥です。手前左は、松代藩が建てた善光寺地震の供養塔です。奥に戊辰戦争以降の戦没者を祀る妻女山松代招魂社があります。ここまで一応轍はありますが、一度溶けて積雪したらスタッドレスでは登れません。猪刈りの猟師はスタッドレスにチェーンを巻いて登ります。特に春先の3月が一番危険。毎年JAFのお世話になる車がいます。

 厳寒の夜は暖かい鍋焼きうどんがいいですね。うどんはイガチクではなく地粉です。私が採った天然のクリタケ、ヒラタケ、ムキタケが入っています。他には地物の白菜、里芋、長芋など。外は零下なのにフリースを脱いでファンヒーターを止めるほど体が温まります。

(左)長男が作ったぜんざいをツイッターにアップしていて食べたくなって作りました。小豆は亡き父と作った幻の少納言小豆です。普通の小豆とは風味がまったく違います。ただ、個人で作っている人はいるかも知れませんが、市販はされていません。大納言とも違います。この旨さはお金では買えないものです。(右)仲間と作った黒大豆がたくさんあるので納豆を作ることにしました。

(左)茹でた黒大豆をタッパーに入れ発泡スチロールのケースへ。タッパーの下には2つのホッカイロ。納豆菌は、信州で納豆といえばこれ!の川中島納豆。在京時代も帰省すると土産に買って帰ったことがありました。(右)これをよく混ぜてタッパーに戻し、ファンヒーターで温めてフタをして発行させます。中の温度が38〜43度ぐらいかを度々計測して、低ければファンヒーターで温めます。結果は非常に上手くできました。見た目は右上の写真と同じです。味は市販の納豆では味わえないコクと旨味があふれています。ご飯が進みすぎるのが問題です。

 年末に買い求めた本です。だいたい絶版か古書でしか手に入らないものなので、すべてネットで探しました。
 左から、『中国正史 倭人・倭国伝全釈』鳥越憲三郎著。これが今年最も読みたかった本です。春秋戦国時代に国の滅亡ゆえに渡来した弥生人を中国正史から紐解いています。とても全てを紹介はできませんが、魏志倭人伝にいわく、日本からの朝貢の者が、「我々は大伯の後(すえ)なり」と言っていることです。大伯とは古代中国春秋戦国時代の呉の開祖といわれる人物です。
 次は、『古代史の謎は「鉄」で解ける』竹村公太郎著。内容はまさに帯にある通りです。未読。次は、『「馬」が動かした日本史』蓮池明宏著。魏志倭人伝には、日本には馬がいないと書かれています。馬が入ったのは5世紀ごろ。古墳から突然馬具が出土します。伝えたのはツングース系の高句麗の人々。信州では篠ノ井の地名の元になった帰化した豪族が朝廷から篠井性を賜り、それが篠ノ井の地名の元になっています。高句麗の人々は、関東に多く移住しました。東京の狛江市の狛は、高句麗のことです。当地では、大室の積石塚古墳群や妻女山山系の積石塚古墳群がそれです。馬産の地名として、南牧村や牧島などの地名が残っています。3つ前に載せた森将軍塚古墳の出土品にも馬具が見られます。
 『「日本』とは何か「日本人」とは何か』田中英道監修。少し突飛すぎる説もあるのですが、古代史に風穴を開ける本だとは思います。
 『西郷隆盛と西南戦争を歩く』正亀賢司著。なんと妻女山で邂逅した方の著書です。色々お話をして、この著書を紹介していただきました。戊辰戦争は当地の大問題なので色々調べましたが、西南戦争に関してはわけのわからない無益な内戦ぐらいの感想しかありませんでした。非常に緻密に取材されています。面白いです。しかし、結局なぜ挙兵したのかは、結局分からずじまいでした。思ったのは、明治維新は、英仏米の金融機関がバックに付いた作られた軍事クーデターと思っているのですが、それと西南戦争のバックにいたはずの彼らが全く見えてこないのが不思議でした。長崎のグラバーやロックフェラー、ロスチャイルドがどう暗躍したのかを解明するのが歴史家の責務だと思います。
 『消費社会の神話と構造』ジャン・ボードリヤール著。1970年代の美大生時代に彼の著書を読みました。それ以来です。資本主義やら商業主義やらに警鐘を鳴らした彼の本を、超巨大多国籍企業によって世界が破壊されそうな現代にもう一度読むべきと思い購入しました。現在はイデオロギーの時代ではありません。右だ左だと言っている人は時代遅れ。米中の軋轢も両国の経済依存度を知れば単なる茶番劇だと分かります。むしろ超巨大多国籍企業と世界市民の世界戦争が始まっていることを認識することが大事なのです。新型コロナしかり、ワクチン騒動しかり。超巨大多国籍企業の売上が、たとえば日本の国家予算と匹敵するかその業界では上回っていることを知っているでしょうか。利益を最優先する企業が、世界の政府やマスコミにロイビストを派遣し世界を支配しているのが今の世界なのです。覚醒しましょう。これは陰謀論でもなんでもありません。調べれば分かる事実です。良いお年を。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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氷雨の日に、黒大豆で作った島豆腐で、湯豆腐と純米酒で温まる。マメ科の植物は有毒が多い(妻女山里山通信)

2021-12-09 | 男の料理・グルメ
 妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで作った黒大豆が何十キロもあります。煮豆はもちろん、きな粉を作ったり、大豆ハンバーグも作りましたが、2日も氷雨が続くというので手作り豆腐に挑戦しました。
材料
黒大豆:300g
にがり液:大さじ3(固まり具合を見て適宜)
水:浸透用 850ml
水:粉砕用 1200ml

(左)材料の黒大豆。普通の大豆より大粒です。斑模様のものがあるのは、おそらく普通の大豆と交配してしまったためでしょう。(右)浸透用の水に浸して24時間置きます。割ってみて仲間で水が浸透していればOK。

(左)粉砕用の水を足してミキサーで2分間粉砕します。これを2回。生呉(なまご)のできあがり。豆腐は今から2200年前に中国で発明されました。 生呉という呼び方は、弥生人(倭人)の先祖という春秋戦国時代の呉に由来するものなのでしょう。呉汁、呉服、呉織、呉布などの言葉が令和の今も残っています。縄文人とともに日本人のルーツです。(右)鍋に入れて沸騰したら弱火にし、10分ほど煮ます。この間、焦げ付かない様に絶えずかき混ぜます。

(左)呉を巾着に入れて絞り、豆乳とおからに分けます。これはおから。夜にきんぴらゴボウと煮物にしましたが、濃厚で馬鹿旨でした。(右)豆乳を80度ぐらいに温めます。熱すぎると湯葉ができます。私は赤外線のデジタル温度計を持っているので、それでちょくちょく計測しました。温まったらにがりを回し入れます。ヘラでゆっくりとかき回してフタをして10分ぐらい蒸らします。写真の様に分離したらできあがり。豆は生では有毒です。熱を加えても極微量の毒成分は残りますが、納豆などの発酵食品にすると無毒になります。マメ科、ナス科、キンポウゲ科、ユリ科など、自然界の植物は自己を守るために有毒であることが多いのです。

(左)仲間が作ってくれた豆腐箱にさらしを敷いて、メッシュのお玉で入れます。(右)重しをして水分を抜きます。普通は15〜30分ぐらいでいいのですが、今回は島豆腐ぐらいに固くしたかったので、数時間置きました。通常は水にさらしてアクを抜きますが、今回は湯豆腐なのでそのまま。次回は固めずに汲み豆腐(おぼろ豆腐)であんかけにしてみましょうか。牡蠣のスリ流しなども美味しそう。

 翌日の夜に「湯豆腐」にしました、土鍋の底に昆布を敷き、仲間と栽培した干し椎茸で出汁をとります。茹でて柚子ポン酢でいただきました。コクがあって黒豆の味が深い。こんな豆腐はなかなか売っていない。これは病みつきになりそうです。純米酒のぬる燗がよく合います。納豆も作りたいですね。
 これも私が作ったものと仲間と作ったブラジルの黒いんげん豆「フェジョン・プレット」もたくさんあって、ブラジル料理を作るのですが、この黒大豆もテクスメクス料理のチリコンカルネとかミネストローネとか、中近東のファラフェルという豆コロッケ、インドネシアの発酵食品のテンペとかインドのダルカレー風もできないかななどとアイデアは膨らみます。
 大豆、トウモロコシ、小麦はほとんどがアメリカなどからの輸入品です。遺伝子組換え作物も。これらが使われた加工食品や菓子などもできるだけ買いたくはないですね。信州では、JAのスーパーや、普通のスーパーや道の駅の地産地消売り場などで手に入ります。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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信州の里山と畑の秋の恵み。天然キノコ、果樹、伝統野菜。伝統料理、新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2021-10-23 | 男の料理・グルメ
 信州も秋真っ盛り。紅葉は高原が真っ盛りで、里山は11月に入ってからですが、秋の恵みは今が盛りです。天然キノコに山栗、秋野菜。そして信州は果実天国です。林檎に梨に葡萄。そんな信州の個人的な秋のグルメを紹介します。新信州郷土料理は、そんな食材を使って私が提案しているオリジナルレシピです。
MORI MORI RECIPE・男の料理レシピ集・新信州郷土料理は、和洋中華があります。

 私が採ってきた天然舞茸とクリタケ、ハタケシメジと豆腐の煮物。いつもと違うカラメルの濃い醤油を使ったので塩辛そうな色ですが、割と薄味です。なにより天然キノコの出汁が物凄いのです。特に舞茸は栽培ものとは味や香りの濃さがまったく違います。尾籠な話で申し訳ないのですが、翌朝のトイレは舞茸のいい匂いで満たされます。

 昨年漬けた味噌漬けがあまりにも美味しかったので、信州丸茄子とキュウリ、地大根の味噌漬けを作りました。まず、3%の塩に浸けて一晩置きます。翌日洗って塩抜きして半日陰干しします。翌日、仲間と作った信州糀味噌に酒粕を少し混ぜて漬けます。ジップロックに入れて冷蔵庫へ。一週間で食べられますが、美味しくなるのは半年後。一年経つと古漬けになって、おにぎりの具やお茶漬けに。色々使えます。
 右は、里芋の親芋、人参、仲間と作った干し椎茸、ヒジキ、凍み豆腐、蒟蒻を、鰹出汁、炒り子出汁、昆布、鷹の爪、酒、味醂、醤油で作った煮物です。馬鹿旨。

 畑のイチジクが熟し始めました。気に入っている朝食の一品。ライ麦パンのバタートーストにチェダーチーズ、発ガン性をいわれる発色剤を含まない無塩せきロースハム(信州ハム)をのせて完熟イチジクをつぶしてのせます。ユウキ食品の刻みハラペーニョを少し。チーズとハムの塩味とイチジクの甘み、ハラペーニョの酸味と辛さがベストマッチです。これとモカコーヒーがよく合います。

 山栗のご飯。拙書でも紹介している聖山で拾ってきました。栽培栗とは味も風味も違います。小さいので処理が大変。まず洗って冷凍します。その後熱湯に浸けてふやかします。妻は魔法瓶を使っていました。野趣豊かな味です。右は、先に紹介した煮物とほぼ同じです。地鶏のもも肉を入れました。地大根も入っています。今回は醤油ではなく、仲間と作った信州麹味噌と酒粕で味付け。体が温まります。信州の里山と畑の滋味がつまった料理です。

 以前、仲間と作った黒大豆が大量にあるので、自家製のきな粉を作りました。豆がまだら模様のものがあるのは、おそらく普通の大豆と交配したからでしょう。新品種を生み出してしまいました(笑)。豆を鉄のフライパンか焙烙で10分ほど炒って、粗熱と水分を飛ばしたら、ミキサーで粉砕します。金ザルで濾してジップロックに入れて保存。カスは味噌汁にします。市販のものより香ばしく、豆の旨味もしっかりしています。安倍川餅やきな粉団子、色々な料理にも応用できます。なにより遺伝子組み換えではなく、農薬や化学肥料もほとんど使っていないので安全です。

 秋の恵みの天ぷら。左上からプランターで作ったゴーヤ。苦味が少ない種なので、綿と種も一緒に輪切りにして天ぷらに。粗塩でいただきます。右は薩摩芋の天ぷら。祖母がそうしていた様に、ウースターソースでいただきます。手前は納豆と玉葱のかき揚げ。添付の出汁醤油と辛子も入れたので、醤油を少し垂らしていただきました。たくさん作ったので、翌日に天ぷら蕎麦にしました。

 冬瓜と干し椎茸とカニカマのあんかけ中華煮。溶き卵をまわして。味付けは、台湾のホァンウェイ・カキソース・鶏がら出汁・醤油・味醂です。冬瓜は5分煮こぼして、さらに15分茹でてから他の具材を入れます。カニカマが余っていたので作りましたが、余裕があればズワイガニとか紅ズワイ、毛ガニで作りたいですね。

 最近入手して読んでいる本です。いずれも古書です。『倭人・倭国伝全釈』倭とは、漢に滅ぼされ渡来した呉や越の中国における卑称だった。その末裔は日本だけでなく東南アジアに分布。倭族論の集大成。『魏志倭人伝』以外に記述された倭とは。私がずっと追い求めているテーマです。出雲族、越の国、倭国大乱とは、諏訪大社と善光寺、古代科野国、縄文と弥生。『人口から読む日本の歴史』旧石器時代、縄文から弥生、古墳時代までの人口動態から歴史が見えるのです。
 さて明日は仲間を連れてキノコ狩りです。そんなシロを教えて大丈夫なのと思われるかも知れませんが、道もない長い藪山歩きなので覚えられないでしょう。熊も出るし。昔、親戚が遭難しそうになったところですから。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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