近年のインターネットの普及およびそれに付随するサービスの発展は著しく、日本でもネット依存に陥る人々(特に中高生の若年者)の増加が懸念されています。
2017年12月~2018年2月に実施された厚生労働省の調査では、この5年間で病的なインターネット依存が疑われる生徒は中学生、高校生ともにほぼ倍増しており、病的なインターネット依存が疑われる中高生は推計93万人にのぼります。インターネットの使い過ぎで発生した問題では「成績低下」と「授業中の居眠り」が際立って高く、不登校に陥る生徒も少なくありません。
また、過剰なインターネットの使用が原因で、うつや自殺、攻撃的行動、不安感、対人恐怖、睡眠障害など様々な精神的な問題が生じることも明らかになっています。発達障害との関連も示唆されており、特にADHDでは約8%がネット依存の疑いがあることが報告されています。
2018年6月にWHOが新たに改訂・発刊したICD-11(国際疾病分類第11回改訂版)には、新たに「Gaming disorder (ゲーム障害)」が掲載されました。しかし、日本ではまだネットやゲーム依存の治療に専門的に取り組んでいる医療機関や施設は非常に少ないのが現状です。
そのため、当院では令和2年4月よりインターネット・ゲーム依存外来を開設いたします。トレーニングを受けた医師および臨床心理士が連携し、必要に応じて各種検査や集団認知行動療法、心理士による個別カウンセリングを行い、ネット・ゲーム依存からの回復を支援いたします。
背景にADHDや精神障害が併存している場合には、薬物療法を併用することで治療効果が高まるため、積極的な薬物治療の導入も検討いたします。まずはお電話にて、初診のご予約をお願いいたします。
診療支援プログラム
集団認知行動療法(Regardプログラム);現在、第1期生を募集中です(各期10名まで)