心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

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日本の医療を変えた薬

2014年01月24日 | ブログ

日経メディカルという医療雑誌の年末年始特別版で、「日本の医療を変えた薬」という特集がありました。医師・薬剤師850人が選んだ薬剤とのことです。“精神・神経疾患”の分類では、本ブログでも過去に何度か取り上げたことのある、バルプロ酸(商品名:デパケン、セレニカ)が栄えある1位に輝きました。理由は、「幅広い適応疾患を持ち、汎用性が高い点が評価された」とのことです。また剤型が豊富(錠剤、徐放剤、散剤、シロップ)であることも、評価されたひとつの要因となっております。

確かにデパケンは抗てんかん薬であり、気分安定薬(躁うつ病の躁状態治療薬)であり、また、片頭痛予防薬でもあり、幅広い適応疾患を持っています。その作用機序は不明な点もまだ多いのが現状ですが、電位依存性ナトリウムチャンネルを阻害したり、脳内GABA濃度を増加したりすることで、様々な作用を発揮すると推定されています。