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建築を旅する

銀ぶら

2006-03-11 23:42:39 | Weblog
銀座へ。久しぶりに。
ソニービルで待ち合わせ。
隣のピアノのメゾン・エルメスと芦原先生のソニービルが仲良く並ぶ。
ソニービルは今見ても全く古びず、今だに銀座のイメージを良くしている。
あの連続するスキップフロアは今では法的に作れないと聞いた事がある。
学生時代のバイブルだった、芦原氏の「街並みの美学」。非常に感銘、影響を受けた。
建築家が書いた都市論というか、空間論としては、アレグザンダーのパタンランゲージなど有名であるけれど、匹敵すると思う。
個人的には、断然「街並みの美学」が身近でわかりやすく、まあ、日本的であるからなのだろうけど、好きである。
「街並みの美学」にも出てくる、銀座のスカイライン。
高さ規制がある程度効いていて均整が取れていると思う。石原都知事も銀座だけはそうだと言っていた。

田中一光ゆかりのギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)を覗く。半パンダは終わっていて、ちょうど「シアン展」をやってた。シアンとは、ドイツの前衛的?グラフィックデザインチーム。まあ、微妙に古い(10年ほど前)作品があって、なんとなく懐かしい気分だった。色はドイツ的、タイポグラフィー。

初、伊東豊雄のミキモト銀座ビルを見学。写真の方が感動的であった。質感が悪いのか、期待しすぎなのか。
やはり、構造体が建築を構成するデザインとしては、プラダに尽きるのかもしれない。ミキモトはちょっとインパクト薄し。

久しぶりにプランタンのファサードチェックする。おもったよりヤレテ無くて安心。
ファインリファインも覗く。相変わらずシャレておる。テキスタイル欲しい。

その後、資生堂ビルへ。地下の資生堂ギャラリーにて「life/art」の「須田悦弘展」を見る。
いやあ、面白いなあ。可愛い。木彫の花を創るのだけど、今回は、資生堂のロゴに合わせて椿になってた。
外には、本物の椿の花。良いにおい。素敵であった。

後、カフェ・ド・ランブルへ。老舗の珈琲専門店。その丁寧な仕事っぷりに感動する。非常に香り高い珈琲を頂く。
プディングも大人の味で美味し。

で、連れの友達のヤマハのシンガーコンペティション2006の決勝を観に行く。
皆、熱唱。純粋に感動。ハワイアンとかもあり、楽しく観れた。友人も暖かい感じのステージであった。

久しぶりに充実の銀座。銀座は老人が素敵に見えてすばらし。

プロジェクトブックなるもの

2006-03-07 23:52:26 | Weblog
先日のカーンは素晴らしかった。
ああいう風に超越して行きたい、車で言ったら3速で4000回転くらいをぐいぐいやる感じに潜在能力を出し切って死にたい。

プロジェクトブックって本を買った。
またぞろ、建築本。全部読めてもおらないくせに買ってしまって、尚買う。
阿部仁史が絡んでるって話である。
ぐじょぐじょした建築家がこさえそうな本であったけど、阿部氏が絡んでるって話だから…。
既に後悔した。村社会建築って感じでキツい本である。第一、本の体裁はとってるけど、どちらかというと、読み物では無くして雑多でピンの合わない安物カメラで随時ピンナップの上バラバラ思いつきで並べた様な、同人誌の様なものである。
まあ、プロジェクトブックというのだから、雑多なアイデア、雑多な生活の中から天をも突く至高の建築空間を捻り出す為のクロッキー帳の様なものだろう。阿部氏は一流であるのだから、このアイデア帳面も一流の一部なのだろう。
しかし、他人の脳みそを覗き見たような、本人、関係者各位でしか理解しがたいものであり、よーわからんのであった。
文字が縦組横組よろしく、たてよこ、まさに縦横無尽、なんだったら反転してみまひょかってグルリ反転している始末。ぐぐっ。

みかん組のスナップとかもあった。大体、なんで、みかん組はみかん組なのか?未完組?
あざとさ満点、大嫌いなチームである。

本屋で『にほんの建築家 伊東豊雄・観察記』なる物も手に取ってみた。

本より行動が大事であるな。自滅気味。

キャノンディールでサイクリングする。
8キロほど。


さっき、アマゾンで検索したら、『プロジェクトブック』が☆☆☆☆半であった!
なんで?眷属か?「疲れた時にゆったり読めます」「脳の体操」的発言あり。
「体にすっと入ってくると思います」???

マジっすか?わたしゃ生理的に受け付けないよ。
阿部氏建築大好きなのに…。

自分自身の建築家不向き?に愕然とする。
日本を飄然と去る。

ちょーキャンチ

2006-03-06 17:28:02 | Weblog
すんごいグッゲンハイムが出来る。
このところ、世界各地に展開しているグッゲンハイム。
メキシコのグッゲンハイム・グアラダハラ美術館。
テン・アルキテクトスが設計している。
それにしても、誰かの卒制みたいにすっごい立地。
こんな立地があるだけで凄い。

あと、すっごいちょーキャンチ。
手すり付けないでほしいなあ。

前川國男の建築展

2006-03-06 09:29:55 | Weblog
前川國男の建築展に行く。
昨年末から始まっていたのに、結局最終日になってしまった。
やはり、皆駆け込みらしく、ずいぶんと混雑するなかの鑑賞となった。

東京駅、ステーションギャラリー。
基本的にキュレーションと箱の大きさが良く、建築展も佳作が多い。
東京駅の古いレンガをむき出して作った内部は、情緒があり、日本の油絵作家などの展示には非常にぴったりくる。
ギャラリーと言えど、割合に広く、島で言ったら、大陸手前の感じ。原美術館と同じくらいは展示出来る。
サイズ云々と言うより、場所貸しだからギャラリーであるのかな。

その東京駅ステーションギャラリーも昨日が最終日。
東京駅改修に伴い、今後は2011年の完成に向け、5年間の休業に入る。
なので、今の雰囲気を見れるのもおそらく最後になるのだろう。

前川國男。
皆がよく知る日本近代草創の建築家。
しかし、こんなに体系立ててつまびらかに見た事は今まで無かった。
まあ実際には、コルビジェの弟子って事で、近作を見て知ってるつもりになって、積極的にはちゃんと向き合って来なかったところもあった。
大学の卒制!から、コルビジェの影響をもろに受け、そこから自分をひねり出そうとしてるかの様な若かりし頃、日本の美に見出した時代、そして、自分のスタイルを追い求め、確立して行くモダンな晩年。
意外とコンペ(しかも落選)が多く、知らない作品もかなりあった。
それは、自身のやるべき仕事を貫く姿勢を崩さずに、守るべきコンペの規範を破ってでも企画立案提出していた為でもある。

「殺されても歯を食いしばって守りとおせるだけの建築家の生活信念、それが当然、彼の作品の意匠として必ず現れる」
と話す彼にとっては、その挑戦こそが建築家の誠実であると考えたのかもしれない。
小さい事務所が世に問う方法とも書いているが、失敗を恐れず、日本の建築の可能性を広げる献身的な所作であったと思う。
日本を憂い、日本を背負って立つ気概を随所に感じた。
コンペ作は、やはり魅力的。
後年のピラミッドの連続する様な、レオポルドヴィル文化センターなど、出来そうでなかなか出来ない。素晴らしく面白い。

身近に触れる場所に沢山あるのが前川建築でもあり、公共建築を手がける建築家としては、先駆けの工夫が随所にある。

図録買ったので、前川語録をじっくり読みたい。

人間に魅力のある男らしい建築家であった。



表参道ヒルズ

2006-03-03 08:40:24 | Weblog
表参道ヒルズに行った。
表参道、ここ数年かなりな投資が行われた街。
特に、外資、まあブランドショップなのだけれど、銀座などとまた違う高級ブティック街へと向かいつつある。
プラダ、ヴィトン、ディオール、トッズ、建築好きにとっては、世界の羨望の的って位な出来っぷり。
そんな所に、負けじと世界のアンドー。

表参道は、昔のちゃらいイメージを抜きにしたら、参道らしく広々、シンメトリックに両脇にケヤキ並木で、なかなか立派なちょっと外国っぽい貴重な通り。まあ、もともと青山至近で大人な街のポテンシャルはあるし、引きがあるから建築が映える。
このところ、街自体が綺麗だし。これは、外国人投資家もビシバシフラッグシップを出したいところだろう。

で、アンドー建築。噂どおり並木に合わせた高さのファサードで、コンクリートとガラスファサードがシンプルな印象。
ちゃんと、『○参』マークの付いた既存残し風の同潤会もあり。
とはいえ、長い、非常に長い同じファサードが同一面で見えてくるのは、表参道のイメージからすると、ちょっと圧迫感と、単調さを感じてしまう。
表参道の駅を上がって、ずんずん歩くと、ようやくファサードの切れ目があり、ほっとする。
やっぱり圧迫されてたんだろうな。
ただ、建物脇は、歩道との間に小川が流れていて、それはいい感じ。
アンドー建築は、東京ではあまり無いし、京都や近畿のイメージがあるから、なんとなく京都の実家に帰った様な、心安さを感じた。そうそう、アンドー建築は、ほんとは、すごく心安い感じが魅力。

建物の切れ目、ちょっとだけセットバックしてて、入口ですと言った感じがやはりメイン入口。
大きな施設の入口にしては実にこぢんまりしており、hhstyleのアンドー館を思い出す。というか、あっちと入口のサイズはそんな変わんない感じ。

入ってみて、いきなり縦穴であった。
基本は、三角定規を引き延ばした感じの形状のボイド、5層くらいの吹抜けに沿って、街路、まさに街路がズーーッと続く感じ。その街路は、下りだと、ズーーッと左手にショップ、右がボイドって事になっている。
表参道とほぼ同じ角度だと言う事で、3度らしい。で、上から下までぐるぐる延々歩く距離が、表参道の全長と同じとかいう話らしい。こだわった所。(実は、表参道を歩きながら、ショップの中を覗いてると、時折ボイド脇通路を歩く人たちが見え、ドキッとする。同じ角度で、ちょっと奥に人が同じ様に歩いてるのが不思議な奥行き感。地底人を見てしまった感覚だった)
ともかく、アメリカのショッピングセンターとライトのグッゲンハイムとアンドーと表参道をシャッフルした様な事になっていた。
まあ、内装は、シンプルで、床がちょっと変化してるくらい。
六本木ヒルズより、リーシングは控えめとうか、親しみやすい感じで、地域性だなと思った。
でも、大人っぽさはあり、実用的なMDだと思う。

売り出し中のバイズ観たけど、今イチ。というか、あまり提案性が無かった感じがした。
まだ、バルスがやってるアジトの方がターゲット含めて解りやすい。
他と商品的にどう違うのか、解らんかった。既に持ってたりする物が多かったし、それほど高級感も無かった。
実際には、高いのかもしれないけれど、そんなに欲しい!って物は無かった。ていうか、自分が既に持ってるってことは好きなのかな?でも、積極的に嫌いなものもあったなあ。不明瞭。これからに期待なんだろうか。
CMが一番明確なコンセプトがあった。

あと、アマダナもあった。盆栽枯れそうだった。
アマダナは、なんかパクリっぽいのと、最近のごてごてと思わせぶりなデザインで、基本的に日本風ながら、日本的でない商品の精神が嫌い。見辛いアイコンは徒花感たっぷりではある。まあ、良い方向で見たら、プロダクトにファッションの個性を入れましたって事なんだろうか。一応ムサビ建築の出世頭、鄭さん。
最初に出たシンプルなテレビと、多目的リモコン、空気清浄機のデザインは好き。
マークスアンドウエブで石けん買った。

レストランは意外と少ない印象。ワインバーっぽいのが気になった。
スイーツが多い感じ。土地柄。野菜を食わせるレストランが美味そうであった。

最後に、同潤館って方に行ったのだけど、その道すがらの路地風通路がまた、非常に狭くって、とってもアンドーしておりました。素敵。TIMESの頃からその辺りのスケールは変わんないのだなと思って、嬉しかった。
因にボイド下の階段上りきったとこも、すごく狭くすぼんでいた。