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建築を旅する

札幌

2005-12-14 12:18:23 | Weblog
先週札幌出張だった。
またしても日帰り。ふぅ。
中耳炎だったのもずいぶんと良くなり、先生に相談したら、飛行機に乗っても良いとの事。
ただし、乗る前に「点鼻薬」なるものをさしなさいと。
要は、鼻用の目薬みたいな感じで、上を向いて鼻に注入する。
したたたたーーっと薬が一気に喉まで達して、それでOKらしい。

一応早めに着いたので、スープカレーとか食ってみる。
暖かくて、美味い。まあ、寒い土地だからスープ状の方がいいなあ。
しかし、寒い。ようやくダウンのありがた味を知る。
ただ、12月なのに雪がまだ無かった。これは、珍しいらしい。温暖化か。

打合せは滞り無く。

で、帰りの飛行機に少し時間があったので、大通り公園のイルミネーションを見てみる。
さすがに、北海道だけあって、スケールがでかかった。
テレビ塔の前辺りにイベントスペースがあって、ドイツ年ってこともあり、ドイツ料理とドイツビールの店なんかが出店してた。
中耳炎で、酒と湯船と唐辛子は禁止されてたけど、三週間近く経つし、ずいぶん良いと言ってもらったので、ここで解禁。

手作りソーセージ、ラムソーセージ、あと、ドイツのポトフみたいなアイスバインってスープを注文。
それに、ドイツビアーとホットワインを!

うんめえうんめえと食いました。
ホットワインもアイスバインも寒い中で最高のごちそうだった。
アイスバインには野菜とお肉の他に、たっぷり粒マスタードが入っていて、それがまた。
調子にのって、本場の札幌生ビールも。うまし。

サンタも出現して、なかなか日帰り札幌も悪くないなあ。しっかり堪能。

※アイスバインとはドイツの言葉で 「豚肉を塩漬けし、くん煙した製品、及び豚足を用いた料理をいう。」
らしい。勉強になるなあ。寒いとこで食うと美味いからアイスバイン?なのかと思った。


でっかいツリーとテレビ塔



サンタ発見!

素敵なシュテファン

2005-12-14 11:44:50 | Weblog
先日シュテファン・バルケンホール展に行って来た。
オペラシティギャラリーはやっぱり素敵。
全然知らなかったんだけど、告知のポスターを見て一目惚れ。
ドイツの作家らしく、ナムジュンパイクなんかが教授をしているハンブルク造形芸術大学で、ミニマムアートの世界に浸るらしい。が、結果その対極にある具象の世界に開眼したのだという。
「ばらばらにされて、それぞれ個別に分析されていた色、素材、形体、内容がもっている表現方法と機能を、一つの表現として経験することが重要だ」
と。

ともかく、木彫の具象でこれだけ魅力的な物を作る人を久しぶりに見た。
ざっくりとした素朴な木肌を活かした、木彫…。というか、木彫のドローイングのような、油絵のような?彫刻だと思った。
輪郭が曖昧な感じが、よけいに生命力を吹き込んでいて、みずみずしい感じ。
学生時代に彫刻家の戸谷茂雄さんの授業で、「物の表面」の境界線は何処にあるのか?みたいな哲学的な事があったんだけど、それを思い出した。ぼそぼそした表面は、空気とうまく馴染んでいる様に見える。

ともかく面白かった。みなニコニコしているギャラリーも珍しい。なんというか、微笑ましい。
しかし、当然ながら素晴らしくデッサン力と表現力があり、大小さまざまな作品が展開されている。
セッティングした人も楽しかっただろうな。
とんでもなく大きな木の切り株から、ひょっと出てくる小さな人の彫刻。
すっごいなあ。すごい。
素敵。笑える。


http://www.operacity.jp/ag/exh66.html#

オープン

2005-12-14 09:37:30 | Weblog
先日オープンしたスーパー。
地方スーパーはお金が無いもので、いかにペイントで演出するかと言う所が肝になる。
良いのは、とにかく天井が高くって、面白い事が出来る。厨房の上の天井を上げてみたり。
いろいろ試させてもらっています。

今回は、天井にドンとコントラストのある形状を入れてみた。
なかなかドンとしている。クリスマス。
















ダイエー

2005-12-13 09:03:53 | Weblog
フーディアム三軒茶屋が出来たって話なので、仕事のついでもあったので、覗いてみた。
フーディアムとは、ダイエーが再建を賭けた新業態であるらしく、これから食品に重点を置く為の試金石らしい。
ダイエーといえば、アメリカ型のでっかいスーパーセンターみたいなのがあって、あれはあれでスッゲーと学生の頃はびっくりしたけど、ようやく本来の業務に戻ったと言う事なんだろう。
自分も仕事でスーパーを作ったりする事もあるので、ここ数年ちょっと詳しくなった。
ダイエーも頼まれて一回だけプレゼした事もある。そのときはどん底に人材不足で、保守的で、結局案は採用されなかった。
言っちゃ悪いけど、だから潰れるんだと正直思った。彼らから変えようという意識も危機感も特に感じなかった。

自分が仕事をもらっている会社は4年ほど前から、アパレル系の服飾の販売を止めて、食品一本に絞り込んだ。
それが功を奏し、今やかなり売り上げも上がっているらしい。
西友もそうだけれど、3階も4階もある大きな売場を自社で建物から作っているので、大変だろう。
売り上げは食品が一番良く、それ以外はお荷物といったのが本音だと思う。
今のスーパー業界のトレンドは、自分は食の専門店として生き残り、あとは、ユニクロとかマツキヨとかと組んでSCを形成したりすることみたい。

今回ダイエーがやってるのは、そういった他社の成功事例をなぞろうという事なんだと思う。
昔はそれで十分だったんだけど、ダイエーで本もCDもスポーツ用品も買ってた時代は終わり、餅は餅屋にお任せしないと、客の深化したニーズに置いていかれるのだろう。

商品は、スーパー部門、コンビニ部門、デリ部門で買いやすく分類しているとの事だった。
たしかに、よく見ると手前がデリ、その脇がコンビニ、奥がスーパーな感じだった。
商品は、すこしアッパーなものも混ぜつつあとはノーマルな感じ。とにかく小さい敷地だから厳選しないといけないのだろう。
青果は今イチな感じ。鮮魚はわりと新鮮な感じ。デリは、やっぱり揚げ物はダメ。でもサラダなどの対面は、今の所なのか、なんとなく良さげであった。半分小分けパック、半分が量り売り。売り手に活気もありよかった。辻の方なのだろうか?

あと一応デザイン的な見地から見ると、レジがスルーレジではなく、対面式のレジ(コンビニとか銀行風)であるのが大丈夫かな?という感じを受けた。自分も前にお手伝いした都心の小さなスーパーもそのようにした事があったけど、凄く混雑するぞースタッフ大変だぞーと思った。ただ狭い敷地を有効に使うにはそうせざるを得ない時には有効ではある。成功させてほしい。
あとは、壁面を食品の品に合わせて色を変えてたり、全て点光源にしてたり、グロサリサインを工夫していた。
まあただ、見てくれはインパクトが薄かった。というか、うわ、また焦げ茶のFW-613(シートの品番)かよと、うげとなった。「お洒落風」みたいな見え透いた感じが個人的には古く感じる。もっと今を感じるデザインでも良かったんじゃないだろうか。なので残念ながら新鮮だな!素敵だな!とは言えなかった。まあ、その辺はお店ではなくデザイナーの問題だけど。
展開を見込んでか、施工精度の統一しやすさみたいなものは感じた。

ただ、効率的と言えない事を試したり、デリを辻調理師専門学校に依頼したり、スタッフのユニフォームをリストランテ風にしてみたり、挑戦的な事をしようとしていて、それはそれでダイエー自体が変わろうとしている証だと思いたい。
林文子会長は凄い経歴の女性らしい。この方がいるならば、変わりそうな予感がある。やっぱりリーダー、人だな。



姉歯

2005-12-05 08:25:32 | Weblog
姉歯問題で、日本の安全神話みたいな物がまた一つ崩されてしまったように思う。
牛海綿状脳症(BSE)などの食の安全などや、少し古いが雪印の不正などもそう。
それにJRの脱線事故。
医師や教師の不正などもある意味近いのかもしれない。
衣食住やそれに近い根幹にかかわる部分が信頼できないのは、社会システムが成り立たない事に繋がる。
そんな不安感から一級建築士などに対する免許更新などの話も出ているらしい。

これは、自分個人にとっても大きな関心事である。
医師や弁護士など、人の人生や生命を左右する職種は免許の更新や、免許取得に対する審査の厳格化は昔から誰しも思うことだと思うが、未だ更新などは存在しない。個人的には更新すべきだと思う。
建築士も人の命を預かる部分の設計をしているのだから、更新も必要かと思う。
しかし、建築士という免許が実際に社会的に効力を持っているかと言うと、実はほとんどが形骸化したものに過ぎない(一級建築士免許があるからといって、即、社会的に業種的に責任を取れる指導的立場になれるとは限らない、というよりなれない。医師や弁護士資格とは国からの報酬の保護などが無い部分も含め、全く異なる)為、建築士自体に厳しい規制をかけたとしても、姉歯の様な事件が減る事は考えにくい。姉歯はたまたま一級建築士資格を持っていただけである。
一級建築士が実際の意味で力のある資格にならない限り、建築士を縛る意味が無いと思う。

実際構造設計をする人や、建築設計をする人も一級建築士ばかりではない。
ならば建築に携わることや、建築という物に対する日本人の意識を変えないとならない。
人の生命や人生を預かる意識や、文化として芸術としてプロ意識を持つ、または持てる業種になっていく必要があると思う。


最近レーモンドの「私と日本建築」という名著を読んだ。
日本の美意識や、大工の棟梁などの技術、知識、プロ意識についての賛美が繰り返されている。
日本にはそもそも設計士は存在せず、いかにその依頼者や地域に最適に作るかという事を知る技術者がいるのみであった。
それが大工の棟梁であり、そこにはいい物を作れるから職人として認められたという当たり前の徒弟制度もある。
金沢の金箔職人が、嘘偽りではいい物が作れない様に、建築も同様の資質がないと本来作れないものであったから当然である。

ただ今は、建築という非常に莫大な金額が動く事業としての側面に着目されている部分がある。
それに建築といっても、ひとくくりに出来ないほど現在は広がりを持っているし、住宅などで無い限り一人の人間がチェックできるレベルの物ではなくなって来ている。

建築士云々という事が解決出来る問題はとっくの昔に終わっている世界なのかも知れない。

今回の姉歯問題の本質は、建築と言う物を通じ、人の人生や生命を利用してでも自分の既得権や利益を確保または増進したいという、人間の弱く黒い意識の現れであったのだし、官僚も天下りなど同様の意識から民間の検査機関を設立した経緯があることが明白なので、そもそも建築士へ意識をもっていくのは、単なるスケーブゴートなのかもしれない。

国の中枢にいる政治家が「これ以上責任が何処にあるか追求すると日本の不動産業界が破綻するので止めた方がいい」などと驚くべきと言うか、犯罪的な発言をテレビでしておるのを見るに付け、さらに根源的な責任追及をどこまでもすべきだし、そんな事で破綻する様な責任能力のなさならば、既に業界として破綻しているではないか!利用する庶民をなめるな!と強く思うところである。国の政治家は当然経済的にも世界戦略的にも日本を立ち行かせる責任があるが、そもそも何の為に、誰の為にその事を行うのか、誰から何を期待されて国政に代表として送り出されたのか考えるべきだ。政治家は(官僚も)あくまで公僕である。

様々ネットなどでも情報があるので、見てみると、民間の検査機関などは基本的に官僚の天下り先の確保を目的に作られていると思える事実が出てくる。酷い話である。

下記はその中の引用です。

【本質的な構造問題】
Q. 日本以外の先進国では、どうやって不正建築を防いでいるの?
A. 損保会社に建築設計確認を兼務させることが多いです。
  もし建物が崩壊すると損保会社が大損をするので、設計確認が厳格になります。
Q. どうして、日本では損保会社が建築設計確認を兼務していないの?
A. 日本では、損保会社が建築設計確認業務を兼ねることが禁止されているためです。
  建築設計確認業務が一種の利権となっており、
  国交省からの役員天下りや、検査担当者は元公務員であるといった実情があります。
  問題が起きても、大損もしないし、責任を負えない立場のイーホームズ等が
  建築設計確認をするという構造に、本質的な問題があります。