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建築を旅する

ムーミンの家

2006-05-21 20:32:51 | Weblog
所沢のちょっと先、埼玉県飯能市に『あけぼの子どもの森公園』というのがある。
で、実はそこにはムーミンの家の実物大があるという噂。
しかも、ちゃらいコンクリートの半端なもんじゃなく、ちゃんと木で出来た、ちょっと建築的に面白いものらしい。

これは、実際見てみるしかないなってことで行って参りました。

吉祥寺から車で約1時間半くらい。
狭山茶で有名な狭山を抜け、森や川が雰囲気のある飯能へ。

あけぼの子どもの森公園は、その川と山に囲まれた、日当たりのいい好立地にありました。
車をパーキングに入れると、もう子供子供のオンパレード。
ただ、体育館やホッケーのコートなんかもあって、市民体育センターといった感じ。

その中の見上げる森の麓に、目指すムーミン村が。


五月晴れの綺麗な風の中にこんもり茂る、見上げると迫ってくるような森の緑が圧巻。
北欧というと違うかもしれないけど、森の住人の家がありそうな雰囲気である。

ちょっと、初めてみたら笑っちゃう位、イメージ通りのムーミンの家が現れる。
漆喰の様な素材の、丸い壁と、緑化されたキノコみたいな屋根。
周りに小さな階段と、煙突もあって、ムーミン居そう!って感じ。


谷間には、山から小川がひかれていて、ムーミン村を抜けて行く。
そこ、ここに、スナフキンとかミーが顔を出しそう。


ムーミンの家の中には、大人も入れて、ちゃんと家になっていた。
地上3階位、地下1階。地下は、直接外部にも出れて、出たらすぐに小川になってる。
まあ、1階が二つある感じ。子供が水遊びに興じる。
上は、キッチンや、暖炉のあるリビング、あと、小さなベッドや小さな読書室、更には、小さな隠し部屋みたいなのもある。
壁は左官仕上、土の塗り壁風。構造は木造な感じ。天井なども全て木組で美しい。
窓は全て異形の木枠窓で、可愛い真鍮の把手なんかも付いてて、機能的。
サンタフェとガウディが一緒になったみたいな雰囲気である。
子供ダマしっぽさはまるで無く、かなり本気の建築物である。
ただ、子供は大はしゃぎ。子供だけが通れる感じのドアや通路もあって、さながら迷宮。






村には、幾つかの建物があって、ムーミンの家と、事務所やホールのある椎茸みたいな家、それから、トーベヤンソンの紹介施設の森の家。全て、個性的で、建築的にみても非常に魅力的。

ムーミンの家の屋上緑化や、椎茸の家の窓なんかを見てると、藤森照信氏の縄文式建築を彷彿とさせる。


しいたけみたいな家。一階と二階からアクセス出来、下が事務所やトイレ、二階がホールになってる。巨大な木のドアが素敵すぎ。


しいたけホールの内部。天然木の木肌が綺麗。梁の裏っかわも漆喰みたいな仕上。土足厳禁で、子供の工作室みたいになってる。


しいたけの笠部分のような屋根がずっと延びて、野外のレストスペースになってる。


屋根瓦部はスレート(?)を鱗型にくりぬいた物を使用しているみたい。手間もの。屋根にのぼっちゃダメの柵。



森の家。トーベヤンソンの紹介施設。丸太が外壁。


森の家内部。見上げは木造の綺麗な天井。トップライトが効いている。


思いがけず、非常に楽しかった。
これは、子供も大人も建築家も楽しめる、非常にクォリティーの高いものであった。
しかも、無料で、さわやかな自然の風を満喫しつつ。
都心からも、そう遠くはないので、また子供でも出来た日にゃ来たいなと思う素敵な施設でした。

因に、山の森の中も散策出来て、夏は特に涼しげで良さそう。



http://www.city.hanno.saitama.jp/akebono/index.html

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