三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより
今、県下最大の貴重な自然林、「三嶺」の森は、シカの食害によって、傷つき痛んでいます。特に、稜線部の笹と樹木の7割までが被害に遭い、枯死する樹木も増加の一途をたどっています。このまま放置しておけば、貴重な自然植生がますます失われるばかりではなく、山林崩壊、土砂流出等の危険性が高まります。
そこで、危機感を抱き、保護と再生を目指すNGO、NPOが結集して、2007年8月に「三嶺の森をまもるみんなの会」を設立しました。県民のみなさまにこの問題をできるだけ広く知っていただくために、行政とも協力して、シンポジウムや樹木へのネット巻き等を行い、少しでもこの大切な自然を守りたいと活動しています。
これまでの「みんなの会」の活動内容と成果
三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三
はじめに
人と自然との関わりのあり方が問われる時代
物部川源流域に広がる三嶺の森は、高知県下最大の原生的自然林で樹齢260年生のモミ・ツガ、
ブナ、トチ、ケヤキ等の樹木と稜線部には天然記念物に指定されているササ原やコメツツジの群落が
広がり、希少動植物も多く、生物多様性・生態系豊かな森なのである。それ故、国定公園、国指定
鳥獣保護区、国有林の保護林、緑の回廊、そして自然休養林に指定されている。保護・保全を旨と
した森林であり、人間の行為(特別な許可が無い限り開発・伐採、狩猟)は禁じられている。
その過程では「三嶺を守る会」(1975年設立)の自然保護活動が大きく寄与してきた。
人間による行為規制と三嶺を守る会の活動によって、人からの破壊はほとんど心配ない状況が
作り出されてきた。ところが、今起きていることは、遠因としては人間に要因はあるものの、直接的
にはニホンジカの急増・過剰生息によって、自然(植物)が急激に破壊されるという、これまでにな
かった自然保護問題に直面し、新たな人と自然の関わりのあり方が問われる時代となった。
「人を管理して自然を守る」時代から「自然を管理して自然を守る」時代へと変わったのである。
「やれることから始めよう、みんなの力で!」
「盤石の森」と思っていた三嶺の原生的自然林やササ原が近年のわずか3,4年でシカ食害に
よって急激にボロボロになってきた。そのスピードと規模は驚きに値するものがある。
この状況に危機意識をもった「三嶺を守る会」、「森の回廊四国をつくる会」、「物部川21の森と水の
会」を始めとするNGO、NPO8団体(現在10団体)が結集して、2007年8月にボランティアネットワーク
「三嶺の森をまもるみんなの会」を結成した。
それぞれは異なる視点の立場であっても目標は一つ、三嶺の森をまもること。
危機的状況を多くの人びとに知ってもらおうと普及啓発を進め、できることからボランティア活動を
展開し、同時に行政に働きかけていくことによって森の保全を目指すこととなった。
毎月の定例会議で課題と対策を協議しつつ、やれることから始めようと活動を展開してきた。
発足後、モチベーションの高い多様なメンバーによって、「みんなの会」の活発な活動が展開し、
行政も次第に予想以上の対策を進めるようになった。
依然として、「根治にはほど遠い」という大きな課題を残しつつも一定の成果もえられるようになった。
みんなの会設立以降、私たちは希少種保護を目的とした当初の植生保護柵(防護柵、防鹿柵)、
単木保護を目的としたラス巻き、児童対象の環境教育的活動、そして、シンポジウム・写真展等の
普及啓発を展開してきた。以下、それらの活動の概略を記し、今日の課題にふれておこう。
(次回に続く)
三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより分割転載
今、県下最大の貴重な自然林、「三嶺」の森は、シカの食害によって、傷つき痛んでいます。特に、稜線部の笹と樹木の7割までが被害に遭い、枯死する樹木も増加の一途をたどっています。このまま放置しておけば、貴重な自然植生がますます失われるばかりではなく、山林崩壊、土砂流出等の危険性が高まります。
そこで、危機感を抱き、保護と再生を目指すNGO、NPOが結集して、2007年8月に「三嶺の森をまもるみんなの会」を設立しました。県民のみなさまにこの問題をできるだけ広く知っていただくために、行政とも協力して、シンポジウムや樹木へのネット巻き等を行い、少しでもこの大切な自然を守りたいと活動しています。
これまでの「みんなの会」の活動内容と成果
三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三
はじめに
人と自然との関わりのあり方が問われる時代
物部川源流域に広がる三嶺の森は、高知県下最大の原生的自然林で樹齢260年生のモミ・ツガ、
ブナ、トチ、ケヤキ等の樹木と稜線部には天然記念物に指定されているササ原やコメツツジの群落が
広がり、希少動植物も多く、生物多様性・生態系豊かな森なのである。それ故、国定公園、国指定
鳥獣保護区、国有林の保護林、緑の回廊、そして自然休養林に指定されている。保護・保全を旨と
した森林であり、人間の行為(特別な許可が無い限り開発・伐採、狩猟)は禁じられている。
その過程では「三嶺を守る会」(1975年設立)の自然保護活動が大きく寄与してきた。
人間による行為規制と三嶺を守る会の活動によって、人からの破壊はほとんど心配ない状況が
作り出されてきた。ところが、今起きていることは、遠因としては人間に要因はあるものの、直接的
にはニホンジカの急増・過剰生息によって、自然(植物)が急激に破壊されるという、これまでにな
かった自然保護問題に直面し、新たな人と自然の関わりのあり方が問われる時代となった。
「人を管理して自然を守る」時代から「自然を管理して自然を守る」時代へと変わったのである。
「やれることから始めよう、みんなの力で!」
「盤石の森」と思っていた三嶺の原生的自然林やササ原が近年のわずか3,4年でシカ食害に
よって急激にボロボロになってきた。そのスピードと規模は驚きに値するものがある。
この状況に危機意識をもった「三嶺を守る会」、「森の回廊四国をつくる会」、「物部川21の森と水の
会」を始めとするNGO、NPO8団体(現在10団体)が結集して、2007年8月にボランティアネットワーク
「三嶺の森をまもるみんなの会」を結成した。
それぞれは異なる視点の立場であっても目標は一つ、三嶺の森をまもること。
危機的状況を多くの人びとに知ってもらおうと普及啓発を進め、できることからボランティア活動を
展開し、同時に行政に働きかけていくことによって森の保全を目指すこととなった。
毎月の定例会議で課題と対策を協議しつつ、やれることから始めようと活動を展開してきた。
発足後、モチベーションの高い多様なメンバーによって、「みんなの会」の活発な活動が展開し、
行政も次第に予想以上の対策を進めるようになった。
依然として、「根治にはほど遠い」という大きな課題を残しつつも一定の成果もえられるようになった。
みんなの会設立以降、私たちは希少種保護を目的とした当初の植生保護柵(防護柵、防鹿柵)、
単木保護を目的としたラス巻き、児童対象の環境教育的活動、そして、シンポジウム・写真展等の
普及啓発を展開してきた。以下、それらの活動の概略を記し、今日の課題にふれておこう。
(次回に続く)
三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより分割転載
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