もく窓

~良い映画と究極の手抜き料理を探して~  

大統領の理髪師

2007年04月04日 | 映画 TV・DVD
 ランク:銀  イム・チャンサン監督 2004年
おもしろかった~。
ソン・ガンホさんの作品を観たのはJSA、グエムルに続いて3本目ですが、上手いです!
ソンさんなくして、この映画はない!と思いました。
子供の頃にニュースで聞きかじった事件や、世界史の教科書に数行で書かれていた韓国の戦後のことなどを、床屋さんの身に起ったこととして映画で見て、こうだったのかと納得しました。
ソン・ガンホ演じる字も読めない床屋さんは政府に対しても近所の人に対しても強いものにはいつも頭を下げ腰を屈めて理不尽なことにもただ黙って従い、そうすることに何の疑問も持たずに生きてきたのですが、一人息子のために、大統領の葬儀の肖像画を削り取るという大胆不敵な行動に出ます。さらに新大統領(ハゲ頭は全斗煥?)に失礼な言葉を言ってしまうのです。それにより袋叩きに会いますが、床屋さんは精神の自由を得るのです。父親が自由に目覚めると息子が自分の脚で立って歩けるようになります。韓国の社会体制の変化を象徴的に描いていて感慨深いラストでした。映画のHPはここ大統領の理髪師です。韓国の歴史や文化に詳しいければもっともっと面白かったと思い残念です。韓国はベトナム戦争に軍隊を出していたんですね。お隣さんのことをイイ年をして何も知らなかったことに気付き、ちょっと勉強しようと思いました。まずは、ソン・ガンホさんの殺人の追憶から(^。^* )ゞ


リンダリンダリンダ

2007年04月03日 | 映画 TV・DVD
 ランク:銅  2005年
最後まで観てしまいました。ぺ・ドゥナ演じる留学生は先生の指導の下、文化祭で日韓交流の教室を出しますが誰も見に行ってませんでした。それぞれの歴史や文化を学ぶことはもちろん大切なことですが、一つの事を一緒にやるということが交流の確かな第一歩になるということをさりげなく伝えています。
グエムルで姉役だったぺ・ドゥナさんは、この時26才ですがマイペースで朴訥な可愛い留学生を演じています。歌は、こういうのを下手ウマっていうんでしょうね。


誰?

2007年04月02日 | 
 渡辺謙著「誰? WHO AM I?」  2006年
謙さんがSAYURIの撮影中にロサンゼルスでたまたま読んだ「明日の記憶」(荻原浩著)に感動し、映画を作り終えるまでの日記です。謙さんが本を読んだのが2004年秋のことで、2006年の5月には映画を公開しています。その間たったの1年半です。どこぞの映画は構想27年などと宣伝してましたが、映画の価値は掛かった時間やお金ではないのだと改めて思いました。本を読むとこの映画に対する謙さんの熱情が伝わってきて、もう一度映画を観たいと思いました。
本の最後に、馬が好きで、今も病気と闘っている謙さんならではの言葉がありました。「自分を労り、慈しみながら、それでも静かに鞭を自分の体に添えて(決して叩かずに)今の速度を落とさないように生きていきたい。」

NHKhiの100年インタビューに謙さんが出演するそうです。
4月12日(木)20:00~21:30   1時間半も!♪録画♪録画♪

コーラス

2007年04月01日 | 映画 TV・DVD
 ランク:銅   クリストフ・バラティエ監督 2004年
少年達のコーラスがとても素敵です♪芸術家として大成した男が死亡通知を受け取り、自分の子供時代を回想するという設定は、ニューシネマ・パラダイスと同じです。ジャック・ペランが演じるというのも同じ。火事になるのも同じ。フィリップ・ノワレとジェラール・ジュニョはちょっと似てるし、ニュー・シネマ・パラダイスへのオマージュなのでしょう。
ストーリーは音楽教師による不良少年の更生という平凡なものですが、成功者が恩師との子供時代の思い出に浸る回想形式なので暗い悲惨な場面の無い、しみじみとした温かい作品になっていました。
ちょっと気になったのですが、精神科から廻されて来た少年は必要だったのでしょうか。放火による不審火でなく、留守中のウッカリ火のほうがスッキリとして良かったのではと思いました。
もう一つ、紙飛行機のメッセージは全部拾っていって欲しかったですワ。