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もじっとの瘋癲的なブログ
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従業員に保険を掛ける

2008年01月30日 | 経済・経営学
おかえりなさい
こちらのお席にどうぞ

大学のときの同級生から、こんな相談を持ちかけられました。
「会社が僕に生命保険をかけた。何だか不安だが、こんなことあるの?」
彼の仕事場は工場ということもあり、また受取人が会社だったので相当不安だったのでしょうね

★コトッ(タンブラーを準備します)

答えは「そういう会社もある」です。
ただし従業員がケガや死んだりしたら保険金ゲットという魂胆ではありません。

会社を経営するうえでの懸念事項として「退職金」が挙げられます。
特に中小企業では、勤続年数の長い社員の退職金は経営をかなり圧迫します。
そこで、日頃から退職金用にお金を積み立てておく必要があります。

★カランカラン(タンブラーに氷を入れます)

会社がお金を積み立てておく方法は大きく分けて2つ
会社内に積み立てるか、生命保険(例えば養老保険)などを利用して会社外に積み立てるかです。

詳しい手順や計算は抜きにして、あなたの退職のために100万円用意するとします。お金を積み立てると税金が掛かります。
(厳密には税金を引かれた利益から積み立てます。)
で、残った額を簡単に試算すると…
社内積み立て:55万円
社外積み立て:77.5万円+運用益

(条件:法人税率45% 保険は養老保険で1/2損金算入可のタイプ)

★トクトク(ウォッカを45ml入れます)

例え話なのに、友達は狂喜乱舞
「ウッソマジで得した分は全部もらえんの
こらこら…僕は“あなたの退職のために100万円用意”と言っただけで、“あなたの退職のために100万円用意”とは言ってないよ?
つまり儲けた差額分だけ、退職金が増えるとは限らないのです

会社がこんなやりくりをするためには、わけがあります。
従業員が一人いなくなるということは、退職金が必要になり、労働力が下がることで生産性が下がり、求人のために費用が掛かります。
だから受取人は従業員ではなく、お金が入り用になる会社になるんです。
とはいえ、退職者に回せる金額も増えますね

★トク(レモンジュースを15ml入れます)

し・か・も
保険積み立ては経営的に、他にもメリットがあります
もし運転資金の調達がうまく行かない場合、保険を解約してしまえばいいのです
そうすれば積み立てた分が戻ってくるので、これを運転資金に回せます
(まぁ保険を解約しないといけないような経営状態なら、退職金はあまり期待できませんけどね)

★シュポン トクトク シュワー(ジンジャーエールを適量入れます)

とにかく、会社が自分を殺そうとしているわけではないことは、理解してもらえました

僕も友達同様、工学部出身で経営学には非常に疎かったのですが、いろんなカラクリがあるもんです
ん~でも知らないと損するって制度、どーにかならないもんですかね

★カランカラン(軽く混ぜます)

この記事の注意
今回の例はあくまで「こういう会社もある」ということですので、全ての会社が従業員に保険を掛けるわけではないですし、退職金が支払われるとも限りません。(退職金に関しては会社の就業規則を参考にしてください)
法令による制度の変更もあります。

★お待たせしました、モスコミュールです。
オールデイ・カクテル(いつでも飲めるカクテル)として、ジントニックに勝るとも劣らない人気のあるスタンダード・カクテルです。
使うジンジャーエールの銘柄によって、味がかなり違います。
居酒屋では比較的飲みやすいジンジャーエールを使うので、女性向けのイメージがあるかもしれませんが、僕が普段使うのはWILKINSONのジンジャーエールを使います。
炭酸もショウガの香りも強いから、慣れない人にはつらいかも
スライスレモンを沈めると、風味はより一層アップします


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