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魔女の鳴雪

2014年07月12日 | ★★★★★
『魔女の鳴雪 』
垣松けゐ (著), うそねこ (イラスト)

 
遊タイム出版 (発行)
A5判、ソフトカバー、160ページ
2010/08/01発行
ISBN-13 978-4-86010-286-9
NDC分類: 911.56

定価 :1,296円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
ふだん詩を読まない人にこそ読んでほしい。日本初?のライトポエム。

 内容(「TRC MARC」の商品解説より)
人間のように生きる魔女。天然ボケなうっかりもので、のほほんと暮らしている。でもこう見えて、2児の母!
泣いた子どもを笑わすので、精いっぱいだけど…。 魔女らしくない魔女「鳴雪」の1年を描く詩集


(巻頭詩) p.02
(まえがき) p.04
登場人物紹介 p.06
目次 p.08
一章 p.09
 卯月 p.10
 皐月 p.20
 水無月 p.31
二章 p.45
 文月 p.46
 葉月 p.58
 長月 p.69
三章 p.83
 神無月 p.84
 霜月 p.95
 師走 p.110
四章 p.121
 睦月 p.122
 如月 p.134
 弥生 p.147
あとがき p.158
奥付け p.160


萌え本分類:詩集型。
ナビゲーター: 主な登場人物;魔女の鳴雪(なりゆき)、鳴雪の養女で13歳の伊織と8歳の千縁(ちより)、ほか。

カバー表紙:タイトルは縦書きでタイトルの字色は白と紺。表裏が連続したナビゲーター3名のイラスト。
中表紙:タイトル・著者名と、背景に「座敷の縁側で寛ぐナビゲーター達のイラスト」を配する。
折込ポスター:なし。
本文:縦書き、一段組み。
構成・設定:  全頁モノクロ印刷。巻頭は一片の詩と散文のプロローグ、イラスト付きの種痘人物紹介から導入。本文は春夏秋冬の4章、各章は3つの月に別れ全体で一学年の時間が経過する。章扉には登場キャラクターのイラストが、各月内の一ヶ所に挿絵が挿入される。本文は散文詩集の形態を取り、4~5行から最長で3段40行の鳴雪の視点による散文詩、および時々は「娘たちの日記からの抜粋」で構成される。
 詩集ゆえに、索引や参考文献は附属しない。


評価:
萌え絵度:  カバーを含むイラスト担当は うそねこ さん。叙情的なものからギャグ調まで、イラストの水準は相当高い。下記の公式サイトから、萌え本イラストのお仕事も多数。
テーマ萌え度: 「日本初?のライトポエム!」(帯裏面のキャッチコピーより)と銘打った、挿絵つきの散文詩集。
「外見は14歳の白人少女(実年齢は200歳以上)の魔女が、偶然引き取った二人姉妹の養女たちと岐阜県の郊外の日本家屋で暮らす1年間」というストーリーを基調に、魔女たる鳴雪の視点から養女たちや周囲の人間とのつきあい、更には様々なモノたちとの遭遇を通じた彼女の折々の心境が、連作詩集の形式で語られる。それぞれの詩片は独立したものからゆるやかに連続するものなど様々で、挿絵のイラストでオチがつくものなどもあり、全体を通じて緩やかなストーリーを形成する。
萌え本的意義:
 遊タイム出版社発行の萌え本としては確認できている範囲で、
『オトコの娘のための変身ガイド(カワイイは女の子だけのものじゃない) 』(08/10)
『リア充宣言 』(09/03)
『続オトコの娘のための変身ガイド(女声で歌う しぐさで魅せる) 』(09/11)に次ぐ4冊目。
萌えイラストのついた「ライトポエム」は、商業出版ではおそらく日本初。
 「異種育成譚」の設定を取るが、語り手である鳴雪のパーソナリティがほぼ現代人なので悲劇性は少なく、ほのぼの日常系の色合いが濃い。設定や雰囲気は『妖怪アパートの幽雅な日常』シリーズなどに近いかも。
本書では、「詩集」という形式をとった事によって煩雑な背景描写を略し、並はずれた魔力を持つが故に人間世界から外れて生きて来ざるをえなかった彼女が、養女たちとの(かなりおかしなところはあるものの)日常生活を通じて「人との触れ合い」に目覚めていく、という主題を鮮やかに表現しており、形式と内容とがよく調和した良作といえる。多くの人にお勧めしたいのだが、多分自費出版とおもわれ入手しにくいのが難点。こういう書籍は電子化に向いていそうな気がする。(電子化の話は既に出版社からあるらしいのだが実現化してない模様)


総合萌え度 :★★★★★


紹介記事:

作者、恒松けゐさん所属サークルのサイト:
ヤマンチュゲーム研究所
http://www.ob2.aitai.ne.jp/~owl/index.html
参加者プロフィール、の中に紹介文あり。
「•八月に詩集を遊タイム出版さんから出し、「コレのどこが詩だ?」と叩かれる予定。」

イラスト担当、うそねこ さんの公式サイト:
【コゲもフ】 ~もフりもフられ~
http://www1.odn.ne.jp/usoneko/
うそねこについて(こげモフインフォメーション)
 Works内に、2010年09月づけで本書の記載あり。

> pixiv 「うそねこ」のプロフィール 
http://www.pixiv.net/member.php?id=267556
 2010年8月31日づけ記事、 魔女の鳴雪
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=12926883
 カバーイラストの原画を掲載。09月09日ころ店頭に出る予定と。
「 表紙、挿絵、帯デザインなど担当させていただきました。ジャンルは ライトポエム です。
小さな小さな詩というピースが集まって、大きなストーリーを形作っていきます
なるほど。こういうのもあり! と思わずうなずいてしまいましたっ 」

 2010年9月12日づけ記事、 なりゆきのまま
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=13203148
「 挿絵を担当させていただきました『魔女の鳴雪』(恒松けゐ・遊タイム出版)の 帯イラストですヽ^|*=ω=|^ノ 」
 

遊タイム出版社紹介ページ
 >自費出版の本
「この魔女はガラスのくつなんかくれませんし、カボチャの馬車も出せません。泣いた子供を笑わすので精いっぱい。」
 ほぼ基本情報のみ。
(品切れ中、との表記あり)


Amazon.co.jp         の紹介頁 (残在庫1点)
honto              の紹介頁
楽天ブックス         の紹介頁 (版元取り寄せ)
セブンネットショッピング  の紹介頁 (版元取り寄せ)
紀伊国屋書店        の紹介頁 (版元取り寄せ)


付記:
Amazonの発売日は09月、公式サイト上の発売日は09月01日。その他のサイトでは発売日は08月との記載が主。


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