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国際宇宙ステーションへ向かう無人補給船“シグナス”運用20号はアンタレスでなくファルコン9ロケットで打ち上げ

2024年02月05日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
2024年1月31日2時7分(日本時間)、国際宇宙ステーションに向かう補給船を搭載したスペースX社のファルコン9ロケット(ブロック5)が、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられました。

今回のミッション“NG-20”は、NASAの“商業輸送サービス2(CRS-2)”契約の下で実施されるもの。
実験装置やクルーへの補給品など、合計3726キロの補給物資が国際宇宙ステーションに届けられることになります。
図1.無人補給船“シグナス”運用20号機を搭載して打ち上げられたファルコン9ロケット。(Credit: NASA/Kim Shiflett)
図1.無人補給船“シグナス”運用20号機を搭載して打ち上げられたファルコン9ロケット。(Credit: NASA/Kim Shiflett)
ただ、ファルコン9ロケットに搭載されていた補給船は“ドラゴン”ではなく、ノースロップ・グラマン社の“シグナス”だったんですねー

“シグナス”補給船と言えば、“アンタレス”ロケットとの組み合わせが定番です。
でも、ノースロップ・グラマンでは、“シグナス”補給船の打ち上げに使用してきた“アンタレス”ロケットの1段目を強化した“アンタレス330”の開発を、ファイアフライと共同で進めている際中なんですねー

その“アンタレス330”の初飛行予定が2025年なので、それまでのギャップを埋めるため、今回の“シグナス”補給船の打ち上げにファルコン9ロケットが使用された訳です。
“シグナス”補給船がファルコン9ロケットで打ち上げられたのは、今回が初めてのことでした。
ノースロップ・グラマンによる20回目の“商業輸送サービス2(CRS-2)”。(Credit: NASA)
ケープカナベラル宇宙軍基地第40発射施設を離床したファルコン9ロケットは、搭載していた無人補給船“シグナス”運用20号を予定通りの軌道へ投入。
“シグナス”補給船は、2024年2月1日18時59分(日本時間)に国際宇宙ステーションのロボットアーム“カナダアーム2”でキャッチされ、同日21時14分に“ユニティ”モジュールの地球側へ結合されています。
その後、国際宇宙ステーションへ無事到着したことがNASAのSNSやウェブサイトで報告されました。
ノースロップ・グラマンの“シグナス”補給船が2024年2月1日に国際宇宙ステーションに到着。(Credit: NASA)
国際宇宙ステーションは地球低軌道にあって大気抵抗を受けるので、リブーストで高度を上昇させる必要があります。
このため、“シグナス”補給船による追加のサービスとして、リブーストが提供されるかもしれません。
その後、“シグナス”補給船は、2024年5月に国際宇宙ステーションを離れ、大気圏に再突入しミッションを終える予定です。

“シグナス”運用20号の愛称“S.S. Patricia(Patty)Hilliard Robertson”は、医学博士であり、熱気球のパイロットでもあったNASAの宇宙飛行士パトリシア・ロバートソンさんに敬意を表して名付けられたものでした。
1998年に宇宙飛行士に選抜されたロバートソンさんは、2002年に国際宇宙ステーションへ飛行する予定でしたが、2001年に自家用飛行機の事故で命を落としています。


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