宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

異常に膨らんだベテルギウス

2013年09月23日 | 宇宙 space
オリオン座の1等星ベテルギウスが、
過去に観測された大きさの2~3倍に膨れていることが分かったんですねー



緑色(左)と赤色(右)の
光のみでみたベテルギウス
緑色で膨らんでいるのがわかる


ベテルギウスは直径が太陽の1000倍近くあり、
もしも太陽の位置にあれば、木星の軌道まで入ってしまうほどの巨大な星です。

膨張・収縮によって明るさを変える脈動変光星として知られていて、
天体としてはひじょうに不安定な状態なので、
近いうちに超新星爆発を起こすだろうと考えられています。

2012年11月の観測データを解析したところ、
赤、緑、青の波長域のうち、緑色で見たベテルギウスが異常に膨らみ、
形状がいびつであることが明らかになったんですねー

膨らんだ直径は、1972年~2010年に可視光線・赤外線で観測された大きさの2~3倍にもなっていて、太陽系でいえば一気に土星の軌道まで膨らんだことになります。

なぜ緑色で見た形状だけ大きくいびつなのか?
まだ分かっていないのですが、今後その理由を探ることで、「ベテルギウスで何が起こっているのか」が分かってくると期待されています。





口径2メートルの“なゆた望遠鏡”




今回の観測は、兵庫県立大学西はりま天文台の口径2m“なゆた望遠鏡”に、
可視ターゲット観測装置VTOSを搭載して行ったもの。
VTOSは可視光で大気のゆらぎの影響を取り除いて、天体の詳細な姿を撮影するための装置なんですねー

2005年に国立天文台“すばる望遠鏡”から、西はりま天文台“なゆた望遠鏡”に移設され、
これまで改造と機能向上が続けられてきました。

“なゆた望遠鏡”とVTOSを組み合わせることで、可視光域で0.1秒角以下の角度を見分けられるようになり、今回の発見につながったそうですよ。


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