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北極星は、思っていたより近かった

2012年12月14日 | 宇宙 space
北極星は大昔から、船乗りたちを導いてきた星です。
この星と地球との距離が、これまでかなり過大に見積もられていた可能性があることが、最新の研究から分かりました。

研究チームでは、北極星が発する光の量を調べてきました。
それにより、北極星は実際には従来考えられていたよりも、30%太陽に近く、約323光年の距離にあるそうです。

今回の研究では、ロシアにある口径6メートルの望遠鏡が使われ、
北極星の光のスペクトルの分析と、表面温度と本来の明るさの変化のデータから、太陽系と北極星の距離を計算することができたんですねー

その結果、これまで認められてきた434光年という数字は、大幅に修正されることになるようです。
これまでの距離は、1990年代に星の位置を測定した欧州宇宙機関(ESA)の“ヒッバルコス衛星”により得られたものでした。

北極星がよく知られているのは、この星が北半球から見た空の中で、地軸の北極方向に固定した位置を保っているからです。
ほかの星は、北極星を中心に回っているように見えます。





北極星を回る星の筋
地球の自転と
長時間露光で撮影




北極星が4日周期で、暗くなったり明るくなったりすることは、以前から知られていました。
これは、明るさを変化させる“ケフェイド変光星”と呼ばれるグループに属するからなんですねー

北極星は“ケフェイド変光星”の中で最も太陽系に近く、最も明るい星と考えられています。
また北極星は、研究者が数十億光年という宇宙的な距離を測定するための、一種の宇宙論的物差しとしても利用されています。

なので、北極星までの本当の距離を確実に把握することは、宇宙の理解のためにきわめて重要なんですねー

たとえば、宇宙の膨張を加速する原因と考えられている謎の力“ダークエネルギー(暗黒エネルギー)”の研究も、北極星のような星のデータに左右されます。

今回の研究では、北極星を取り囲むように見える、いくつかの恒星の位置も測定しています。
これらの星がみな、元は1つの星団に属していたのですが、現在は離れ離れになったことを示唆する証拠も見つかっています。

この星系には、いくつかの“ケフェイド変光星”のほかに、2つの恒星が含まれることが分かっていて、
まだ未知の天体… 巨大な惑星などが、北極星の周りを回っている可能性があるんですねー

北極星には間違いなく、まだ奇妙な点がいくつか残っているみたいです。
なので、今後何年かは重要な研究対象であり続けるようですよ。


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