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太陽を2つ持つ惑星に生命は存在するか? 水が液体で存在できる領域に惑星を発見

2016年06月27日 | 宇宙 space
系外惑星探査衛星“ケプラー”の観測により、
2つの恒星が互いを回り合う「連星」の周りを回る系外惑星が発見されました

この系外惑星は“ケプラー1647b”といい、
「連星」を回る系外惑星としては最大のものになり、
1100日以上をかけて2つの太陽の周りを回っているようです。
連星を回る系外惑星(イメージ図)
小さな黒い天体が“ケプラー1647b”


連星を回る“周連星惑星”

はくちょう座の方向約3700光年先にある“ケプラー1647”は、
太陽より少し大きい星と、少し小さい星からなる連星系です。

この連星系で今回見つかったのが系外惑星“ケプラー1647b”で、
年齢は約46億歳の地球とほぼ同じ約44億歳でした。

連星を回る惑星は“周連星惑星”と呼ばれ、太陽を2つ持つことになります。

  周連星惑星というのは、
  単一の恒星の代わりに、連星系の周囲を公転する惑星のこと。


銀河系の約半数が連星系の恒星と見られているのですが、
連星の周囲は重力が複雑に作用するので、
惑星は形成されにくいと考えられているんですねー

今回、トランジットという方法で“ケプラー1647b”を見つけています。

トランジット法とは、
惑星が恒星(主星)の手前を通過(トランジット)する時に見られる、
わずかな減光から惑星の存在を検出するです。

そして、トランジットを起こしている“周連星惑星”としては、
これまで発見されている中では最大で、木星と同じ位の質量と半径を持っていました。

ただ、2つの恒星が互いを回り合う連星系では、
一方の恒星がもう一方の恒星の前を通過する食連星も起こるので、
惑星の通過と見間違えてしまうんですねー

なので連星系でのトランジット法を用いた惑星発見は難しくなります。
これまでに系外惑星探査衛星“ケプラー”が発見した
“周連星惑星”の大きさの比較


地球外生命は存在する?

“ケプラー1647b”は、
これまでに確認されている系外惑星の中では、
最長の周期でで2つの太陽の周りを回っています。

この長い公転周期が、
「大きな惑星なのに、これまで発見されてこなかった」
ことの原因になっているのかもしれません。

また“ケプラー1647b”は、連星から約4億キロ離れています。

太陽系でいえば小惑星帯のあたりになり、
これまで見つかったどの“周連星惑星”よりも主星から遠いんですねー

この距離が、
ちょうど連星系“ケプラー1647”のハビタブルゾーン内になるので、
地球外生命を想像してしまいますよね。

  ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)とは、
  主星からの距離が、水が液体の状態で存在できる温度をもつ領域のこと。


スターウォーズのルーク・スカイウォーカーの故郷、
太陽を2つ持つ惑星タトゥイーンに似ていますが、
“ケプラー1647b”は木星のようなガス惑星なので、
生命が存在できる可能性はなさそうです。

まぁー 惑星の周りに大きな衛星でも存在すれば…
そこには生命に適した環境があるのかもしれません。

ただ、“ケプラー1647b”を重要な存在としているのは、
理論的に存在が予測されている長周期の“周連星惑星”の、
氷山の一角だからです。

もちろん、生命を育める環境があるかどうかも重要ですが…


こちらの記事もどうぞ ⇒ 連星系に惑星が存在する可能性


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