宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

銀河系を含む新超銀河団“ラニアケア”

2014年09月18日 | 宇宙 space
銀河系付近の新しい宇宙地図が作られました。
この地図は、銀河系の位置と周辺の何万もの銀河との関係を示す地図で、
この関係づけにより、新たに“超銀河団”が定義されたんですねー

この銀河団は“ラニアケア”と名付けられ、
ハワイの言葉で「無限の天空」を意味するそうです。
銀河同士の間に働く重力を追跡して作成した新しい宇宙地図。
銀河(白い点)が巨大な超銀河団を構成し、その中に銀河系(黒い点)がある。
白い線は、新たに確定された超銀河団“ラニアケア”の重力中心に向かって、各銀河が動く道筋を示している。青は銀河の密度が低い領域、緑は中間、赤は高密度。


宇宙では、銀河は互いに集まって巨大な構造を作る傾向があります。

天文学者は、これを超銀河団と呼んでいて、
地球が属する銀河系は、直径5億光年で約10万の銀河を含む“ラニアケア”超銀河団の縁近く位置します。

この超銀河団も、宇宙のほんの一部にすぎず、
宇宙は観測可能な範囲だけでも、900億光年以上の広がりがあるようです。


銀河系周辺の地図が作られたのは、これが初めてではないのですが、
これまでの地図では、銀河系の属する超銀河団に重力によって結びついているかを特定できませんでした。

今回の研究では、
各銀河が宇宙空間で、どのように運動しているかを観測し、
“ラニアケア”の境界と、それに属する銀河とを特定しています。

観測される銀河の運動から、宇宙の膨張による運動の成分を引いたもの。
これを得意運動といいます。

この得意運動をもとに軌跡を描くことができ、
銀河がどのように動くかを示すこの軌跡から、
銀河を引き付けている重力の中心(アトラクター)の位置が分かります。

こうしたアトラクターが超銀河団の核を形成し、
そこに属する銀河の振る舞いを支配しています。
でも、核に引き付けられる得意運動を、突き止めるのは容易ではありません。

これは銀河ごとに得意運動を観測するのが非常に困難なためです。

なので今回は8000の銀河の特異運動を調べることで、
銀河系と周辺の銀河が、どのアトラクターに支配されているのかを、
突き止めることに成功したんですねー

そして、それをもとに“ラニアケア”超銀河団の範囲が確定されることに…

簡単に言うと、運動が“ラニアケア”のグレート・アトラクター(ケンタウルス座の方向にある)に支配されている銀河は、
“ラニアケア”超銀河団に属しているということになります。

超銀河団に含まれる銀河は、宇宙の糸に通されたビーズのように連り、
それぞれの糸がグレート・アトラクターへと繋がっていて、
銀河系は、これらの糸のうちの1本の端にあるということなんですねー

ただ、空間的に“ラニアケア”に属する銀河のすぐ横に位置する銀河でも、
別のアトラクターに引き付けられていれば、“ラニアケア”とは別の超銀河団に属することになります。

驚いたことに超銀河団は、さらに巨大な銀河集団である“シャープレー集団”に引っ張られている可能性もあるようですよ。
まぁー まだ十分な情報がなくて、“シャープレー集団”の概要は分かっていませんが…


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