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NASAの火星探査機“インサイト” 搭載機器の問題で3月の打ち上げを断念…

2016年01月06日 | 火星の探査
3月に打ち上げを予定していたNASAの火星探査機“インサイト”。

搭載機器のひとつに問題が発生し、
解決には時間がかかるため打ち上げは延期されるようです。

問題が発生しているのは、
フランス国立宇宙研究センターから提供された地震計。

この地震計は、
火星の環境から守るためセンサーの周囲が真空になっています。

でも今年の初めに、この真空が保てないという問題が見つかるんですねー

その後、修理が行われるのですが、
昨年の12月21日に実施した試験でも同様の問題が発生…
打ち上げは延期になったということです。

次の打ち上げチャンスは?

地球と火星との軌道の関係から、
火星探査機の打ち上げに適した時期は、2年2か月ごとにしかめぐってきません。

なので今回を逃すと、
次に打ち上げが可能になるのは2018年になってしまうんですねー

NASAでは今後数か月の間に、新しい予定を決定するとしています。

でも、問題が起きた地震計の改良や、
完成している探査機本体や他の機器保管などには、
さらに予算が必要になるんですねー

NASAの低予算プログラム“ディスカバリー”の候補に挙がっていた、
3つの計画から選ばれたのが“インサイト”でした。

選ばれた理由は、スケジュールがずれ込む可能性や、
予算の上限を超える可能性が低かったことにあります。

なので打ち上げの延期や、機器保管に追加の予算が必要な状況では、
今後どうなるかは不透明な状態…

なんせ新探査機の開発費は約334億円で、
キュリオシティの総事業費の6分の1だったんですね。


将来の有人探査に欠かせない探査

“インサイト”は、火星の内部の様子を探ることを目的とした探査機で、
2008年に火星に着陸した“フェニックス”の設計をもとに開発が行われました。
当初、打ち上げは2016年3月に予定され火星着陸は同年9月。

着陸後には、
アメリカをはじめ、フランスとドイツなどの機器を使い、
約2年間にわたって観測を続け、火星内部の熱の流れを調査する予定でした。

地下をドリルで掘って機器を設置、
地下震動や温度変化などを調べ火星の内部構造を解明し、
将来の有人探査に欠かせない貴重なデータが得られると期待されていたんですねー


こちらの記事もどうぞ ⇒ 今度は火星の内部調査へ(NASAのインサイト計画)


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