宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ビッグバン直後に、なぜ宇宙は崩壊しなかったのか?

2014年11月25日 | 宇宙のはじまり?
素粒子物理学の標準理論では、
「なぜヒッグス粒子の生成によって、ビッグバン後に宇宙が不安定となり崩壊しなかったのか?」
について、まだ答えを出せていません。

その謎については、
「未知の物理が働いた」といった理論が、複数考え出されているのですが、
答えは意外にシンプルなのかもしれないんですねー

天文衛星“プランク”による宇宙マイクロ波背景放射の全天マップ。

欧州原子核研究機構でヒッグス粒子が発見されたのは、2012年のことです。

ヒッグス粒子が発見されたということは、
加速膨張する初期宇宙で、ヒッグス粒子が作られたことによって宇宙が不安定になり、
崩壊が引き起こされた、はずであることを示します。

でも、現実として宇宙が崩壊していないのは、なぜなんでしょうか?

その理由については、
「知られざる未知の物理が働いた」という説が、いくつか唱えられてきました。

そして今回の研究では、
「“時空の曲率(重力)”によって安定性が得られたため」という、
とてもシンプルな解決案が発表されることに…

エネルギーが、どのように変換するかを考慮に入れ、
ヒッグス粒子と重力との相互作用を研究した結果、
わずかな相互作用で、崩壊をまぬがれるには十分だと分かります。

素粒子物理の標準モデルにおいて、
未知のパラメータである、ヒッグス粒子と重力の相互作用についての研究では、
このパラメータは、粒子加速器による実験では測れないレベルなのですが、
インフレーションの最中に、ヒッグス粒子が引き起こす不安定性には大きな影響を与えます。

比較的小さな値でもあっても、新しい物理法則や現象を考えることなく、
この宇宙が生き残れたことを説明するのに十分なんですねー

今後得られる宇宙マイクロ波背景放射や重力波の観測データから、
この相互作用をより詳細に明らかにし、
初期宇宙の進化に、どのような影響を及ぼしたのかを解き明かす計画です。

粒子物理学の標準理論… 
この最後の未知数が得られたとして、
私たちすべての存在に関する基本的な謎の答えに、迫ることができるんですかねー


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